次回予告 バックナンバー 地球便マップ ディレクターの取材こぼれ話 募集
今回の放送今回の放送

#123「アメリカ/ハリウッド」 10月17日(日) 午前10:25〜10:55


 今回のお届け先はアメリカ・ロサンゼルス。映画の都ハリウッドで、特殊メイクアップアーティストとして奮闘する野伏陽子さん(34)と、山梨県に住む父・澄夫さん(67)、母・美根子さん(59)をつなぐ。25歳の時に渡米した陽子さんは、その直後に結婚したものの、わずか2年で離婚。原因は夫の薬物中毒だった。両親は「1度つらい経験をしているので、次は幸せになってほしい」と願っている。

 元々特撮映画が大好きだった陽子さんは、短大卒業後、特殊メイクの道に進むことを決意。自力で資金を貯め、25才のとき単身ロスへ。メイクの専門学校で特殊メイクを学び、卒業後、ハリウッドでプロとして歩み出した。渡米して9年…まだまだ特殊メイクの依頼は少なく、今は主に一般のメイクの仕事で生活しているのが現状だ。

 特殊メイクの技術は日進月歩。陽子さんは仕事の合間を縫っては、特殊メイク道具の専門店を訪れ、日々発売される新しいメイク道具をリサーチ。現在同棲中の映画カメラマンの卵、ロブさん(27)相手に新製品を試したり、特殊メイクの練習をすることも。映画の世界で成功したいという共通の夢を抱える2人は、互いに刺激し合ういいパートナーだ。

 今はプライベートも充実している陽子さんだが、7年前には結婚していた時期があった。ハリウッドを離れ、メイクの仕事を断念してまで選んだ結婚だったが、わずか2年で破綻した。「彼はドラッグにはまり、最後は警察沙汰にもなった。リハビリにも何度も通った。彼を好きだったけど、このままでは私もダメになると思い離婚した。でもやりたい仕事をやれない時期があってよかった。LAに戻ったら絶対にまたメイクをやるんだ!とずっと思っていた」と陽子さん。

 離婚後、ハリウッドに戻り、再びゼロからのスタートを切った。それから6年、地道に仕事を続け、彼女ならではのきめ細やかな仕事ぶりで、着実に評価を高めてきた。現在は新人女優やモデルが自分を売り込むための宣伝用写真「ヘッドショット」撮影のための仕事が増え、生活を支える大きな収入源となっている。最近では、特定のメイクアップアーティストを起用することが多く新規参入が難しい大きなCMの仕事を、彼女の腕を見込んだ同業者から紹介された。そんなチャンスをひとつひとつ掴みながら、陽子さんは着実に夢に向かって歩みを進めている。

 アメリカに渡って9年。さまざまな困難に直面してきたが、そんなときに支えになってくれたのは両親だという。「いつもいてくれる、"不動のもの"ですね。感謝しています」。そう語る陽子さんには、恋人ロブさんとの間に大きな夢がある。「あと5年で結婚し、出産して、40歳までには家族を作りたい」。ロブさんも「僕たちの結婚を日本のご両親が心配しているのは分かっている。将来のことは真剣に考えたい」と話す。

 そんな陽子さんに、両親から届けられたのは真珠のネックレス。陽子さんが結婚するときに渡そうと、お母さんが買っておいたものだという。そこには「今度こそ幸せになって欲しい」という願いが込められていた。感激する陽子さんは「そんなことを考えてくれているとは思わなかった」と涙をこぼし、さっそく身につけ、ロブさんに見せる。ロブさんは「すごく美しいよ」と、陽子さんに優しくキスをするのだった。