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『道浦TIME』

新・ことば事情

5927「受け身形の語尾の省略と助詞」

 

 

「ミヤネ屋」のテロップのチェックをしていて、普段よく私が直す「助詞」は、

「『受け身』の形の『語尾を省略』したのに、それに伴う『助詞の変更』をしていない場合」

です。具体的には、

×「親子の関係を一変」→○「親子の関係が一変」

×「変更が検討」→○「変更を検討」

×「木造船が発見」→○「木造船を発見」

×「10人の遺体が発見」→○「10人の遺体を発見」

×「壁に希望が書いています」→○「壁に希望が書かれています」

というもの。

左側の「×」が付いたものの元の形は(ナレーション原稿は省略されていない)、

「親子の関係を一変させた」

「変更が検討された」

「木造船が発見された」

です。この語尾の「された」「させた」という「受け身」や「使役」の助動詞が省略されると、「受け身」ではなくなるので、

「助詞を変える必要がある」

のです。そうでないと、誤ったスーパーを、そのまま「体言止め」で読む人が出て来る(もう出て来ている)からです。

ま、私一人が頑張っても、たかが知れているのですが、世の中の流れは確実に、

「間違った方向に向かっている」

と感じます。「悪貨は良貨を駆逐する」ですね・・・。

(2015、12、9)

2015年12月11日 18:27 | コメント (0)