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野村明大(ytvアナウンサー)『野村明大の徒然なる道』

徒然なる「大飯」再稼動問題。 「変節」か、それとも…

大飯原発・再稼動問題。

関西広域連合の「豹変」「変節」について、
世の中が騒然としています。 

橋下市長の言動を継続的にウォッチしてきた身としては、
「豹変」や「変節」というよりも、
ごく自然な形での「変遷」に映っていたのですが、

これは、世の感覚とは、多少のズレがあるようだ。

このズレに対しては、
何をおいても、敏感にならないといけませんね。

永田町・政治部系の記者は、
大体、世間感覚と、「ズレ」てますものね。 

自分もそう陥らないように、気をつけなければ…

広域連合や橋下市長の「変遷」を、
「変遷」と伝えられず、

「豹変」「変節」と、
視聴者側に受け取らせてしまっていることについては、

メディアの一員として、忸怩たる思いもあります。 


メディアとしては、限界もある・・・・ とはいえ。

そもそも、あの「声明」を、「容認」とは、私は、受け取っていなかった。

ただ、政府サイド、そして政府周辺のメディアは、
敢えてか自然にか、「容認」と解釈した。 

それは「ゆがんだ解釈」だと私は受けとめていたが、

橋下市長は、いとも簡単に、「容認ですよ」と、認めた。


橋下市長の「容認」発言は、
極めて大きく報じられた。


裏を返せば、メディア側も、
声明を「容認」と報じながらも、

なおかつ、

関西広域連合の「真意」は、
「容認」とは言い切れないと、

半信半疑だったからだと、
私は思っています。

橋下市長の「容認」発言には、
正直、度肝を抜かれた。

予想していなかった。

あれは、当初から、
「容認」と認めるつもりだったのか?


それとも、朝刊の各紙のトーンを見て、
自らの発言を「微修正」したのか… 


私は、そちらの真実のほうが、知りたい… 実は……


いずれにせよ、

関西広域連合の声明は、
橋下市長の、いわば『潔い』発言によって、

「事実上の容認」から、

「れっきとした、紛れもない容認」へと、

お墨付きを得た。 


いまやあの声明は、
紛れもない「容認」だ。


なぜなら、中心人物である橋下市長が、
はっきりと認め、「敗北」宣言までしたから。

橋下市長としては、

「細野大臣に、暫定的な稼動であることを認めさせた」ことが、
一つ大きなターニングポイントだとしている。

細野発言を、どの程度重くみるか… 

橋下市長は、極めて重く受け止めているが、

どうも、政府サイドの姿勢は、、、、 あやしい。。。。


細野大臣にしても、
積極的に、認めたわけではない。


どちらかといえば、

ギリギリと理屈を詰められた結果、
「言わされた」感、
アリアリだった。

細野発言の後、
政府サイドからは、一切、
その手の発言は、出てこない。

あの発言を、そこまで重く受け止めて、よいのか???

これまでの「政界常識・非常識」に照らせば、

細野発言を重くみることは、
「お人よし」そのものだと思うのですが。。。。 


橋下市長は、
常識を覆すことを最大の特技とする政治家。 

そんなこれまでの「慣例」など、

「くそくらえ!」もいいとこなのかも、しれませんね。。。。

さあ、

「細野発言」が、どれくらい効いてきて、
どれくらい、政権自身を、「呪縛」するのか。。。 

秋以降が、「みもの」です。 


現時点では、政権サイドは、
それほど重いとは、見ていないようにみえる。


さあ、どうなりますやら… 

橋下市長の、
政治家としての「若さ」「甘さ」を露呈する結末に、
行き着くのか… 

それとも、


ここを突破口に、
得意の「理屈爆弾」を炸裂させ、

一気に、政権サイドを追い詰めることができるのか。。。 


ここは、橋下市長の「政治家」としての力量をもはかる、
良いテストケースになるんでしょう。


私個人としては、


「大飯の再稼動は、暫定のもの」という解釈を、
世のコンセンサスとして、共通の理解として、
明確にすることができたなら、

「大した大成果」だと、
思っています。


もっとも、そうできるのかどうか、
ここからが、正念場だと思いますが……

投稿者: 野村明大 日時: 2012年06月04日(月) |

アナウンサー