• 『アニ民248人目』A-1 Picturesプロデューサーの大松裕さん
  • 『アニ民248人目』A-1 Picturesプロデューサーの大松裕さん

  • 2015.02.27

 今週のアニ民はA-1 Picturesプロデューサーの大松裕さんです。「まじっく快斗1412」の企画をA-1社長の植田さんに持ち込んだ時からお話を受けてくれてたそうで、前回アニ民のヤマトさんや工藤監督は、大松さんが企画の最初から想定してくれたスタッフだったそうです。

 初めて大松さんと会ったのはスタッフ顔合わせの時。背が高くスラッとした大松さんからは、その時少し寡黙なイメージを受けました。でもシナリオなどの打ち合わせに入ると、出てくる問題点に対しては貪欲に対応しようとしてくれます。というか、問題点に対する危機管理意識がすごいというか。

 実は大松さん、プロダクションIGの出身です。「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG」や「お伽草子」ではシナリオも手がけていたそうで、さらに「BLOOD+」からはプロデューサーをしながらシナリオも書いてた、ってものすごい経歴じゃん。その後新しいアニメ制作会社・A-1 Picturesが立ち上がると知って参加して、すぐにオリジナル作品「閃光のナイトレイド」を皮切りに「新世界より」「つり球」とスマッシュヒットを飛ばすことになります。

 「まじっく快斗1412」は原作に忠実に表現することが前提ではありますが、コナンワールドに新たに参戦する制作会社として、大松さんはいくつも覚悟を決めてくれたんだと思います。その上で、工藤監督やヤマト助監督と話し合い新たに肉付けする部分を工夫し、既成の枠を乗り越えるような華麗な世界観を構築してくれたんですね。

 そんな大松さんの言葉にこんなのがあります。「連帯を求めて孤立を恐れず、という好きな言葉があります。みんなで仲良くというチームワークを考えつつも、変えなければならない部分があれば変える。相応の厳しさを持って作品を作りたいと思っています。その厳しい選択の責任はプロデューサーである自分がとらなければいけないということも、戒めというか仕事をする姿勢として心がけている部分です。」この文章は本当に印象強く、僕自身にも思いっきりかかってくる内容です。

 さて「まじっく快斗1412」もあと1ヶ月となりました。重ねて言いますが別の制作会社が作っていた作品を、あえて引き受け自分たちの特色を加えて新しいモノにしていく。わかる人にはわかるはずですが、ものすごい勇気と強烈な意志が必要な作業です。半年間以上にかけて本当にありがとうございました。残された話数もこれまでの華麗な世界観にさらに磨きをかけて、超ミラクルなイリュージョン映像をどうかよろしくお願いいたしますね。