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案件7

湯川 奈都子(雑誌編集長)青木 さやか
結婚相談所「ゲットマリッジ」に入会した婚活女性。
時間と労力、お金を費やしても、未だ良い相手が現れないことに疑問を感じている。
原因は結婚相談所にあると考え、会費の全額返還と慰謝料の請求を決意。

結婚相談所「ゲットマリッジ」では、結婚できそうもない会員をリストアップし、会費搾取のために妨害行為をしていた。 潜入捜査と内部告発から不正は明らかになり、会費の返還と慰謝料が支払われた。

第7話「独身40女は要注意!疑惑の悪徳結婚相談所に潜入!」

“慰謝料”を勝ち取って、人生の再出発を後押してくれる袴田法律事務所。
今回、相談に訪れたのは、助手の野々村香苗(矢田亜希子)が漫画を連載する出版社のバリキャリ編集長・湯川奈都子(青木さやか)。彼女は成婚率業界ナンバーワンの結婚相談所『ゲットマリッジ』に入会して50回以上の見合いをしたものの、成婚ならず。結婚相手を見つけられないのは結婚相談所に問題があるとして、会費の全額返還と慰謝料を請求したいと主張する。「それってほぼイチャモンじゃ…」ボソッと呟くアルバイト・篠塚里奈(岩﨑名美)。袴田幸男(田中直樹)も契約書を見るが、「結婚に至らなかった場合でも返金はしない」という条項が盛り込まれていて、慰謝料を取るのは難しいと見解を示す。すると、奈都子は「先生もあの人達と同じなんですね」と言い出した。先日、『ゲットマリッジ』の代表・尾崎(川崎麻世)と奈都子を担当する社員・立花(中林大樹)に直談判したところ、尾崎から「結婚できないのは奈都子の容姿が悪いからではないか」と暗に言われたんだと言う。
しかし、そうは言われても…袴田は困惑するが、その時だった。
「先生、この依頼、お受けしましょう」

現れたのは、フリー調査員・梅本くるみ(渡辺直美)だった。
だが、この案件は「結婚相談所に不正がある」と立証できないと勝ち目がない。しかも、袴田の専門は離婚で、企業相手の慰謝料請求は苦手としていた。逡巡する袴田。ところが、「昔は企業法務が専門だったでしょ」

今度は大家の遠山芳江(美保純)が現れ、切り返した。芳江によると、袴田は優秀な弁護士で、大企業を相手にバリバリ戦っていたという。驚く香苗、なんだか気になる…。
結局、今回の依頼はくるみの強い押しで、引き受けることになった。しかし、なぜもこうくるみが熱くなるのか。それにはくるみの悲しい過去が深く関わっていた。

4年前。今と違って、細身の体型をしていたくるみ。商社でOLとして働いていて、同じ職場には洋平という恋人がいた。そんなある日、洋平が半年間、大阪に転勤することに。洋平からは東京に戻ってきたら結婚しようとプロポーズされ、遠距離恋愛が始まった。ところが、くるみは寂しさゆえに“食”に走ってしまい…。
くるみの変わり果てた姿を見た洋平は彼女をひどく罵倒し、一方的に婚約を破棄。その上、彼は大阪で浮気をしていた。この時、心が深く傷ついたくるみ。今でも容姿で人を見下すような人間が許せなかった。ところが、この強い想いがとんでもない方向に…。

『ゲットマリッジ』の見合いパーティー会場。香苗はくるみに強引に連れられ、パーティーに参加していた。先日、2人は袴田と共に代表の尾崎と社員の立花に会ったが、一蹴されてしまった。憤るくるみ。今回、潜入捜査をして、不正を暴こうと言い出したのだ。しかし、今日の香苗とくるみはどうも噛み合わない。そんな時だった。向こうで「やる気があるのですか!」と責められている男性が…。きっとこれは『ゲットマリッジ』が仕込んだサクラに違いない! くるみは声の先を見るが、そこにいたのは袴田だった。くるみたちが心配で、参加していたのだ。もちろん、結婚の意思はない…。

ところが、袴田は見事、カップルを成立させる。しかも、早速、デートの約束をしちゃったりして……。今回の調査についてもパーティー終了後、尾崎たちに潜入捜査がバレて、警告されたのもあり、臆しているように見える袴田。くるみは面白くない…。
袴田には無断で、くるみはパーティーの男性参加者・川尻から強引に話を聞き出す。川尻は他の結婚相談所にも登録しているが、『ゲットマリッジ』はその中でも良心的だと言う。しかし、ただ一度だけ見合いのリクエストを断られていた。その女性はなんと、あの奈都子だった。しかも、断った担当者は立花で…。

