• 『アニ民252人目』声優の神谷浩史さん
  • 『アニ民252人目』声優の神谷浩史さん

  • 2015.05.14

 今週のアニ民は声優の神谷浩史さんです。僕が神谷さんに初めて出会ったのは実写映画「神☆ヴォイス」の撮影スタジオでした。その時神谷さんがやってのけた離れ技は僕の記憶にしっかりと残っています。

 だいたい神谷さんのお噂はかねがね聞いていました。実力派声優というのはわかりますが、まあ他にもすごい方々もおりますし、映画のキャスティングでも顔出しをお願い出来たら良かったのですが、結局は顔出しと言えどもナレーション参加というところに落ち着いたので、まあ初めましてのご挨拶でも出来れば、と少し軽く考えて収録に臨みました。

 その本番のナレーション収録は、ナレーションと言いながら顔出し、すなわち映像も録るものだったので、調布のスタジオに普通に映画のクルーが集合。普通にリハーサルして本番はさほどNG無かったように記憶している出来栄えは、DVDで映画をぜひご覧あれ!と叫びたく映画の締めくくりにふさわしいものでした。

 で、冒頭の離れ技ですが、それは早口言葉であります。とは言っても、それがそのままこの映画のPRスポットにも使われるほどのシロモノ。「カモシカやシカは確かシカだがアシカは確かシカでは無い」に始まる5つほどの文章を続け「紙噛む亀も神☆ヴォイス、青春映画ストーリー映画「神☆ヴォイス」11月公開!」までがラジオCMの20秒!これをナマで聞いていたのですが、この時もNGはわずか一回、成功した時はスタッフから大きな拍手とため息が。あの発声でこの滑舌、もうひれ伏すしかありませんでした。

 絶賛放送中「電波教師」。この作品はとにかく主人公・鑑純一郎、ほぼ彼がすべてと言っても過言ではないほどです。彼のキャラクターがこの作品のメインとなる大黒柱になるのは当然です。その鑑に神谷浩史さんが参加してくれる、と聞いた時はマジ嬉しかったですね。役者として実力は見合っても、こういう作品にとって「縁」ともいうべき、収録スケジュールが合うか合わないかは、これこそ神のみぞ知る領域。「電波教師」の世界の中であの“神ヴォイス”を披露してもらえるなんて、鑑が「どうしても欲しいレア物フィギュア」を手に入れた時のように幸せでした。

 作品中に鑑純一郎が、その自分のオタクとしてのポリシーを話す名ゼリフが多くあります。そのどれもが神谷さん自身が自分の事として表現しているようにも聞こえ、作品世界観の理解度の深さには唸る物があります。この前、ある取材を受けた神谷さんの受け答えが、僕らプロデューサーが感心してしまうキャラクターの掘り下げ方だったので、それを本人に伝えました。そうしたらキャラクターに加えて、その取材をした媒体を通して受け取るお客さんを考えて話したとのことで、一つの物事に取り組む深い姿勢にも改めて驚かされました。

 番組のアフレコ終了後、可能な時は一緒に近くのおでん屋でスタッフ同士の打ち上げをします。特に女性出演者が多い番組なのでそのにぎやかさはハンパ無いですが、神谷さんが居る事でどんな事でも電波教師的出来事になっていく感さえあって、そのチームワーク感はすごく心地良いものです。ただ本当に忙しい神谷さん、時間だけは人間平等に与えられているものですが、見ていると神谷さんは倍以上の時間を過ごしているかのような仕事量に見えます。どうかこれからも身体だけは気をつけて可能な限り素晴らしい「電波教師」時間を過ごして下さいね。