• ■06月25日
  • ■06月25日

  • 2007.06.25

 最初に先日お亡くなりになられたZARDの坂井泉水さんの話をさせて頂きます。坂井さんの音楽葬が27日に都内の青山葬儀所で執り行われます。僕が坂井さんに初めてお世話になったのが15年前、93年4月に放送されたドラマ「彼女が嫌いな彼女」。石田ゆり子さん主演のこのドラマで主題歌を歌ってもらったのが初めて一緒にした仕事でした。女性が主体の恋愛をテーマにしたドラマなので普通は「あなたにいてほしい」的な目線の曲を期待してお願いしたのですが、出てきたのは「君がいない」という間逆なタイトル曲。ざん新な歌詞の感性に驚かされました。96年には“金曜ロードショー”枠で放送された「YAWARA!」の完結編となった2時間スペシャルアニメに主題歌をいただきました。猪熊柔と松田の2人の恋路にひとつの決着がつき、また新たな明日を迎えていこうという想いの曲が「TODAY IS ANOTHER DAY」。そして「名探偵コナン」では、最初のオープニングの映像からイメージしてくれたと思える「運命のルーレット廻して」。この曲は見事オリコンチャート1位に輝きます。それから皆さんもご存じの通り、映画も含めてたくさんの楽曲を提供してもらいました。そのどの楽曲も作品にピッタリで、切ないとか恋しいとか、単なる1つの単語だけでは決して表せない、だけどピュアで向こうが見通せるようなすがすがしさを兼ね備えてるものばかりでした。

 …坂井さんがこんなことになるなんて今でもピンと来てません。音楽葬ではどんな気持ちになっちゃうのでしょうか。心の底から感謝してます、ありがとうございました。長い間一緒にこんなにお仕事できて良かった。残念ながら直接会話はできなかったけど、数年前に東京・有楽町で行われたZARDライブで間近に坂井さんのステージを観ることはできました。読売テレビでは他のドラマなどでも坂井さんに楽曲をお願いしていたし、これからも当たり前のように一緒にお仕事できると思っていました…。今回の訃報は非常に残念で、悔しくて悔しくて仕方ない時間を過ごしてます。

 「名探偵コナン」のおたよりコーナーに、とっても多くの方々が書き込んでくれた「ZARDの曲をもう1度使って欲しい」という意見は全部ちゃんと読んでます。僕も同じ気持ちでいっぱいだし、何かをしたくて仕方ありません。テレビの画面上でそれを伝えようと八方手は尽くしました。しかしいろいろ事情によりここ何回かのオンエアで、たとえば曲を変更する的なことはできませんでした。重ねて言いますがプロデューサーとしての思いはファンの皆さんと一緒です。ZARDの音楽をリスペクトしていますし、「名探偵コナン」に参加してもらった感謝の気持ちは決して忘れません。これから何度もあるでしょう何かの折に、ZARDと「名探偵コナン」の素敵なコンビネーションを思い出してもらえると本当にありがたいと思っています。坂井さん、天国で安らかにお休みになってください。

 さて、先週1泊2日で「結界師」チームの約20人で初のスタッフ旅行に行ってきました。場所は静岡・伊豆高原。泊まったホテルは食事が夕食も朝食も自炊ができるところ。こだま監督が見事な、酒のつまみにもなるハイグレードなカレーとか、斑尾役の大西健晴さんのこれまた見事な包丁さばきとか、黒須先生役の志村知幸さんの天才的魚料理とか、みんなで協力して手作りのご馳走を作ってとってもおいしく楽しく頂きました。スワッチの担当はワインを1ダース。みんなでお酒を飲みながら真夜中まで楽しく過ごしたんだけど、特に盛り上がったのが任天堂Wiiのボーリング大会。こだま監督チーム、松戸平介役の野沢那智さんチーム、そしてスワッチチームと6人ずつに分かれての変則ルール勝負。スワッチはただひとり2投ともストライクを出してガンバったんだけど、残念ながらチームは2着。優勝したのはこだま監督チーム、でも優勝チームのスコアが180近いってなかなかの成績でしょ?

 飲んでいる時の話題は「結界師」のこともあるけど、それよりも普段話せないことがほとんど。永井Pはとんでもない車好きで、「結界師」含みで雑誌に6ページの特集が組まれる位スゴイ車に乗ってるし、凄腕のドライバーでもある。同乗してた川上きらら役のゆりんさんやアヤノ役の岡本奈美さんはその運転をじっくり堪能できたみたい。そんな車の話のとなりでは若い役者さんたちが、大先輩の野沢さんから役者について様々なご享受を受けてたり。野沢さんは講師をしているスクールの生徒さんにまつわる楽しいエピソードもいっぱい話してくれました。ホテルの温泉は露天もあって、明るいうちはそこから眺める伊豆大島が絶景で、夜は頭上に北斗七星がキレイに輝いてたよ。スワッチはワインの飲みすぎで3時過ぎにダウンしてしまったけど、その後も明け方まで飲み会は続いたみたいだね。

 なのに翌日もほとんどのメンバーが8時前にはしっかり起きて、またみんなで朝食を作って食べてコーヒー飲んで、なんともパワフルなスタッフたちであります。スワッチの帰りは野沢さん親子と雪村静江役の百々麻子さんの4人で、野沢さんの車に乗せてもらって快適に東京へ。車中でも寝る間も惜しいほどイロイロ面白い話ができて聞けて楽しかったなあ。さすがに野沢さん、役者としての経歴はものすごいし、本人もその時代の周りの人たちもビックリ人間ばっかりなお話でしたよ。とにかく初めての割りに今回の旅行は、評判が良くて大成功。仕事の関係で残念ながら参加できなかった声優やスタッフもいたから、次回の旅行も早い内に予定されるんじゃないかな。幹事としてガンバってくれた良守役の吉野裕行さん、大西さん、永井P、小形P、ご苦労様でした。そして参加されたみなさま、本当お疲れさまでした!

 そんな7月2日の「結界師」は「最高幹部十二人会」を放送するよ。以前の日記で書いたスワッチのアフレコ初挑戦はこの回なんだ。スワッチの役は幹部4で声にした台詞は2つ。同じく初挑戦のシナリオライター・岸本みゆきさんは幹部6とヘンなアヤカシの役を演じました。というわけでわれわれ最高幹部の面々の登場は最初のCM前であります。1つは山寺のシーンで、もう1つは正守が幹部会に登場して、幹部たちがぶつぶつ言うんだけどその一言目がそう。テレビではどんな感じで聞こえるんでしょうかね。…幹部4を演じるにあたってちゃんと役作りをしたんだ。幹部4は中間管理職のような立ち位置で、若いヤツや新しいヤツを認めたがらないせこいオヤジアヤカシと理解して演じたんだ、ちょっと否定されたけど…。でもちゃんと不気味な雰囲気が出ていれば良いんだけどね。与えられたドラマや設定をいろいろ深ーく考えて演じ切る役者さんのキャラクター作りのすごさを実感した体験でした。皆さん、ぜひオンエアを見て下さいね!

 その後の「名探偵コナン」は「元太の必殺シュート(後編)」。被害者が残した暗号めいた言葉の意味は発想の転換でわかります。ちゃんとオチもついてるのでこっちもオンエアを楽しく堪能してくださいね。