• 『アニ民307人目』冴羽商事マネージャの古川貴子さん
  • 『アニ民307人目』冴羽商事マネージャの古川貴子さん

  • 2017.08.10

今週のアニ民は冴羽商事マネージャー古川貴子さんです。

神谷明さんに連絡を取るときにいつもお話しさせていただく古川さんと、初めて会ったのは1991年ごろ、というコトは神谷さんに「シティーハンター」冴羽獠はもちろん、「YAWARA!」の風祭を演じてもらってる頃になります。でも神谷さんは事務所に所属していたので、個人的な事務仕事のお手伝いをすることになったそうです。

2歳上のお兄さんがいる古川さんはその影響あってロボットアニメをよく見てた。「ライディーン」「ゲッターロボ」など、後で思えば神谷さん演じてる作品だったけど、しばらく気づかなかったらしいです。音楽はジャンルを超えて大好きで、将来はバスガイドになりたいと思ってたとか。それは歌も歌えて、いろんな場所に行けて人に触れ合えるから、という理由らしいですが、父親に反対されて断念。でもとにかく音楽を勉強しようと入った専門学校で音楽編集やコンサート企画なども経験。結局業界にスタッフを派遣する会社に就職、TBSラジオ「小学生チャレンジ放送局」という番組のADとなります。ここで出会ったのがMCの神谷さん。それから1998年に設立された「冴羽商事」その事務所が順風なるまでも紆余曲折あるのですが、通して感じてたのが神谷さんの思いやりであり、それが今の古川さんのお仕事につながってることになります。一番記憶にあるのが地下鉄サリン事件。この時フォトライブラリーの会社に勤めていた古川さん、大きな荷物を持って日比谷線に乗ってたそう。幸いにも現場に触れずにすんだものの、心配した神谷さんの電話で事件を知ったという。でもそれがきっかけでその会社を辞めて次の仕事が決まるまでのつなぎで、神谷さんの事務仕事をアルバイトとしてお手伝いすることになったそうです。

そうしてお手伝い始めて一年、神谷さんが独立することになり、本腰入れてついて行くことにします。でもマネージャーの仕事はゼロからのスタート。神谷さんが所属していた青二プロダクションのスタッフやいろんな仲間がみんなで教えてくれたことに、思い切り感謝してるそうです。でもいっぱい失敗もあり、「名探偵コナン」の取材を一ヶ月前から聞いていたにもかかわらず、神谷さんを普段着でいかせてしまい大目玉。古川さんのそのお詫びの電話、ボクも覚えていたりして。

交渉の難しさに泣きながら電話したこともあるということで、大企業で仕事をしてきた訳ではない分、未だに学べていない何かがあると感じてるという古川さん。でもだから古川さんなりのあたたかい対応があり、それがそのまま神谷さんのお仕事になっています。さて、歌うのが大好きだった古川さん、神谷さんが年に何度か開催している「ふれ愛ファミリーコンサート」などではソロで歌ってもいるんです。ボクも何度も見せてもらってますが、CD録音もされてるというその歌唱力はプロそのもの。

マネージャーとしてそしてステージの上でも神谷さんを支えながら、本人の好きな道も粛々と歩んでいる古川さん。これからは童謡歌手・井上かおりさん、高野慎平さんなど、冴羽商事所属メンバーのサポートも大事。ということで神谷さんと一緒に後進の指導を見たり、スクール展開もがんばっていきたいそうで、アニメーション界の活性化にそのステキなお人柄でひと役もふた役も関わっていって下さいませ〜。

ところでコレを書いてる間に神谷さんから聞きました。今までは冴羽獠のけものへん漢字のリョウは出ない(作らないと無い)、と思ってたのですが、いつからか“さえばりょう”、と打てば冴羽獠と変換されるコトがわかったそうです。TVアニメ始まって30年超えて、ついに漢字も定着させたなんて、なんだかしみじみ嬉しい感じですね。