• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民10人目
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  • 2009.10.15

 今週の住民は音楽家・山本正之さんです。

 残念ながら放送終了してしまった「ヤッターマン」。前回は産みの親・笹川さんのお話をしましたが、この作品を語る時にはこの日記でも何回も登場している山本正之さんを抜きにはできません。でも実は僕が山本さんと出会ったのはアニメ「ロボタン」のEDテーマ「ロボタンサンバ」の作詞者としてでした。1985年11月と言えばタイガースの優勝お祭りも少し落ち着いた頃、初めてお会いしてなんと出身がほとんど同郷(愛知県は山本さんが安城、僕が豊田)とわかり「燃えよドラゴンズ」の作者としてしか意識していなかったことを後悔することになったのです。

 アニメの世界に飛び込んだばかり、というより東京新人としての僕に対して山本さんは劇団に連れて行ってくれたり、自分の公演を見せてくれたりいろいろしてくれたのですが、何と言っても出会って1年後のアメリカ旅行ですね。実は27歳のその年までパスポートもとってなかった僕の、初海外がアメリカ10日間だったのです。

 1986年11月下旬、ニューヨークに先行されてた山本さんを追いかけ、数々の苦労を乗り越えクィーンズにあったレンタルハウスに到着した時は、もう完全にひと旅終えたような状態。何を思い立ったのか山本さんは僕を連れてアメリカ国内旅行へ出発。ペンシルバニア駅から列車に乗ってフィラデルフィア泊、ワシントン泊。それから飛行機でニューオリンズ経由ヒューストン泊、そしてナッシュビル泊してニューヨーク着。今でも無理だよというこの行程を一人でチケット交渉して平然とこなしていきました。

 それぞれの場所でのトピックスはイロイロあるのですが、とにかくその行動力や観察力が山本さんの作品世界のスケールにつながっていることは間違いありません。熱気こもる山本さんのライブで何がすごいかって、時には1曲30分にも及ぶドラマ仕立ての長編曲。作る方も大変でしょうが、ギター1本と人間パワーで表現する一種の芸術でしょうね、あれは。

 あの8年にわたる長大な「タイムボカンシリーズ」の音楽をほとんどすべて担当され、今回の「ヤッターマン」では3月公開された実写映画はもちろん、すべての音楽を神保さんとタッグを組んで盛り上げていただいた山本さん。9月27日放送した最終回のOPに山本さん歌う「ヤッターマンの歌」を使わせてもらえたことには、何かの宿命みたいなものを感じます。前回の笹川さん同様、これからも新しい企画や「タイムボカンシリーズ」のチャレンジなどで、一緒に仕事できるといいですね。あ、その前に今年はまだどうなるかわかりませんが、来年はぜひどこかのドラゴンズ戦に応援に行きましょうね。