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野村明大(ytvアナウンサー)『野村明大の徒然なる道』

徒然なる「ダム問題」について、橋下知事が、誤解されていると感じること。

中止か? 継続か?

大きな注目を集める「槇尾川ダム」問題。

大変な勉強によって、

並の首長では「太刀打ち」できないほどの知識と知見を

いまやお持ちの「橋下知事」。。


ですが、


何点か、


「誤解」されているのではと、

感じることがありますので、

その点について、指摘しておきたいと、思います。


まず、


「槇尾川における治水目標・1時間あたり65ミリの大雨」

を上回る大雨が降った際の

「超過洪水」に対する効果。


きのうの私のブログでも、

丁寧にそこの部分については、書きましたが、


この「効果」については、


「ダム案が優れているか?

 脱ダム案が優れているか?」

意見が、分かれています。


もっというならば、

「頑丈なコンクリートの堤防」が、


5回の大雨に対して、大体4回くらい、耐えることができれば、

「脱ダム案」のほうが、「効果優位」

5回の大雨に対して、4回「もたない」なら、

「ダム案」のほうが、「効果優位」

というところまでは、


概ね、「河川整備委員会」の中でも、

コンセンサスが、とれている「議論」です。


このテーマについて、

大いに議論されたのは、

10月11日の「9時間」に渡る

「河川整備委員会」の議論の中でです。

このときの委員会には、

橋下知事は、出席されていませんでした。

「技術的な問題について話す会だと聞いている」というのが

欠席の理由でしたが、

やはり、いま振り返ると、


とても重要で本質的な「テーマ」が、目白押し、、、だったように、感じます。


「最後は自分で政治決断」


するのであれば、

この会の議論には、やはり「出席」しておくべきだった、と思いますし、


今からでも遅くないので、


「9時間に渡る議論」を、動画なり録音なりで、

本来、聞かれるべき、だとは思います。


もっとも、

他にも山ほど難題を抱えられる知事のことですから、


とてもそんな長い時間は、

ないと思いますが。。。

さて、

では、

その際の「9時間の議論」の中身は、

どのように、知事に対し、伝えられたか?

