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小澤昭博(ytvアナウンサー)『小澤昭博のゴルフナビ』

「中欧芸術探訪・ウィーン編」

ウィーン&プラハへ芸術鑑賞の旅に行って来ました。


貴族の夏の離宮であるベルヴェデーレ宮殿の上宮はオーストリア絵画の美術館になっており、オーストリア出身で“世紀末美術”を代表する画家、グスタフ・クリムトの世界最大のコレクション、代表作の“接吻”や“ユディト”などが展示されています。


中でもお目当ての“接吻”は、縦横180センチの正方形と想像していたよりも遥かに大きく、描かれてから107年経った今も少しも色褪せずにきらびやかな輝きを放っていました。


その色彩が華やかであればある程、断崖ぎりぎりに足がかかる男女の幸せの儚さが引き立ちます。幸福と死は背中合わせだということ。背景に使われている金箔は日本美術の影響だそうです。





(ウィーンの空港では巨大“接吻”パネルがお出迎え。これから始まる旅に胸が膨らみました。)


ベルヴェデーレだけでなく、ウィーンミュージアム・カールスプラッツやセセッシオン、レオポルト・ミュージアムなどにもクリムトや、クリムトの弟子であるエゴン・シーレの作品が満載でした。


クリムトの作品をこれ程まとめて観られるのはウィーンだけ。クリムトが生涯のほとんどを過ごしたウィーンだからこそです。ゆっくりしっかりと、念願のクリムトの世界を堪能出来て大満足でした。





(ベルヴェデーレ宮殿上宮)





(ベルヴェデーレ宮殿上宮2階から見た庭園と下宮とウィーン市街)


13世紀末から20世紀初頭までの645年に渡り、全盛期にはヨーロッパの大部分を統治した、“ハプスブルク家”の繁栄の象徴、王族の夏の離宮の世界遺産・シェーンブルン宮殿と、歴代皇帝の居城とされていた王宮(ホーフブルグ)には、唯一の女帝・マリア・テレジアや、その娘のマリー・アントワネット、美貌の皇后と崇められたエリザベートらが使ったという豪華絢爛な部屋や莫大な調度品が展示されており、圧巻でした。


シェーンブルン宮殿には当時6歳のモーツァルトが宮殿で行われた演奏会で当時7歳のマリー・アントワネットにプロポーズをしたという鏡の間や、ナポレオンが一時期占拠していた部屋も。





(シェーンブルン宮殿正門)



(シェーンブルン宮殿庭園)





(王宮正門)


そして、ハプスブルク家歴代君主の内臓が納められており、歴代皇帝の儀式や、モーツァルトの結婚式、お葬式も行われたシュテファン寺院。こちらも世界遺産です。





(シュテファン寺院)


シュテファン寺院のすぐ裏、モーツァルトが代表作“フィガロの結婚”を作曲し、生涯で最も実りの多い時期を過ごしたという家にも。直筆の楽譜や手紙、洋服や調度品などが展示されていました。サロンの窓からの眺めは当時そのままだそうで、230年前のモーツァルトが、その窓から見える街並みをどんな気持ちで眺めながら数々の名曲を作っていたのかなと思いを馳せました。





(モーツァルトハウス)

豊かなウィーンの街そのものが、ヨーロッパ史上最大の帝国、ハプスブルク家の栄華を今に伝えています。

投稿者: 小澤昭博 日時: 2015年07月29日(水) |

アナウンサー