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『道浦TIME』

新・ことば事情

3993「空砲と空包」

5月6日の「ミヤネ屋」で、沖縄・海兵隊の訓練の様子の映像を放送しました。実はこれ、「ミヤネ屋」が独自取材したものではなく、2007年に同じ読売テレビの番組『ウェーク・アップぷらす』が取材・放送した素材をお借りしたものでした。その中のテロップで、訓練中の「銃弾」に関して、

「銃は空砲」

というものがありました。これに関して、読売新聞校閲部出身でテロップ・チェック係として報道局に来ていただいているOさんから、OA前に、

「『空砲』ではなく、『空包』ではないか?」

とご指摘を頂きました。そこであらためて『新聞用語集2007年版』で確認したところ、

「空砲」=実弾をこめていない銃砲、またはその射撃

「空包」=「実包(実弾)」の対語。音だけ出る演習弾。

となっていました。うーん、演習で使う「弾」の話だし、これはOさんのおっしゃるとおりだなと判断し、「ミヤネ屋」では、

「弾は空包」

というテロップをスーパーしました。

そのようにテロップを直そうとしたところ、編集にあたっていたディレクターは、

「『ウェーク』さんにお借りした素材だし、勝手に変えるのは・・・・」

と渋ったのですが、

「それとこれとは別。3年前の時点で間違っていたことを『借りた素材だから』ということで、間違いに気付きながら直さなければ、こちらの責任になる」

と指摘して、直しました。

スーパー1枚を取ってみても、なかなかいろいろと難しい問題もあるものです・・・。

(2010、5、19)

2010年5月19日 17:46 | コメント (1)

コメント

空砲と空包って
和牛と韓牛くらいの差がありますね。

私は前者、和牛の方が好きですけど。

投稿者: (・e・) 日時:2010年05月20日(木) at 00:12