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『道浦TIME』

新・ことば事情

6001「異例な事態」

 

 

TBSの番組を見ていたら、こんなスーパーが。

「異例な事態」

これは間違いですよね?私の「語感」によると、正しくは、

「異例の事態」

だと思います。「な」は付きません。恐らく、「な」が付く、よく似た意味の言葉である、

「異常な事態」

との「混交表現」だと思われます。こんな言葉が使われるのは、「日本語」にとっては、

「異常な事態」

だと思います。まさに、

「問題な日本語」

だと思います。これで思い出すのは『問題な日本語』というベストセラー本。あの本が出たのは「2004年12月」で、もう12年も前のことになるのですねえ。ということは、この言い方は「ゼロ年代」に定着したと言えるのかもしれません。

つまりこういった「ものの言い方」が、決して、

「異例の事態」

ではないのが現状です。TBSのみならず、わが「ミヤネ屋」でも、他の番組でも、こういった間違いをしばしば目にするのです。「異例の」と「異常な」の区別のつかない人が増えているのではないでしょうか?これは、「異常な事態」でしょ?え?

「非常事態」

ですって?

こうやって日本語は変わっていくのかもしれませんが、最後まで その防波堤となるべく、このような間違いを出さないように努めていきたいと思います!

 

 

(2016、2、18)

2016年2月20日 12:08 | コメント (0)