• 『アニ民247人目』助監督のヤマトナオミチさん
  • 『アニ民247人目』助監督のヤマトナオミチさん

  • 2015.02.12

 今週のアニ民は「まじっく快斗1412」の助監督・ヤマトナオミチさんです。ヤマトさんと出会ったのはもちろん「まじっく快斗1412」。それでもシナリオ会議の初回ですからもうずいぶん経ちますね。いろんな意味でチャレンジしていくこの作品、腕をふるう工藤監督の補佐が絶対必要で、アニメーションプロデューサーの大松さんが連れてきたのがヤマトさんでした。

 専門学校で勉強をしたあと、トランスアーツという会社で動画からこの世界に飛び込んだヤマトさん。「ムカムカパラダイス」「バロムワン」など、動画から原画そして進行と、数々の作品を経ながら演出の道を選んでいったそう。「FAIRY TAIL」や「革命機ヴァルブレイブ」などで各話演出を経て「新世界より」や「閃光のナイトレイド」では助監督を務めたそうです。この仕事はいろんな人と出会えるのが楽しい、というヤマトさん。けっこう激しいトラブルや業界にありがちな個性の強い人達との交流も楽しいって、それはちょっと珍しいというか頼もしいというか。

 今回の「まじっく快斗1412」は制作時間との戦いがタイヘンだそうですが、作業は楽しいそうです。青山剛昌先生が創り出した「まじっく快斗」原作をベースに、工藤監督ともどもリメイクを意識しながらも、独自の世界観を広げていく演出仕事はかなりやりがいがあるコト。アフレコ作業の際はヤマトさんはいつも僕の隣に座って、台本を細かくチェックしながら、役者のセリフをその演出に合わせて小さく口に出したりしているんですよ。

 この作品でヤマトさんのオススメはまずCGも駆使したエンディング。本編の出番が少ない白馬や紅子などのキャラクターは自信ありだそうですし、その一本筋の通った世界観はオープニングも含めて見ていて気持ちがイイでしょ。そしてもう一つは快斗のマジックのシーン。マジックの腕がプロはだしの脚本・岡田さんにいろいろ指導してもらった技を、CG技術の協力もあって見事に再現。特に快斗のカードシャッフルは、アニメではあまり類を見ないリアルなものですって。ジュークボックスなど、番組の中に他にもいっぱいあるキレイなオシャレなシーンもそーゆー工夫の中で作られていると思うと、見る楽しみも増えていきますよね。とにかくアニメーション制作はいくつもの才能に支えられたチームワークで成り立っています。作品の中でみんなが“おおっ!”って思うようなシーンは、だいたいヤマトさんのようなプロの職人たちが一つ一つココロ配って作り上げているものなのです。

 大きな身体にメガネをかけた笑顔がステキなヤマトさん。その溢れるパワーでこれからの「まじっく快斗1412」をさらに強く牽引していって下さいね。