• 『アニ民275人目』プロデューサーの近藤秀峰さん
  • 『アニ民275人目』プロデューサーの近藤秀峰さん

  • 2016.04.28

今週のアニ民は劇場版「名探偵コナン」のプロデューサーを務めています、小学館クロスメディア事業センター近藤秀峰さんです。ここではいつものように近藤さんのことをこんちゃんと呼ばせてもらいます。

こんちゃんはもともと少年サンデーの青山先生担当編集部員です。5年ほど担当したと聞いてますが、ボクがしっかりこんちゃんと電話で長電話したことを覚えているのは2009年3月に放送したTVスペシャル「ルパン三世vs名探偵コナン」の案件なので、2008年初夏くらいかなあ。もちろん編集担当として「名探偵コナン」について会話したのは数知れずあったのですが。編集部員としては「三ツ星のスペシャリテ」などコナン以外にも自分の得意分野を取り上げた作品で連載を担当、いくつも実績にして来ました。

ボクとこんちゃんはけっこう年の差がありまして、つまりこんちゃんはすごく若い。未だ30代という夢のような年代。にもかかわらず、ボクと近い年齢層の友人たちグループに平気で混じってきています。ボクら年長はまるで気にしないのですが、若い方が年長と気軽に一緒に食事するのを気にしちゃう傾向がある気がするけれど、こんちゃんにはそれが無い。これって実はすごいことで、年長者と一緒に楽しむ事で何かと吸収する物事が多いのは当たり前。ボクも若い時はなんとか先輩たちと一緒に時間を過ごし話したり飲食したり出来ないか、いつも誘われるタイミングを狙っていたものです。同じ仕事じゃなくても、一緒に過ごす事で何か人生に役立つ指針を得ていく、こんちゃんの人付き合いにはそんな面を感じます。

愛媛県出身でこの業界へのエリートたる早稲田大学法学部を卒業、小学館へはなぜか中途採用の道を切りひらき入社したというこんちゃん、何かと他人とは違う道を歩むタイプのようです。というわけで少年サンデー編集部からコロコロコミック編集部に異動、ここでも近藤教授と自ら名乗り、妖怪ブームにのっとり面白いグラビア企画を始めます。その時一緒に出てたのがボクの友人の怪談作家・木原浩勝さん。見開きのカラーページには毎月笑えるハチャメチャな企画が繰り広げられていました。

さて、そんなこんちゃんが小学館という出版社で、紙ではなく映像部門を担当する部署に異動してきたのは2年前のこと。実はアニ民でも紹介した先輩にあたる浅井認さんと同様、追いかけるように編集部からクロスメディア事業センターに異動、コナンの原作編集担当から映像制作とその活躍の舞台を変えます。一緒に作品作りをしているこちらから見ると、原作の根っこから一番の作品デコレーション部分までと随分幅広く楽しい仕事に見えます。でも例えば劇場版コナンで言うと小学館は製作委員会幹事会社になるので、その仕事範囲はかなり多様。シナリオ作りはもちろんのコト、今回の「純黒の悪夢」で言えば入場者400万人プレゼントなどの仕込みはこんちゃんを中心に、スタッフみんなでがんばりました。

何にせよコレ、劇場版史上初の企画、進めていけばいくほど当たり前にタイヘンな壁が立ちはだかるもの。それを乗り越えた今回の“コナン劇場版お好きな一本をプレゼント”は本当にとんでもないレベルの施策です。青山先生の劇場版のお客様に対する感謝の気持ちを何とかカタチにするために、劇場版プロデューサー1年目のこんちゃんが中心に、見事に成立させたプレゼントをぜひその手にして下さい。

「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」はみなさまのおかげで記録的な素晴らしい大ヒットになっています。でもボクらの目指す視線はいつでも、次のそしてずっと先のコナン。青山先生の原作連載を応援しながらTVも劇場版もお互いフルパワーで駆け抜けていきましょう!もちろんたまには美味しいワインも(笑)引き続きおつきあいよろしくお願いしますね。