『アニ民338人目』声優の小野大輔さん

今週のアニ民は声優の小野大輔さんです。小野さんと初めて会ったのは「ブラック・ジャック（＝BJ）」の現場でした。そこではまだ役がない状態で毎週番組に参加してもらってる、いわゆる「番レギ＝番組レギュラー」としての小野さんがいました。

高知県佐川町出身の小野さん、アニメの世界に目覚めたきっかけは「新機動戦記ガンダムウイング」。その地ではリアルタイム放送はされてなかったため、朝5時から番組販売で時間違い放送されてたのを起きて見てから登校してた。そしてその頃は小学校はサッカー、中学からバスケを。もちろん影響されたのは「スラムダンク」。

声優になろうとは思っていたそうですが、上京して日芸放送学科に進学。まずは自分の企画を形にする番組作りを勉強、撮影をしたり企画ディレクションを手掛けたりしたが、どうも人が多い環境が苦手なことがわかりTV業界を断念。より少ない人数で取り組めるラジオに転向、ミキシングや音響効果などを勉強していきます。自然、ラジオドラマを作ることになり、役が足らないところから「声がいいからお前やってみろよ」と。ここで「僕が僕である理由」をもらうことになります。

ラジオの実習でプロの方も手伝いに来てくれてて、その縁で出会ったのが江崎プロダクション。ボクもいまだに親しくさせていただいてる江崎加子男さんや先輩役者たちには今も大きな恩義を感じてるそう。デビューは東北新社で収録したボイスオーバー。外画で育った、という思いがあって、アニメにはいつも緊張していた。そんな時期に出会ったのが「BJ」だったのです。

番レギという立場も大好きで、声さえ出せればクレジットされなくてもよいと思っていて、作品の一つの歯車になることが大きな目標でもありました。「BJ」ではその収録話数が小野さん演じた役数じゃないか、と思えるほど、毎回毎回いろんなチョイ役を演じてもらいました。主役はもちろん同じ事務所所属だった大先輩・大塚明夫さん、ある話数のAパート第一声が小野さんで本番直前に大塚さんに「大輔、芝居が違う」と言われてメタメタになったのを忘れられないそうです。今考えると現場での直接指導は大きな宝物だったんですね。もう一つ、その後にピノコ役の水谷優子さんが優しく接してくれたのも大きな思い出だそうです。

そういえばボクの故郷で開催された「愛・地球博」にもBJチーム10人以上で行きましたね。会場での見学内容もそうですが、有名なひつまぶし屋でみんなで並んで、全員で一緒に美味しく食べられたことを一番に思い出します。

「名探偵コナン」としては2016年6月に放送された「曇柄寺が隠す秘密」の兄弟を杉田智一さんと演じたのは良く覚えているそうです。ですが、今はコナンで小野さんと言えば伊織無我であります。服部平次を婚約者と慕う大岡紅葉の執事ということで、「18年声優をやってきて、執事と言えば、のカテゴリーに入ってるということが嬉しい、報われた」とおっしゃってるんですよ。

1月5日と12日放送の「紅の修学旅行（鮮紅編）（恋紅編）」収録現場は本当に楽しかったそうです。紅葉を演じるゆきのさつきさんとも仲がいいそうで、これからのこのコンビの活躍も楽しみです。自分が積み重ねてきたことがそのまま役立つ感じが一番の手ごたえにつながる、そんな伊織の演技をこの1時間スペシャル前後編でもぜひご堪能下さいね。そしてシンガーとしても大活躍の小野さん、これからもアニメーションの世界でのマルチな活躍を楽しみにしています。そしてたまにはBJ当時のように楽しい飲食も付き合って下さいませ。