実は立花、前職はラーメン店を経営していて、奈都子が編集長を務めるグルメ雑誌で酷評され、店を潰していた。個人的な恨みから、奈都子の見合いを妨害したのだろうか。くるみは早速、立花に会って、強く問い詰めるが…。
立花は奈都子を恨んでいないと反論する。むしろ彼女のおかげで目が覚めて、感謝している、とも。ところが、そこへ尾崎が現れ、くるみは警察に通報されてしまう。

――袴田法律事務所。「無茶な調査はやめて下さいと言ったでしょう!」
警察からくるみを連れ帰った袴田が、彼女を叱りつける。そして、今回の件から手を引くよう言い渡した。肩を落とすくるみ。立花との会話を録音したボイスレコーダーを置き、事務所を出て行く。一方、香苗は驚いていた。こんなに袴田が怒ったのは初めて見たから。 香苗は、パンをこねている袴田に意見する。
「私の目から見ても、今回の袴田先生はおかしいです。カップルになって浮かれてるのかもしれませんけど、依頼人の気持ちを考えて、依頼人の幸せのために動くのが袴田先生なんじゃないですか」

「私は一度だって浮かれた覚えはありませんよ」
実は袴田、カップルになった女性を突破口に、『ゲットマリッジ』の実態を調べていた。『ゲットマリッジ』は成婚率を上げるために、積極的に結婚相手を見つける会員と、会員を搾取するためにサクラばかり紹介している会員を選別していた。
「それがわかってるのなら、慰謝料を取れるんじゃないんですか」
しかし、これらを裏付ける証拠はない。「ただ…」袴田はくるみのボイスレコーダーを聞いて、「これのおかげで糸口が掴めました」と確信めいた表情を浮かべる。
「え?」意味がわからない香苗だったが、「くるみさんに連絡して下さい。もう少し調べてもらいたいことがあります」

――数日後。袴田たちは奈都子と共に、『ゲットマリッジ』に乗り込んだ。そこで袴田は、立花が奈都子に対する個人的な感情から意図的に成婚を妨害していたことをただす。しかし、ここでいう「個人的な感情」は「恨み」ではなく、「恋心」だった。そしてその証拠は、くるみが掴んでいた。立花が書いたと思われるブログで、そこには結婚相談所の職員が会員への密かな恋心を綴られていた。立花もついに観念し、すべてを話そうとするが、尾崎が「社内情報を外部に話した人間には罰金150万円」という社員規則を盾にそれを阻止する。ラーメン店倒産で借金を背負った過去を持つ立花にとっては、罰金150万円は大きかった。ところが、袴田はそんな尾崎を断罪する。
「そもそも会社の不正行為を告発することに罰金を科すことは、少なくとも今回は、公益通報者保護法により許されませんよ」
ぐうの音も出ない尾崎。立花は、「チェリーリスト」なるものが存在することを明らかにする。チェリーリストとは、結婚相手が見つかりそうもない会員をリストアップしたもの。サクラをあてがって、適当にいい思いをさせ、会費を搾取し続けるのだ。そのリストの中には奈都子の名前もあった。立花は自身の恋心も重なって、彼女の成婚を妨害する。さすがに、妨害が続けば奈都子も退会してくれるだろう。社員と会員の恋愛は社則で禁止されており、立花は彼女の退会後に交際を申し込むつもりだった。驚く奈都子、言葉がない……。袴田は奈都子への慰謝料はもちろん、リストの存在を全会員に明らかにすることを要求する。尾崎は慌てて「そんなことをしたら我が社はおしまいだ」と声を上げる。
「それでいいじゃないですか。容姿でしか人の価値を測れないような人間に、人の出会いを司る資格はありませんから」
「!」くるみはこの時、袴田から婚約解消時にかけられた言葉を思い出す。「梅本さん、この度はラッキーでしたね。容姿でしか人の価値を測れないような浮気男と、結婚しなくて済んだんですから」。実はくるみ、袴田のクライアントだった。袴田によって、あの時、人生のどん底を救われた。だからこそ、袴田の今回の態度は歯がゆく思えたのだ。

後日、「ゲットマリッジ、内部告発により倒産」という見出しが新聞紙上を踊る。その記事を袴田法律事務所で読む香苗と里奈。くるみは今回の暴走を袴田に謝っている。そこへ奈都子と立花がやってきた。2人はなんと結婚するという。そして、今回の慰謝料は結婚資金に回すらしい。奈都子は袴田にいたく感謝するが、 「お礼なら、私ではなく彼女にして下さい」そう言って、くるみを見る袴田。「彼女の調査がなければ、今回の件で、慰謝料を取ることはできませんでしたから」 「……」袴田の言葉が嬉しいくるみ。
香苗も2人の和解が嬉しくて、微笑みを浮かべるのであった…。