お助け屋陣八

1月10日スタート木曜よる11:58

ストーリー

第1話

1月10日(木) 夜23:58~0:38放送

あらすじ



東京・浅草――観光人力車が疾走する。車夫の五代目・俥屋陣八(宮川大輔)は、喜怒哀楽がハッキリしたまっすぐな男。五年前、大阪からやってきて、いまではすっかり町の人に愛されている。そんな陣八が二階を間借りするのが、裏通りの人気洋食店“キッチン時代屋”。オーナー料理人の神谷輝道が切り盛りし、神谷が男手一つで育てる高校二年生の萌が看板娘だ。
「オムライス!」 陣八は、今日も“キッチン時代屋”で昼食をとる。
と、そこに陣八の祖父で、先代の四代目陣八(加藤茶)が現れ、陣八に大事な話があるという。四代目が手渡したのは『お助け屋の心得』という古びた書簡。
「俥屋陣八には、代々引き継がれたウラ稼業がある……」それこそが、“お助け屋”――金をもらって、命を賭して困っている人を助け、法で裁けない悪人を懲らしめる浅草の裏のヒーローだった。
「今日から、お前は正真正銘の、五代目陣八だ」

陣八は、さっそく初仕事として、団子屋の主人・大野重三(温水洋一)と妻の須美子(あめくみちこ)の元に赴く。すると、店にはガラの悪い借金取りが出入りしている。OLの一人娘・真由美(平愛梨)が、預金も使い果たし、借金まみれ。家にも帰らないというのだ。「元の真由美に、戻してほしい」と、涙ながらに頼まれ、陣八は胸を叩いた。

とはいえ、どうしたものかと首をひねる陣八に、強力な助っ人が現れる。
“キッチン時代屋”の常連で腕っ節の強い芸者、ポン太(南海キャンディーズ・しずちゃん)。そのポン太を俥に乗せ繁華街を走っていた陣八は、中学時代の同級生・村上鉄雄(細川茂樹)にばったり会う。
「ラブちゃんやろ? めっちゃ久しぶりやん」と目を細める陣八に対して、帝都銀行浅草支店の支店長だという村上は、あまり嬉しそうでない。
後で分かることだが、この男が陣八たちにとって最大の敵となるのだ――

その夜、陣八が、退社後の真由美を尾行すると、真由美は見違えるような派手な衣装とメイクに変身。ホストの雨宮一輝(徳山秀典)と仲良く夕食を済ませると、意外にも二人はそこで別れた。その後、真由美が向かったのは、六本木のキャバクラ。店に潜入した陣八は、キャバ嬢たちから、真由美がそこで週六回働いていて、真由美の彼氏は暴力をふるうらしい、と聞く。

その頃、とある料亭のポン太の座敷には、ある医大の教授たちと、元外科医の井口達也(小泉孝太郎)がいた。教授たちは、手術ミスの責任をかぶり、病院を辞めた達也を金で口止めしようとするが、達也は、大学病院のドロドロの人間関係に嫌気がさし、医学の道を自らドロップアウトしようとしていた。
「もう医者をやる気はないんです――」
座敷を後にした達也が向かったのは、新宿歌舞伎町のホストクラブ。達也はアルバイト気分でホストの仕事を始めていたのだ。奇しくも、それは真由美がいれあげる一輝の店だった。一輝は、新米ホストの達也に、陣八を追い払うように命じる。
「人生はゲーム」という達也に対し、「正義は人間が一番忘れたらあかんもんや」という陣八。かみ合わない二人の会話は、結局、取っ組み合いの喧嘩になる。だが、陣八の吐く正論が達也の心のどこかに残っていた。

その日の深夜、一輝がマンションの一室で酔った真由美を介抱していた。真由美の言葉が癇に障った一輝が、突然真由美を蹴る。真由美が謝ると、一輝は急に表情を変え、真由美を抱きしめる。「私の事、真剣に叱ってくれるの、一輝だけだね」二人はそんな関係だった。

翌日、“キッチン時代屋”の陣八に、達也が真由美の居場所を教えにきた。
金を搾りとるだけ搾りとって女を風俗に売り飛ばす一輝を見てきた達也は、一輝に嫌悪感を抱いている。「陣八の『正義』が、一輝の『悪』に勝てるか、試してみたくなった」という。
陣八が真由美のいるマンションへ行くと、真由美は監視カメラで軟禁されていた。陣八の侵入に気付き、一輝の手下のホストたちが駆けつけ、陣八は一発で倒される。「弱えー」と、ホストたちが冷笑したときだ。ポン太が現れ、アッと言う間にホストたちを倒した。陣八たちは真由美を連れ戻すことに成功した。

「親のいうことを聞いて、いい大学入って、いい会社に入って……でも、幸せになれなかった」橋の上に差し掛かったとき、真由美が陣八に「家に帰らない」と言い出す。「あんたを助けるために命を張る」と言う陣八に、真由美が「それなら、ここから飛び降りて」という。陣八はビビりながら、あろうことか、「どーーーん!」と、欄干を越え、川に飛び込む。
夕暮れ、川から上がった陣八は、ずぶ濡れのまま、真由美を俥に乗せて団子屋へ向かう。泣いている真由美の両親の姿に、陣八は「この涙を笑顔に変えるには、あんたが変わらんといかん・・・」

真由美が家に戻り、「事件は解決した」と一同は思っていた。
だが、その夜、真由美の携帯電話に一輝から着信が入った・・・

ゲスト

大野 真由美:平 愛梨
雨宮 一輝:徳山 秀典
大野 須美子:あめくみちこ
大野 重三:温水 洋一