後日、

「ダム推進」の河川室より、


「レク」が、行われました。

通常「非公開」で行われるものですが、

「河川室」によって、

都合よく切り取られ、知事に伝えられては問題だと考えましたので、

私は、

「公開にしてくれ」と、申し出ました。

「公開」を信条とする知事も受け入れ、

このレクは、

報道陣に、公開で、行われました。

このレク内容が、

やはり、


「ダム推進」に誘導しようとする意図に

満ち満ちていたことは、


以前のブログにも、書いたとおりです。

ただ、

このあたりは、


あくまで「主観」の問題ですので、

これ以上は、言及しませんが。。


ただ、

府河川室が、


一貫して、「ダム推進」に誘導しよう誘導しようとしてきたことは、

もはや、「事実」として認定して良いでしょう。


何度か、

「ダムに不都合」な重要情報を明らかにされていなかったことについて、

謝罪しましたし、

きのう、

宮本委員が辞任表明をしたのも、


一番の理由は、

「そのあたりからくる不信感」だとしています。

また、

他ならぬ知事自身も、

その点については、

認めています。


さて、

その「重要」な「9時間に渡る審議」には、

何人かの「委員」が欠席していましたが、


それらの「委員」に対しては、

欠席部分の「説明」が、


「ダム推進」の「河川室」から行われたことは、

言うまでもありません。


そして、

きのう、

委員長案に対して

「賛成」の意を明確に表明した「委員」は、


私の記憶に間違いがなければ、

全員、その「9時間に渡る」議論が行われた「10月11日の委員会」に、出席していました。

逆に言うと、


「9時間審議」に欠席した委員の方々の中で


土壇場にきて、


「明確に、態度を表明」できず、

「保留」を選択された。。。。


その理由が、

あの「9時間」の審議を聞いていない、、、、ことに、

あるのだとすれば、、、、、

非常に、

由々しき話、、、、

だとは、思っています。

さて、


話が、それました。。


私が、

知事が、「誤解」されている、、、

のではないか?と感じているのは、


「超過洪水」に対する

「脱ダム案」「ダム案」

それぞれの「効果」についてです。

きのうも、

「超過洪水に対する効果は、

 委員の間で、意見が分かれているところですが、

 そのことは、理解されていますか?」

という質問に対し、


明確にはお答えいただけなかったので、

そこの部分について、

いまだ、


「知事が、どういう認識を持っているのか?」

私には、わからないのですが。。。

一般には、

「超過洪水に対しては、

 ダムの方が効く」


なぜか信じていらっしゃる方が多いのは、


どうやら、、、、

疑いようのない、事実、、、のようです。

私としては、

「9時間の審議」をつぶさに聞いていて、

「超過洪水」に対しては、

「ダム案」と「脱ダム案」、


どちらが「効く」かは、わからない。


ただ、

「数値化しやすい」のは「ダム案」

「でも実は、本当に効果がある」のは「脱ダム案」

との印象を、

「9時間審議」の後に、

持ちました。


まさに、

そのことが、


9時間審議の「真髄」であったと、

感じています。

このことは、

私の「主観」「感想」ではありますが、

「主観」にとどまるものでもないと、

思っています。


実際、

委員長自身も、

そう感じたから、


「超過洪水については、

 一本化するために、

 敢えて、棚上げ」


という形はとったけれども、

「超過洪水に対して、ダム案のほうが、効果的」とは、

一言も、書いていない、、、わけです。


9時間の審議の中で

結局、


「超過洪水」については、

どうなったのか?


一言でこれを説明するとなれば、

「超過洪水については、
 
 ダム案優位か、脱ダム案優位か、

 意見が分かれた」

と、なるでしょう。


9時間審議に出席していない

「知事」あるいは「委員」あるいは「記者」は、

その一言を、

河川室から、


聞くことに、なったのでしょう。。。恐らく。


ただ、

実は、

その「一言」の裏には、


上述したような「もう一つの真実」が、

ある、


ということなのです。。。。私が言いたいのは。。。。


あの9時間の審議を聞いて思ったのは、


「超過洪水に対して、

 目をつぶっちゃ、いけないよね」

「超過洪水に対して、

 ダムなら水位を10センチ下げられる、と効果が目に見える形で示せるからといって、

 そこに流れちゃいけないよね。

 〝数値化はしにくい〟堤防補強を、

 きちんと評価して、治水策の中に入れないと、

 
 結局、


 本当の〝命を守る〟治水には、行き着かないよね」

という、ものでした。。。

ただ、

上記の議論には、

大変な時間が、要します。


「大切」だけど、

「大変な時間」を、要します。


「治水策」を2つに絞って、

どちらかに選択しないといけない際に、

「超過洪水への効果」については、

意見が分かれる、


それなら、

その問題については、

いったん、棚上げしましょう、

それ以外の要素で比べたら、

どうだろう??

コスト面、環境面で、

「脱ダム」のほうが、優位です。

だから、「脱ダム」が最も妥当だよね、

というのが、

「委員長案」の趣旨だと、

聞いています。

私は、その「選択」を、

「妥当」な選択だと、思います。


「超過洪水」については、


一言で説明すれば、

「評価が分かれる」

で済みますが、


その一言では、

全く、「説明し尽くされていない」と

私は、考えています。

その理由は、

上述してきたような理由、からです。

もう、お分かりいただいていると、思いますが。。。


超過洪水について、


でも、

「9時間審議」に出席していない知事や委員らは、


河川室から、

「評価が分かれています。

 難しい問題ですねぇ。。」

といったような「総括」を、聞いているのです。

少なくとも、


私が上に書いてきたような、あるいは、きのう書いたような、

「丁寧な議論の経緯」は、

知事に対しては、河川室からは、なされていません。

私は、

「超過洪水に関しては、意見が分かれる」という

一言説明は、


きちんと「導く」説明では、

ないと思っています。

超過洪水について、

きちんと説明しようと思えば、


今書いてきたくらいの、きのう書いたくらいの、

「スペース」と「時間」が、

要るわけです。

ところで、

これだけ難しい「超過洪水」。

論点でしょうか??

皆さんは、どう思われますか??


私は、

大きな論点ではないと、思っています。

なぜならば、

「難しすぎて、結論が、出ない」


ことが、

わかっているからです。

また、

「結論を出そうとすれば難しいけれども、

 実は、

 〝たぶん〟

  『脱ダム』案のほうが、有効かもね。。。」


というのも、


あの「9時間審議」を冷静に聞いていた傍聴者なら、

感じるところ、、、でもあると思っています。

「でも、〝数値化〟できないのです。」

ただ、

「たぶん、

 超過洪水については、

 五分五分か、脱ダム案のほうが、効果的だよね。


 それで、

 環境とコスト面でも、〝脱ダム案〟のほうが優位なんだから、


 『結論を出すために』

 とりあえず、超過洪水議論は棚上げにして、


 環境とコスト面で優位な〝脱ダム案〟で集約をはかろう」

というのが、

きのうの「委員長提案」だったわけです。


それに対して、

「保留」した委員の「主張」は、

どういうものだったのでしょうか??

