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特 集

2019/04/13

特集01

新1万円札の顔 渋沢栄一氏 ”日本経済近代化の功労者”の教えは

(津田梅子のひ孫・津田直氏)
「お札になるということが非常に恐れ多いことでもあるので」

写真家の津田直さん。
母方の曾祖母は新しい紙幣の“顔”に選ばれた津田梅子だ。

(津田梅子のひ孫・津田直氏)
「(発表)前日の昼に財務省から電話がありました。
五千円札に梅子が採用された」

津田梅子は日本初の女子留学生で
女性教育の先駆者として知られる。

(津田梅子のひ孫・津田直氏)
「梅子ははじめて6歳で留学をした。
 扉を開いたようなもの。女性の新たなる活躍の場を。
 これからの女性の大きな時代がやってくるんだなという
 梅子を乗り越えていくような
 はじまりになってほしい気持ちは強く思います」

今週火曜日、財務省は20年ぶりに紙幣のデザインを刷新すると発表した。
2024年に発行される紙幣は3種類が新たな“顔”に生まれ変わる。
500円硬貨も2021年の上期をめどに2色3層構造になる。

(麻生財務相)
「偽造防止の点から考えると
 今までの顔ではなく新しい顔をというのが大きな理由です」

千円札には破傷風の治療法を開発するなど
近代日本医学の礎を築いた北里柴三郎。
五千円札の津田梅子と同様、大学の名前にも使われている。

(北里大の学生)
「話題になっています。ついに北里先生が有名になれる」
「紹介しやすいかなと思います『千円札の大学です』って」
(津田塾大の学生)
「英語の勉強をする上で目標となる人物。
 五千円札に載るのは光栄」

そして、最高額の紙幣、一万円札の“顔”になるのは渋沢栄一。
『日本経済近代化の最大の功労者』ともいわれる。

出身地の埼玉、深谷市では。

(深谷市市長)
「ばんざーい」
「本当にね この上ない喜びであります
 本当にありがとうございます」

4世代下の玄孫、渋沢健さんは40代で起業して以降、栄一の考え方を研究している。

(渋沢栄一の玄孫・渋沢健氏)
「この世の中がキャッシュレスになってきている。
 新しいお札でなくてもいい。
 必要性ないと思うんですが、お札は人の顔が載ってるんです。
 そこに意味がないといけないと思う。
 機能だけではなくて。
 こういうメッセージを次の世代の為に時代の為に伝えたい」

渋沢栄一が生まれたのは江戸時代後期の天保11年。
生家は商売も手広く行っていた豊かな農家だった。

徳川慶喜の家臣となり、パリ万博をはじめ欧米諸国を視察。
明治維新後は税制や財政を扱う経済官僚として活躍した。

(渋沢栄一の玄孫・渋沢健氏)
「海外に行ってみると、そこではガス灯があった。
 日本に持って帰ってくれば日本が豊かになる。
 民間力を高められれば国の繁栄。
 国力を高めることができないと考えていた」

東京、千代田区の公園に建つ渋沢栄一の像。
その視線の先には自ら創設した日本初の銀行があったという。
官僚を退官し、初代頭取となった渋沢栄一は
その国立第一銀行を拠点に企業の創立・育成に力を入れた。

(渋沢栄一の玄孫・渋沢健氏)
「日本初の保険会社も作っていて東京海上です。
 サッポロビールもそうですね。
 キリンビールの前身のジャパンブルワリーという会社にも出資していた。
 西洋の技術を取り込んで、そこで日本の製造業を応用して作った」

他にも東京電力や東京メトロなど創立にかかわった企業は500。
田園調布に住宅地を開発し、東急グループの元を作ったのも渋沢だ。

1882年に創立された東洋紡。渋沢が作った紡績会社だ。
現在は素材メーカーとして多岐にわたる分野に進出。
例えば、液晶テレビのフィルムの生産は全世界の3分の1を占める。

(東洋紡・坂元龍三会長)
「こちらが渋沢さんが大正10年に当社へお見えになった時に書かれた
 当社の理念にもなっている言葉であります。
 順理則裕という。理に従えばすなわち豊かなりという
 事業を通じて社会に役に立ちなさいと。
 それは一方で自らの利益にもつながってくると」

軌道に乗った企業に経営権を譲り、
次の企業の設立に尽力したという渋沢。

新紙幣の発表以来、都内の資料館には多くの人が訪れている。
そこには肉声テープが残されていた。

(渋沢栄一の肉声テープ)
「仁義道徳と生産殖利とは元来、共に進むべきものであります」

生涯、『道徳経済合一説』を説き続けた渋沢栄一。
『企業の目的が利潤の追求にあるとしても、
その根底には道徳が必要であり、
国や人類全体の繁栄に対して責任を持たなければならない』

晩年の渋沢との思い出が残っているという孫の純子さんを訪ねた。

(渋沢栄一の孫・鮫島純子さん)
「やっと表に出たかって感じでした
 みんなが幸せと感じるような世の中にしたいっていうのが
 (渋沢の)事業の基本ですから
 それをもっと知っていただけるチャンスになるかなと思っています」

近代日本の礎を築いた偉人たち。
紙幣の刷新は改めてその功績を知る機会となった。

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