• 今年はアニメ映画が豊作ですね
  • 今年はアニメ映画が豊作ですね

  • 2016.10.20
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「君の名は。」「聲の形」などアニメーション映画の快進撃が続いています。今年のアニメーション映画の快進撃は「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」も興行成績上半期邦画1位、とその流れを作った作品のひとつと自負していますが、ここへきてまた新たなアニメ映画に出会ってしまいました。

こーゆー映像はなかなか観ることが出来ない、そもそもこんな風に描くことがない、その映画は「この世界の片隅に」。スタッフにご縁あって一足先に試写を観させていただきました。この作品の原作ですが、ボクはそもそも、2007年から「漫画アクション」に連載されたモノをすごくしっかり読んでいました。ただそのマンガ原作から漂う主人公・すずのキャラクターがなんとも妙というかすごいので、なかなか映像化は難しいよな、なんて思っていたヤツ。セリフでは「ワタシよくボーっとしとるのです」と表現される、その女性の存在表現がキモなのです。

どうしても観たかったのはこの映画に関わる人たちからいろんな情報を得ていたこともありました。企画・丸山正雄さんはボクの師匠の一人、この映画を作るにあたっての心意気は何度か聞かせてもらいました。そしてプロデューサーの真木太郎さん、アニメ企画会社の社長であり、ボクも参加している「アニメビジエンス」の発行人でもあります。その真木さん、この映画製作にあたってなんとクラウドファウンディングを実行、出資者を募りパイロット映像制作のための資金調達を見事に成し遂げています。

ストーリーは昭和9年から21年まで、もう思い切り太平洋戦争時代。そして舞台は広島と呉、正直どこを描いても幸せなシーンは望めません。実際に表現されている映像は、ほとんどが取材に基づいたリアルなもので、観るものを見事にその時代に誘ってくれます。なのに主人公・すずさんを観てると、なにかゆったりするものを感じるのです。もちろん思わず「ああっ」と叫びたくなったり、目を伏せたりすることもあります。でも、すずさんを追っているとどこか心がヒーリングされる、そんな気持ちになってしまうのです。

これは監督の片渕須直さんの演出やキャラクターデザインの松原秀典さんが描くセンスもあるのですが、大きくは劇中の半分以上をしゃべってるすずさん演じるのんさんの力量なんだと思います。実は聞いた最初はあまりそう思いませんでした。でも観続けていくうちにキャラクターにのんさんが追いつく、というよりのんさんにキャラクターが乗り移っていくという感じですか。あのボーッとした時の表現の素のチカラ、これはあまり経験したことがない感触でした。この作品11月12日に全国公開されます。写真はチラシとマスコミ用プレスです。

もうひとつアニメ映画関連でご紹介です。ボクの友人の作家・木原浩勝さん(=キハさん)があの「天空の城 ラピュタ」の制作時期を回想した『もう一つの「バルス」』という本を出版されました。副題に「-宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代-」とついているようにあの名作制作時の副読本ですね。作品が完成するまでのほとんど死にものぐるいの10か月が描かれています。ちなみに作品には関係無いのですがボクの名前も文中にチラッと出ているんですよ。

あとこれからのボク関連のイベント情報を3つ記させていただきます。

10月23日日曜12時から神戸「流通科学大学学祭 りゅうか祭」で『公開プロデュース論』に参加いたします。参加者はNHK海保香織さん、KADOKAWA玉置泰紀さん、電通中尾孝年さん、YTV西田二郎さん、そしてボクの5人が「テレビもいちど好きになって」をテーマに語ります。

11月1日火曜19時開演「アニソンクラシック北九州2016」、場所は北九州芸術劇場 中劇場。これは音楽家・和田薫さんを中心に、「犬夜叉」声優の山口勝平さんやゆきのさつきさんがスペシャルゲストで登場。ボクも一緒に犬夜叉についてお話します。

11月5日土曜14時&16時「コナン展」トークイベント。場所は福島県 福島さくら遊学舎、ゲスト山口勝平さん、松井菜桜子さん。これはこの場所で開催されてる「コナン展」にちなむイベントです。それぞれ可能な方はHP情報を参照の上、ぜひご一緒にお楽しみいただければ幸いです。またこの日記で、イベントの様子などをお知らせしますね。

10月22日土曜夕方5時30分「タイムボカン24 恐竜は人間のペットだった!」引き続き「名探偵コナン 仲の悪いガールズバンド(後編)」。ボカンの真歴史は相変わらずのハイテンションですね。コナンはJKバンドをきっかけに別の不仲なガールズバンドで事件が起きたのですが、その解決にあたってコナンのみならず、世良と安室が協力するところも見もの。それ以上に世良の記憶に登場する、とある人物に注目しておいてください。

10月26日水曜16時 文化放送超A&G「スワラジ」この日は久しぶりの通常回。メールもいっぱい読みますし懐かしい時代の楽曲もお届けします。11月2日は「電波教師」原作者・東毅先生がゲスト、この番組2回目の登場です。この剛腕マンガ家のマンガ論を再びお聞きします。次回の日記は11月3日更新予定です。