• 『アニ民309人目』UWAN Pictures 代表取締役・深瀬沙哉さん
  • 『アニ民309人目』UWAN Pictures 代表取締役・深瀬沙哉さん

  • 2017.09.14

今週のアニ民はUWAN Pictures 代表取締役の深瀬沙哉さんです。ここではいつものように深瀬さんのことを深キョン、と呼ばせてもらいます。前回の川相さん同様ですが、毎日の食事はコミュニケーションとして非常に大切です。そしてそんなある日の食事を人数を集めてイベント化し、そこでさらにいろんな人と出会う場にする人がいます。そんな感じで出会って、続けて会うシーンが多いの、その人が深瀬さんです。

深瀬さんは本来はアニメーションプロデューサーでありディレクターでもあるのです。本人いわく小さなアニメーション会社の経営者、3D中心のその制作は最近では「結城友奈は勇者である」「月がきれい」などにも参加しているそうです。受注の立場でもあり今のアニメーション状況にも詳しいし、いろいろな事例と立ち向かわなくてはいけない立場にいるようです。

そんな深キョンが子供の頃一番覚えてるのが「ゲゲゲの鬼太郎」。夢子ちゃんが出てくるので第3期くらい?そして「トムとジェリー」。地元函館で少年ジャンプやコロコロコミックをお兄さんと取り合ってた4人兄弟の末っ子の境遇だったそうです。趣味の面でもお兄さんの影響をモロに受けて、ビートルズやミリタリー方面が好きになったそうです。その延長線上に来たのが「パトレイバー」。なんと中学生の時「機動警察パトレイバー the Movie」を函館から札幌まで観に行こうと大冒険旅行を敢行。で、その想いを維持して結局「パトレイバーミニパト」のスタッフとして劇場版第3作に参加することになる、って言うんだからその想いはハンパないですね。

そうなる過程として上京して美術大学に入り、映像を勉強。人体をコマ撮りするピクシレーションを突き詰めていきながら、TV制作会社やCG会社・アニメ関連の仕事をしていきます。そうしてCS番組制作会社に入って一年でイメージフォーラムフェスティバルや東京国際アニメアワードで賞を獲得。自信を持ちあっさり会社を辞めフリーで映像制作を始めてしまいます。その後さすがに食えない時期があったそうですが、PVなどの受注も継続して「NEFT FILM」を立ち上げさらに独立、現在に至ると言うことになります。

とまあ、ボクは実は直接お仕事をしているわけではないのですが、深キョンの、業界内の動き以上に注目している点があります。それは先述した「食事のイベント化」であります。言ってみれば多人数のパーティーなのですが、その内容がユニーク。漁港近くの浜辺でみんなで地引網を引いて、その後その魚を美味しくいただく。出身地の北海道からたくさんのカニやホタテを、自ら料理してみんなでいただく。なぜか大量の鯨肉を仕入れて、とある設備を用意してみんなでいただく。などなど、他の人では思いつかない、いや、思いついたとしてもとても実行できないような事を実行するスキルを持っているのです。

先日は10人以上の仲間と深キョンの故郷・函館に行って来ました。そのメンバーは全員アニメ関係と言える範囲かな。ご本人のホームグラウンドでいろいろふるまってもらった食事はもちろんですが、深キョンがボクらに与えようと選ぶシチュエーションが本当に趣きあって深くて面白いのです。まあちょっと、じゃなくかなり変わった観光旅行とでも言いましょうか。

最近は自分のプロデュース作品「ゾンミちゃん」を、北米、ヨーロッパ、アジアマーケットに展開するなどがんばっている、と言うことでそーゆー本職の応援はもちろんしますが、大勢の友人たちを集めて楽しませるそのテクニックも教わりたいですよね。だってアニメ制作も人材集めから始まるのが基本ですから。これからもご一緒にアニメ業界で良い仕事を継続しながら、さらに異質な面白い世界への誘導をよろしくお願いいたしますね。