• 『陽の鳥』と『火の鳥』
  • 『陽の鳥』と『火の鳥』

  • 2011.06.16

 「名探偵コナン ホームズの黙示録」シリーズはいよいよあと2回!送り手側の僕が言うのも何なんですが、どうしてこんなに面白いのでしょう。英語が多用され字幕スーパーが多く、小さいお子さんたちには少し見にくいところがあるかもしれませんが、多くの人にとって未知なるロンドンを舞台にそれを補って余りあるドラマ展開が続いていると思います。さあ、いよいよ物語はメインステージのウインブルドンセンターコートへ。残り2話をどうしてもお見逃しなきよう、よろしくお願いいたします。

 ところでマンガ読み専門の僕が最近なるべく文字本を読むようにしている、とこの前宣言してしまいました。なので今回は僕のワイン盟友?樹林伸さんの本を紹介しましょう。先月末に発行された「陽の鳥(ひのとり)」です。冒頭の写真1枚目はその書影です。今までなかったクローンミステリーというか、本の帯には「メディカルサスペンス」なんてある作品です。いやー面白かったですね。展開も早いしちゃんと微に入り細に入り伏線からラスト、エピローグに至るまで、その拾い上げが見事に効いています。ちょっと怖さも感じる現代の風潮も含んでいるのですが、しかしそれにしてもこんな創作をあの仕事量の中でいったいいつ書いているんだ?というのが正直なトコロであります。先日一緒に食事してるときにご本人もそう言ってましたし…。

 この本の少し前に発行された「クラウド」も、本邦初?ツイッターから展開して行くミステリーと評判を呼びました。僕もツイッターしてますが、樹林さんも著名な「亜樹直(あぎただし)」の名前で毎日つぶやいてまして、最近の社会問題にもかなりズバッと切り込んだりしてます。僕はその毎つぶやきにそうそうって同意することが多い、僕自身はあまりつぶやかないツイッター生活をしてます。そこで「クラウド」ですが、こちらもスピード感あふれる面白いサスペンスミステリー。新しいこともどんどん吸収し、素早く題材にして一つの世界を創り上げてしまえるのはナミのチカラではありません。そういえば過去「金田一少年の事件簿」でさんざんそーゆードラマ作りを見せてもらってきたのでしたね。というわけで樹林さんのこの2冊もみなさんにオススメします。

 それにしても「ひのとり」で想いをめぐらせるのはやはり手塚治虫「火の鳥」シリーズです。学生のころ何度も読みました。当時僕が手にしてたのはCOM版の単行本、一色に色分け装丁された「鳳凰編」や「復活編」など各巻それぞれが、手塚先生の“万物は輪廻”思想などを縦軸に、恐ろしいほど異なった舞台設定をもって語られていました。多くで主人公をつとめる鼻が大きな猿田彦などと呼ばれるキャラクターに何かと共鳴していた記憶があります。フェニックスに象徴される不死鳥伝説と、それにまつわる人間と大自然。決して解答など出ないテーマは、しばし深遠なる宇宙の大きさに想いをはせるのに近いのかもしれませんね。

 先週時節柄ではありますが、お題を出したような、花が咲く直前の写真を載せました。それから少しの時間の推移がサボテンとアジサイにこんな花を咲かせました。冒頭2枚目3枚目の写真がそれ。こーゆーのを返歌ならぬ返花とは…言わないですよね。でも見てわかるようにこのアジサイはまだ満開ではないようです。まだまだ世の中これから何かと暑くなっていくんでしょう。