取材班も被害に…ムクドリ“大量襲来”で大迷惑 鳴き声とフンの被害で近隣住民が悲鳴【かんさい情報ネット ten.特集】

日が暮れたころ集まり始めた黒い鳥の大群。兵庫県・JR加古川駅前で今問題になっているのは「ムクドリ」による被害です。けたたましい鳴き声や大量のフンが、近隣住民たちを悩ませています。各地で相次ぐムクドリの“大量襲来”。その被害は取材班にまで…。今各地で問題となっているムクドリの実態を緊急取材しました。

【特集】取材陣にも被害が!日本各地の空を覆いつくす「ムクドリ」の大群 けたたましい鳴き声・大量のフン…周辺住民からは悲鳴

空を覆う無数の“黒い鳥”

 2023年11月初め、兵庫・JR加古川駅前。日が傾きつつある空に現れたのは…黒い鳥の大群。鳥の群れは、旋回するたびにその数を増していきます。

(読売テレビ・泉達也記者)
「空を、鳥が覆いつくしています。何匹いるんでしょうね」

(近隣住民)
「この時間になると、いつも多いので、びっくりしますね」

 そして―。

(泉記者)
「鳥が、木にとまり始めました」

 大量にやって来た、鳥。その正体は…。

ムクドリは「人が多くいる場所」に集まる

 「ムクドリ」です。ムクドリは、日本のほぼ全土に分布し、子育てが終わる夏から冬にかけて群れで生活する、体長約24cmの小さな鳥。専門家によると、人間を恐れる外敵が寄り付かないことから、人が多くいる駅前などに集まっているのではないかということです。

 集団になると、けたたましい鳴き声をあげるムクドリ。さらに、住民たちを悩ませているのが―。

ムクドリが集まる木の下にはフンがびっしり

(泉記者)
「ムクドリがいる木の下の地面には、あたり一面、白いフンがびっしりとこびりついています」

(近隣住民)
「ここに自転車をとめていたら、上からフンが落ちてきそうなので、怖いです」
「どないしたらいいんやろな。わけわからん」

加古川駅前通商店街振興組合・貴傳名充理事長

(加古川駅前通商店街振興組合・貴傳名充理事長)
「理事や関係の業者さんでも、掃除もいろいろしてもらっているんですけど、1日やっても次の日には汚れてしまっている状態で、なかなか追いついていないのが現状です」

取材中、頭上から落ちてきたものは…

 被害は、兵庫・芦屋市でも―。取材中の泉記者の頭に、“液体”が降ってきました。

(泉記者)
「わ、気持ち悪い。これ、フンですよね?」
(カメラマン)
「フンやな」

フンに憤慨する住民も多い…

 取材班も、フンの餌食に…。対処に困るムクドリですが、これまでも各地で、人間との戦いが繰り広げられてきました。

さまざまな「作戦」でムクドリに対抗

 福島県ではロケット花火や爆竹を使って追い払おうとしたり、京都・京田辺市では天敵・フクロウの模型を設置したり、他にも、木槌で木を叩いて追い払おうとするなど、さまざまな策でムクドリに対抗してきたのです。

貴傳名さんの長男・澄さん

 JR加古川駅前でも、金属製のボウルを叩いて大きな音を出したり、強い光を当てて追い払おうとしますが…。

Q.どうですか?光を当てて。
(貴傳名さんの長男・澄さん)
「んー…まぁ確実に、ストレスは与えられると思っています」

「音」や「光」の効果は一時的

(貴傳名理事長)
「最初のうちは効果があったんですけど、やっぱり音に慣れてきて、日に日に難しくなってきていて…。“緑あふれる街”を作ろうということで、大きな木を守っていきたいという志があるものですから、おいそれと切るわけにはいかず、木を切らずに、鳥をうまく来ないようにする方法を模索しているところです」

大阪市立自然史博物館・和田岳学芸員

 さまざまな対策の中には一定の効果がみられるものもありますが、専門家によると、効果が一時的だったり、他の場所に被害が出たりするなど、根本的な対策は難しいといいます。

(大阪市立自然史博物館・和田岳学芸員)
「駅前の、にぎやかな所にこだわるムクドリを動かすのは、結構難しいです」

木を切っても、電線が寝床になるだけ…

(和田学芸員)
「『木を切ったら良いんじゃないか』というのはあるんですけど、切った結果、電線で寝るようになっただけということも。追い払うだけじゃなく、ここならOKという場所に、どうやって移すのかを考えるべきだと思います」

 小さな鳥による、大きな迷惑。追い払うのではなく、人間とムクドリがどのように共存していくのか、考える必要があります。

(「かんさい情報ネットten.」2023年11月9日放送)

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