私は、審議を聞いていましたが、

よく、わかりませんでした。

たぶん、委員長も、

わからなかった。。。。

だから、


一週間以内に、「ペーパーに書いて、出してください」と

言われたのだと思います。

「ダム案」に賛意を表した委員は、

「数値化」できることをもって、

「超過洪水」に対し、ダム案が優位であり、

また、

ここまで「計画」が進んでいることも加味されて、


そちらに、賛意を表されたのでしょう。

それは、

それぞれの学者としての「知見」ですから、


信念に基づかれれば良いと思うのですが。。。


わからないのは、

後にも先にも、


「保留」…だった方たちです。


「覚悟」というコトバが、

何度も

きのうの委員会で、飛びかいましたが、

あの、、、きのうの、、、、

突然、知事から「決を採ってください」といわれて、

ダム中止なら「起立を」と求められた、、、、、

あの雰囲気の中で

「新しい治水方法に踏み出す」というのは、

それは、当事者としては、


相当な覚悟を要することだろうな、と

思います。

それは、


外野が、

あれこれ言う以上の

プレッシャー、、、でしょうし。。。。

最初に「挙手」はしていたけれど、

「起立」はしなかった委員や、

「6-4」とか何とかおっしゃいながら、

結局、

意志を示されない委員もいらっしゃったり、

そこで確固たる意志を示すための

「研究」であり「審議」だと思うのですが。。。。

いずれにせよ、

「保留」とされた委員の皆さんの、


「腑に落ちる」説明を、


待ちたいと思います。


話がとびとびになって申し訳ありませんが、

私が、


知事が「誤解されていなければいいのだが…」と

思っているのは、


「超過洪水については、

 ダムの方が優位」だと

認識されていないかどうか、、、です。。。

もしくは、


「意見が分かれているんだってね。ふむふむ。

 だったら、なんとなく、ダムのほうが、やっぱり、優位なのかなぁ。。。」と


思っていらっしゃらないかな?


ということです。


実は、

ここの部分の「なんとなく」は、


「なんとなく」でしかないことを、

「9時間の審議」を聞けば、

分かるのです。


少なくとも、私は、

そうでした。

ですから、

最終判断権者である、


知事(や府議会議員)の皆さんには、


あの「9時間の審議」は、

聞いて欲しいのです。。。本当は。。。。。


「河川室から配られるペーパー」をみて、

全てわかったつもりになるのではなく。。。。


まあ、ただ、


そんなことされる暇がおありな方も、

いらっしゃらないとは思いますが。。。(笑)

私も、

別に、

大阪府民ではありませんし、


府民が選んだ「リーダー」が、

府民のためを思って、

最大限可能な「努力」「準備」の末に選ばれた政策を、


これ以上、とやかく言うつもりも、ありません。


ただ、

マスコミとして、


指摘すべきことは、指摘していきますが。。。。

河川室の「情報の出し方」は、

やはり、


非常に、問題があると、思っております。


さて、

知事の、

もうひとつ「どうも、誤解されているのでは??」

と思うこと。。。

です。

知事は、

現在の府の河川整備委員会のメンバーを

「専門家集団」と称して、

大きな信頼を置いていらっしゃるようですが、


実際には、

「治水の専門家」は、

ほとんどいらっしゃらない、、、、ことについて、、、、、


認識はされているのでしょうか??


もちろん、

私は、


「治水の専門家」ばかりで議論する話でもないと、

思っていますが、、


ただ

「65ミリ」とか「80ミリ」とか「ハイウォーター」とか「超過洪水」とか、

そういう用語について、


私や知事よりも、

「理解不足」の委員さんも、


何人も、入っていらっしゃいます。


もちろん、

そういった委員の方も、

しっかり議論する中で、

どんどんと知見を蓄えて、


最後に明確な意見を述べられるような知見に達されるのなら

よいのですが、、、、


私はもちろん、

全回の議論を、すべて聞いておりますが、

委員の方には、


大変よく「欠席」されている方もいらっしゃいますし、

そういった方が、

最後に、

一定の「覚悟」を持てなかったのは、


これまた、十分、わかるような気も、いたしますし。。。。


「新しい治水」と掲げるものを

「審議すべき」、「審議できる」メンバーなのかな?

という印象は、


正直、持っております。

そんな中、

「河川整備」の「実務」については、

もっとも知識と知見を持つ

国交省の元キャリア官僚・河川局の元防災課長である

宮本博司氏に


「あいそをつかされた」

委員会。


今後、

文字通り、


「河川整備の実務」に一番詳しいのは、

他ならぬ「ダム推進派」の「河川室」のメンバーになるわけで、、、、


私は、

知事の掲げる「新しい治水」は、


既に、

「掛け声倒れ寸前」の状況だと、

感じています。

投稿者: 野村明大 日時: 2010年11月03日(水) | コメント (1)

コメント

程度の低い考えですみません。
議論は、多方面からいろんな考え方が出て来て、検討されますから、大いに意味があります。
しかし、私が人生でいろんなことがあって、どう考えたかを振り返りますと、まずは、自分があまり影響を受けないようにしよう、後々、引きずらず、周りからも何も言われないように、なるべく係わらないようにしよう。
子供の頃、学級委員を何度もして、そんな考え方をするようになりました。逆に、そのことで混乱。

投稿者: ロプロス 日時:2010年11月04日(木) at 12:04

アナウンサー