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野村明大(ytvアナウンサー)『野村明大の徒然なる道』

徒然なる「杉内投手」の大記録の際の…

ちょっとだけ前の話になりますが、
杉内投手がノーヒットノーランを達成した試合の球審の判定は、
ちょっとひどかったと思う。

最後のバッターに対し、
きわどいが、「ストライク」とジャッジすべき球を、
「ボール」と判定していた。


その球を「ボール」とジャッジされたことで、
結局、
このバッターを、四球で歩かせてしまった杉内投手。

最後の四球になった球は、
きわどいが、「ボール」だったと思う。

このジャッジは妥当と感じた。


さて、最初に指摘したその球を、
球審は、なぜ、「ボール」とジャッジしたのだろう?? 

私の目には、「明確にジャッジ」した結果の「ボール」とは、映らなかった。

では、どう映ったかというと、

「素晴らしいボール過ぎて、バッターも、思わず、手が出なかった。
それと同じように、審判も、思わず、手が上げられなかった」
という風に、映った。

プロの球審が、そんなことはなかろう!!? 
と言われそうだが、

残念ながら、そんなことはないことはない、と
私は思っています。

実況アナとしても、
何百試合も試合を見てきましたが、

その手のジャッジが、本当に多いと、感じていました。

素晴らしいボールが、バッターのアウトコースに、ズバッ!! 
バッター、ぴくりとも動けず!! 
球審が高らかに「ストラーーイク!!」とコールして完結…

してほしいところで、

残念な球審の場合、球審自身も、ピクリとも動けないのだ……

メジャーリーグの場合、
ボールがミットにおさまってから、ワンテンポあるんです、
ストライクジャッジまで。

だから、日本に比べて、
格段に、その手のミスジャッジは、少ないと感じる。


メジャーの球審は、
あまりに素晴らしいボールがきて、バッターが手が出なかった場合、
自身も一瞬、金縛りにあうのだが、

ワンクッション置いて、改めて、
「ストラーーーイク!!!」と、高らかに、コールする! 

素晴らしい球を、素晴らしいと、きちんとジャッジできている。

ところが日本では、
1クッションおいて「ストラーーイッ!!」という作法に、なっていないんですね。 

良い球過ぎて、瞬時に、ストライクジャッジが出来なかった
→間が空いた
→もう今さら「ストライク」と言えないから、
なぜかうやむやのまま「ボール」 

という帰結をたどる…

井川投手が阪神のエースだったとき、
何度、そんなシーンを、見ただろう…

井川投手の、惚れ惚れとするようなアウトコースの直球に、
バッターも審判も、同様に手を動かせず… 

1-1のカウントから、2ボール1ストライクと、
バッター有利のカウントになる… 

というシーンを。。。。

そして、
2ボール1ストライクのカウントから、
落ちるボールを投じる。

ストライクボールが逆なら、
思わず振ってしまいそうな球を、

カウント有利なバッターはしっかりと見極め、
カウントは、3ボール1ストライクに……


結局、あの球を「ボール」とジャッジされたことをきっかけに、
その打者に、
四球を与えたり、ヒットを打たれたり、最悪の場合、HRを浴びたり…

何度も、そんなシーンを、見てきました。。。

杉内投手の「あの球」は、
まさに、「そんな球」「そんなジャッジ」だった。。。。 

そして、「あのジャッジ」をきっかけに、
結局、杉内投手は、
初めてのランナーを、許した。。。。

「初めてのランナー」の、
四球となった最後の球は、

際どいが、「ボール」だった。
そのことに、文句を言うつもりは、ない。

だが、その前の、際どい投球は、
あれは、ストライクだ! 

あれを「ボール」とジャッジしたのでは、投手が、かわいそうだ!!


以前、実は、
たまりにたまっていた、この「不満」「疑問」を、

開幕投手を何度も務めたこともある某投手に、
直接ぶつけたことが、ある。


彼も、100%同意してくれた。

「本当に、よく見てくれてるね。その通りだと思う。
試合の現場では、球審に対して、言わないし、言えないんだけどね」と話していた。

さて、その杉内投手。

次のバッターは、最後、
際どいが「ボール」だろうという投球を、
「ストライク」とジャッジしてもらい、

見事、ノーヒットノーラン達成!!! 

何なんだ!!!?この、一貫しないジャッジは!!??

杉内投手が、最後、ノーヒットノーランを決めた「ストライク」と、
その前の打者に対して四球を与えた「ボール」は、
ほぼ同じところだろう。 

なぜ、ストライクになったり、ボールになったり、するのか!!?


ボールならボール、ストライクならストライクと、
一貫して、ジャッジすべきじゃないのか!!?? 


球審の気持ちを勝手に代弁するなら、


前の打者の、最初の際どいジャッジの「ボール」判定を、
心中、ずっと、ひきずっていたのではないのか??


自分が「ストライク」を「ボール」とジャッジしたことに端を発し、
杉内投手の「完全試合」は、なくなった… 

そのことに後ろめたさを感じていた球審は、

最後、下駄をはかせて、
ノーヒットノーランの達成を助けた… 


そう見られても仕方のない「不可解」判定だった。。。。

スポーツにおいて、審判は、絶対! 
野球において、その「絶対的」存在である審判は、
ストライクボールの判定で、試合の「命運」を、大きく左右する… 

であるならばなおさら、
素人ファンにこういう指摘をさせるような、
不可解・一貫しないジャッジは、なくしてほしい。


そう切に願った、
そんな、杉内投手の「ノーヒットノーラン」達成試合…… でした。。。。。

投稿者: 野村明大 日時: 2012年06月02日(土) |

アナウンサー