• 『アニ民339人目』声優の大塚芳忠さん
  • 『アニ民339人目』声優の大塚芳忠さん

  • 2019.01.17

今週のアニ民は声優の大塚芳忠さんです。ここではいつものようにほうちゅうさんと呼ばせていただきます。ほうちゅうさんとは1987年「シティーハンター」でお会いして以来本当に長いおつきあいです。でも今回はちょっと珍しいお話も聞けました。

岡山県津山市出身のほうちゅうさん、かなり田舎の出身で未だに村には信号が無い、ってそれは本当にすごい。子供の頃からマンガが好きで、小学校に入ってすぐに近所の子供たちに読み聞かせしてたそう。高校までは村から最寄り駅まで自転車で1時間、その駅は津山線美作河井駅。高校の時はしっかり放送部、朗読やラジオドラマで勉強、どうしても東京へ行きたくて、両親の大反対を振り切って上京します。

東京では「食わなくてはいけない」のでバイトはかなりやったそう。一時、コックさん目指して厨房に入ったりしてたけど、演劇塾の生徒募集を見て発声から勉強をし直す。ところが本人けっこう人見知りのあがり症であるため壁にぶつかり、勝手に塾をやめてまたバイト生活へ。そして25歳の頃に中野でスナックを任されることになります。ここのお客さんがほうちゅうさんの人生を変えることになったんですって。

声が良いからとTV局のプロデューサーに洋画の吹き替え収録見学に連れ出されたそうです。珍しいことですよね。そしてだんだん声を出すようになって訪問するスタジオも次々と増えていって、そのプロデューサーが役をつけてくれるようになった。人見知りでガチガチだったのが、徐々にほぐれてきて顔見知りの人たちができていったのです。

アニメのオーディションで初めて主役をつかんだ作品は「重戦機エルガイム」。アニメの仕事が増えてきたけど、演技のレッスンはちゃんと受けていないので、その勉強は現場で重ねたそう。間の取り方やテンションの付け方など極力先輩のマネをするように、スタジオで見たことを帰ってから何度も何度も練習したと言います。そうして今のほうちゅうさんの渋く重く男前な声になったんですね。

というわけで「シティーハンター」であります。TVシリーズ初期から悪役や殺し屋の声など多くの役を演じてもらっています。さらに「YAWARA!」そして「名探偵コナン」でも誘拐犯など悪役で?何度もお世話になっています。この3作品、共通してるのはアフレコ収録がAPUスタジオであること。APUさんにはお世話になったそうで、今回の劇場版「シティーハンター 新宿プライベートアイズ」でも同じAPUスタジオで、いかにも「ほうちゅうさん」な役を演じていただいてます。今回演じていただいた役は、こだま総監督はじめボクら昔からのスタッフが、どうしてもお願いしたいと思ったキャラクターなんですよ。2月8日公開の映画の中で、ぜひ素敵なほうちゅうさん節?をご堪能くださいです。

目の前で「今回も存分に楽しませてもらった」とほうちゅうさんの声で感想言われると、聞いていてちょっと得した気分になります。「若い頃の自分を見つめる気分にもなったし、長くやってきてよかったと心から思えた。30年前からのキャストが一緒のチームに入れて大光栄!全員で作ってる感覚のこの現場にじんわりきたね」との事。嬉しいです!

以前はビール派だったけど今は甘くないチューハイメイン。料理も得意で味の濃いのが好き、今は特に野菜を自分で料理するようにしているそう。ほうちゅうさん、ボクはワインを飲みますがすべて合わせられます。これからもシブい男性の役も演じてもらって、美味しい飲食をともにお付き合いいただきたいと心からお願いしたい次第です。