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特 集

2019/05/18

特集01

フェイクミート最前線

客がうまそうに頬張るハンバーガー。
実は肉を一切使用していない。

アメリカの大手ハンバーガーチェーンバーガーキングも
先月、植物由来の肉を使ったハンバーガーの販売を開始。
   
(客)
「どう見ても牛肉だよ。」
 
それは日本でも。
 
(ロッテリア マーケティング部 吉澤清太 課長)
 「お待たせいたしました。」

(山本隆弥アナウンサー)
「野菜ハンバーガーと書かれていて
パンとレタス、トマト、タマネギ、パティが挟まれていていて
普通の野菜ハンバーガーですよね。」
 
見た目はいたって普通だが、パティに牛肉は使われていない。

(ロッテリア マーケティング部 吉澤清太課長)
「こちらのお肉 植物性のお肉になっています。
 大豆を原料としたソイパティ。フェイクミートと呼ばれるものです。」
(山本隆弥アナウンサー)
 「大豆ですか?」

先週販売を開始したのが「ソイ野菜ハンバーガー」。
従来の商品に比べ、カロリーは30%オフ。

(山本隆弥アナウンサー)
「大豆の味、全くしないですよ。肉のうまみ、ジューシーさしか感じないです。
 見えないよ。全部、野菜には。」

(ロッテリア マーケティング部 吉澤清太 課長)
「ハンバーガーチェーン店なので、肉がメインの中で、
 (肉を使っていない)商品を出していいものかな?と。」

世の中はヘルシー志向。
さらに外国人観光客のインバウンド需要を見込んで販売に踏み切ったのだ。
 
欧米では、フェイクミートと呼ばれる植物由来の代替肉。
レストランではもちろんのこと、
スーパーマーケットの精肉コーナーでも本物の肉のとなりで数多く販売されている。
当たり前の食材として普及が進んでいるのだ。
    
市場の拡大を裏付けるかのように、
今月2日、代替肉を開発・販売するアメリカの企業「ビヨンドミート」が
NASDAQに上場。

2日間で株価はおよそ3倍に跳ね上がった。

一方、日本では1970年代から大豆で作られた代替肉はあったが、
大豆の臭みや食感が原因で、なかなか人気を得られなかった。
 
しかし、今!
 
(子供)
「おいしい。」
(男性)
「肉じゃないんですか?肉の味がします。」
(女性)
「言われなかったら、全然わからなかったです。」

味はもちろん、口当たりが本物そっくりの大豆ミートの商品が登場したのだ!
「肉じゃないのにそこそこ美味い!」ゼロミートハンバーグ。
 
果たしてそのお味は?

(山本隆弥アナウンサー)
「すごく肉々しくて食感 ボリューム感もハンバーグのままです。
 これ正直にそこそこ超えてます。」

開発したのは大塚食品。肉そっくり、その秘密を聞いた。

(大塚食品 新規事業企画部 一木伸悟 課長)
「肉はどういう形、粒をしているのか。どういう匂いがするのか。
 どういう味がするのか。
 一つ一つを分析しながらそれを大豆で肉と同じような粒を作っていった。」

豆乳「スゴイダイズ」などの製造販売で培ったノウハウを活かすことができた。

こだわったのは肉の食感。

ハンバーグのおいしさを引き出す1つがひき肉の大きさがバラバラな点。
これが食感に大きな影響を与える。
そこで、大きさや形、硬さの異なる大豆ミートのミンチを
複数組み合わせ、ベストの調合を生み出した。

(大塚食品 新規事業企画部 一木伸悟 課長)
「ここ2、3年で(代替肉の需要が)180%伸びるんじゃないかと
 分析している調査会社もありますし、非常に伸びていく市場だと思っています。」

市場拡大が予想されるフェイクミート。
世界中で開発される背景にはこんな理由もあった。

(三井物産戦略研究所 岡田智之 シニアプロジェクトマネージャー)
「牛肉を育てるのに穀物だとか水が非常にたくさんの量がいる。
 (牛肉)1キロ育てるのに10倍の穀物が必要となってくる。
 どうしてもエネルギーとか環境負荷は大きくなる。」

2050年には、100億人に達するとされる世界人口。
これまで通り動物性タンパク質を人類が取り続ければ食料不足は避けられない。

(三井物産戦略研究所 岡田智之シニアプロジェクトマネージャー)
「タンパク質クライシスと呼んでいるんですけども
 そういった時代が来ることを考えると(フェイクミートが)
 一つの解決策として使われることは間違いない。」

世界中で拡大が予想されるフェイクミートの市場。
一方、肉そのものの概念を変えるような最先端技術が
アメリカ・サンフランシスコにあった。
2011年に設立されたこちらの企業。

顕微鏡で覗いていた容器にはうっすら赤い色をした液体が。
その中にあるのは…牛の細胞だ。

(担当者)
「これは開発の初期段階で、細胞を培養して増やし、
 最終的に肉を作り出します。」

動物の細胞を培養し、肉を作っているのだ。
果たしてどうやって細胞を肉にするのか?

(担当者)
「企業秘密のため、この後の工程は見せられません。」

残念、ここからは企業秘密で撮影は許可されなかった。

製造工程はまず、牛や豚、鶏などの体の組織から細胞を採取。
その細胞を培養し、タンパク質や糖分などを加え、筋肉や脂肪の元になる細胞に。
そして、温度や動きなど動物の体内の環境を再現した機械の中で成長させる。
こうして2週間…。培養肉が完成するという。

(担当者)
「チキンナゲットです。」

出されたのは、細胞から作られた鶏肉・チキンナゲットだ。
油で揚げること数分。

(担当者)
「さあ、どうぞ。」

完成したナゲットを切ってみると、確かに断面は鶏肉のような白っぽい色をしている。肝心のお味は。

(飯塚真代 記者)
「硬さは筋肉質の多い脂身の少ない鶏肉といった印象です。」

培養肉を開発する企業はアメリカだけではない。
イスラエルをはじめオランダ、実は日本の企業もしのぎを削っているのだ。
培養肉の開発には、マイクロソフト顧問ビル・ゲイツ氏や
ヴァージン・グループ創設者リチャード・ブランソン氏が投資を始めている。
 
世界で研究開発競争が進む中、未来の食卓はどうなっていくのか?
「フェイク」がいつの間にか「本物」になる日が来るかもしれない。

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