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小澤昭博(ytvアナウンサー)『小澤昭博のゴルフナビ』

「PGAツアーデビュー4」

迎えた大会初日のティーオフ。スタート10分前にティーインググランドに向かいます。予選ラウンドの同伴プレーヤーはアメリカのアレックス・プラフと韓国系ニュージーランド人23歳のダニー・リー。


ダニー・リーは08年8月の全米アマチュア選手権で、タイガーウッズの最年少優勝記録を6カ月29日更新する18歳1カ月で、アマチュア最高峰のタイトルを手にした逸材です。クラブをあんなに強く振る選手は見たことがありません。インパクトの乾いた打球音が聞こえると、凄まじい勢いでボールが飛び出していきます。


一方のアレックス・プラフは下部ツアーのウェブドッコムツアーからの昇格選手。ダニー・リーとは対照的に飛距離はそれ程出ませんが、ゆったりしたスイングから、安定した軽いドローボールを巧みに操ってきます。


「ナイス トゥー ミーチュー。」スタート直前、その二人のPGA選手がティーインググランドで私に握手を求めてきました。「ナイス トゥー ミーチュー。マイ ネーム イズ アキヒロ オザワ。」と自己紹介をし、気持ちも高まってきます。


快晴微風。シーサイドコース特有の風もさほど気になりません。インコース・スタートのヒョンソンは短いパー4から。心地よい緊張感に包まれ、ドライバーから放たれた打球はフェアウェイセンターをとらえました。ヒョンソンも私も安堵の表情に。


「先輩、いよいよ始まりましたね。先輩が一緒だからデビュー戦も心強いです!!よろしくお願いします!!」とがっちり握手をして二人の4日間の戦いが始まりました。いよいよソニーオープン2014開幕です。





(撮影・ゴルフスタイル 鎌田俊夫さん)

久しぶりの試合でしたが、ヒョンソンのショットは悪くはありません。むしろ「この調子ならいい位置で戦えるんじゃないか!?」と感じるくらいです。問題はパッテイングです。こればかりはある程度ラウンドをこなさないとフィーリングが戻ってきません。ヒョンソンも「勝負はグリーンですね・・・。」と同じ様に感じていました。


大会初日はバーディチャンスを中々決められず、沈めたい距離のパーパットも決まらずのイーブンパー65位タイでホールアウト。内容は決して悪くはないのに苦しい滑り出しとなりました。


カットラインぎりぎりのところですが、ヒョンソンはこのスコアを意に介する様子もありません。「先輩、明日で何とかなりますよ!明日はアンダーパーを出しますから安心して下さい!!」といつもの前向き思考のヒョンソンです。これがヒョンソンの一番の強みなのです。


初めてのPGAツアー予選通過をかけた大会2日目も快晴微風。この日はアウトコース・スタートです。


1番ホールは488ヤードのパー4。我々アマチュアなら距離の短いパー5という感じですが、PGAツアーともなればこの距離もノーマルなパー4となり、まずドライバーショットをフェアウェイに運ばないとパーセーブも難しくなります。ヒョンソンはこの日もフェアウェイど真ん中、ナイスショットでのスタート。スタートホールを危なげなくパーで滑り出すとリズムに乗ってきました。


入れごろ外しごろと言われる、2メートル前後のパーセーブパットも要所要所で決まります。初日は明らかなミスショットも2回ありましたが、2日目はそれも全くありません。「今日は行けそうだ!」


初日からのイーブンのままハーフターンをしてから、私はグリーン奥に設置されているスコアボードをチェックしていきました。どうやら予選カットラインは1アンダーになりそうです。「何とかあと1つ!」


ヒョンソンは上り調子のまま11、12番ホールで連続バーディーを取って2アンダーの安全圏に入ったのですが、残り3ホール、17番パー3でよもやのボギー・・・。予選通過ラインぎりぎりの1アンダーにスコアを落としてしまいます。


それでもこの日のゴルフのリズムが良かったこともあり、「ヒョンソン、最終ホールをイーグルでフィニッシュしよう!」と語りかけると「もちろんです!!」と笑顔で返してきました。気持ちも前に向いています。


さあ、最終18番ホールは2オン可能なパー5。ただし、左ドッグレッグの左サイドには、背の高い椰子の木がこれぞハワイと言わんばかりに綺麗に並んでいます。この椰子の木沿いに左に曲がっていくフックボールを打たなければ2オンは出来ません。


右に曲がるスライスボールが持ち球のヒョンソンにとっては難しいショットです。椰子の木沿いにフックボールを狙っていきますが、やはりイメージが出しにくいようです。


初日は、フックがかからず右コーナーにあるバンカーにつかまりパーでした。この日もティーショットはそのバンカーめがけて飛び出しました。「先輩、またバンカーですね・・・。」


少し落胆しながらセカンド地点に行ってみると、ボールはバンカーを駆け上がりラフに出ていました。流れが良い時はこんなものです。良い方に良い方に状況がまわってきます。2オンこそは成りませんでしたが、グリーン手前からアプローチを上手く寄せて最終ホールをバーディーフィニッシュ。トータル2アンダー、42位タイ、PGAデビュー戦で予選通過を果たしました!!


不思議だったのは、試合中、ヒョンソンが予選通過ラインのスコアを私に一度も聞いてこなかったこと。


私は何度もボードを確認し、カットラインのスコアを気にしていましたが、ヒョンソンがその話題に触れないので、私も敢えてヒョンソンには伝えませんでした。


ホールアウト後にヒョンソンは言いました。「私もスコアボードは見ていました。それでもカットラインが気にならなかったので先輩に聞きませんでした。ゴルフの調子が良かったので不安が無かったからです。」


そして、「先輩が私にカットラインの話しをしないでいてくれたのはナイスジャッジです。私はそういうことを先に言われてしまって、気にし過ぎるのが嫌いなんです。」と。


PGAツアー・デビューコンビの二人は、お互い目の前の仕事に一つ一つ集中しながら予選通過を果たしました。予選ラウンドは無欲の勝利です。良い流れになってきたヒョンソンのゴルフ。しかし、ゴルフはつくづくメンタルなスポーツだと痛感させられた決勝ラウンドが始まります・・・。 


おまけ


朝食の定番、大好きなサーモンエッグベネディクトを食べてから出陣しました。



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投稿者: 小澤昭博 日時: 2014年03月05日(水) |

アナウンサー