• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民196人目
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  • 2013.07.25

 今週のアニ民は電通の渡辺哲也さんです。

 もう20年近い付き合いの渡辺さんをここではいつものようにナベと呼ばせてもらいます。世界最大の広告代理店・電通はTV界でも全体枠のおそらく最大のシェアを持っていると思われますが、今や何かしらの営業的担当するTVアニメの枠に限っても30以上を数えるまでになっています。

 でも僕がナベちゃんと初めて出会ったのはそんな電通がアニメ戦略を開始した頃でした。当初、SEGA開発込みの企画として電通側から提案され、電通が初めて手がけた作品をご存知ですか?「スラムダンク」なんですよ。そして僕らが出会った番組は「魔法騎士レイアース」。この作品の原作はCLAMP先生の講談社「なかよし」に連載されたもの。当初、SEGA開発込みの企画として電通側から提案され、YTVに持ち込まれました。当時は「コボちゃん」の放送が終わり、僕にとって唯一アニメの無かった半年間(1994年4月から9月)で、自分でも企画を出していたんですが、いろんな将来性も見据えてレイアースに決まった経緯がありました。

 それから当時の東京ムービープロデューサー加藤俊三さん(アニ民2)そして岩田幹弘さん(アニ民82)との制作の日々が始まりますが、プロデューサーのみならず営業面も含めて「こんなの面白いですよね」といろいろなアイデアも含めてサポートしてくれたのがナベ。そしてそれは電通スタッフとして「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」さらには「犬夜叉」へと続きます。

 この中でナベと一番どっぷり一緒に浸かった作品は「金田一」でしょうか。実は一番最初のアニメ金田一は1996年の映画「金田一少年の事件簿 オペラ座館・新たなる殺人」で、この映画はまだYTVは関与してなく、でもナベのおかげでそのアフレコスタジオにお邪魔でき、その後思い切り一緒に活動することになる原作者・天樹さんや東映アニメ・西尾監督(アニ民164)、清水P(アニ民8)と出会うことが出来ました。あの戦場のようなアフレコ現場はいろいろな意味でちょっと忘れられません。まさか1999年2本目の映画「金田一少年の事件簿 殺戮のディープブルー」で似た経験をするとは想像すらできませんし。

 愛知県岡崎市出身のナベちゃんと豊田市出身の僕は同郷であります。後で聞いたら僕が高校に通うのに、たまに使っていた駅がナベちゃんの実家の近所だったり、ちょっと年上の僕と共通ローカルな話題には事欠きません。

 そしてナベと僕のもう一つの共通項が金田一の頃からやっているプライベートワイン会。業界内外のユニークな友人を呼んでいろんなワインを、もう世紀を超えて続けて楽しんでいるんだよね。ポイントは肩の凝らないメンバーなこと。いつも何かしらのエネルギーをもらってる会なんです。そしてその延長ではなく久しぶりに仕事モード?で、ナベがチーフプロデューサーしている話題の番組、「ジャパコンTV」(7月26日深夜OA回)に呼んでもらいました。ジェンコの真木さん(アニ民)と角川書店の渡邊さんと3人で、アニメ界現場のお話をそれぞれの立場でお話し、いろいろ対談出来たなと思っています。

 とにかくいろいろあるでしょうが、巨大な組織の中で自分のスタンスを維持していくのは本当にタイヘンな事。これからもまず自分が望む方向だけはブレることなく、健康だけには注意してお互いにがんばっていきましょう。