• 『アニ民281人目』声優の佐藤ゆうこさん
  • 『アニ民281人目』声優の佐藤ゆうこさん

  • 2016.07.21

今回のアニ民は声優の佐藤ゆうこさんです。ここでは佐藤さんのことをいつものようにゆうこさん、と呼ばせていただきます。ボクがゆうこさんと初めて出会っていろいろお話しできたのは、「ブラック・ジャック(=BJ)」の写楽役をお願いした時ですが、実はその前にも「犬夜叉」などで会っていたようです。その時期は「シャーマンキング」麻倉葉役がハマりだしたころ。お互い認識するのはBJになってからですね。

TVシリーズBJでは超名作な原作に対していくつか新たな新機軸を提案していきました。一番わかりやすいのが“ピノコは最初からいる”でしたが、写楽もそれに近いキャラクターにしていきました。ボクらの世代にとっては「三つ目がとおる」の主人公でもある写楽。おでこに大きな×印のばんそうこうを貼り、特殊能力を発揮してしまう“第3の目”を隠して神通力を無くしているキャラクターです。でもBJにおいてはピノコに相対する少年キャラの立ち位置で、三つ目のようなオカルト部分はありませんでした。でもその分、BJドラマにおける写楽キャラが確立され、それはピュアに男の子を演じるゆうこさんの演技力に負うところが大きかったですね。

神奈川県出身で小さいころは「アンデス少年ペペロの冒険」や「ガンバの大冒険」などアドベンチャーアニメが大好き、特に前者はのちにその主題歌のサビをゆうこさん自身が歌って着ボイスにしちゃうほど影響を受けたそう。好きな音楽はゆうこさんの青春が中森明菜の全盛期で「少女A」、シンディ・ローパーも大好き、TVドラマは「トリック」にハマり、「スターウォーズ」は全シリーズしっかりチェック。最近作も、もちろん劇場でひとり邪魔されずに観劇したとか。こう書くと女性なのにボーイッシュというか元気が良いというか。そんな中、映画「E.T」の自転車に乗る主人公の少年にあこがれ、ああなりたいと思って「それが可能なのはアニメの世界だ」ということで声優学校を志望し、この世界に足を踏み入れることになったそうです。

その声優学校とはゆうこさんが直筆で手紙を書いたという勝田声優学院。この日記でもしばしば登場するこの学校、今はもうないのですが優れた先輩声優を何人も業界に送り出した名門です。ゆうこさんはあの森川智之さんらが講師として教えてもらったという世代。なので、今ほどではないにしてもプロダクションに所属するにも、勝田のあと養成所に通いながらもそこに残れなかったり、なかなか苦労もあったとか。そんな中、電話で応募したぷろだくしょんバオバブに縁をもらい、その後、今の事務所のアクセントに移る、などの歴史を重ねてきたそうです。

「名探偵コナン」にも何度か出演いただいてますが、今回は久しぶりに7月30日土曜夜6時放送「名探偵コナン 死ぬほど美味いラーメン2(前編)」に容疑者のひとり・荘野由奈役をお願いしました。警視庁の婦警コンビがちょっとデコボコしながらがんばる面白い原作ストーリーにどんな味を与えてくれてるのでしょうか。ぜひ番組をチェックしてくださいね。

BJのアフレコ収録あとも毎回食事に行ってたことをよく思い出します。ピノコ役の水谷優子さんはあまり飲まなく、ゆうこさんはボクと同じくワインが好きで、そんなピノコと写楽の気の置けない楽しい会話が大好きでした。優子さんを亡くしたこのタイミングに別作品ですが、ご一緒出来たのも何かの縁ですよね。これからもいろんな元気な役でアニメ界を盛り上げていって下さいね。