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特 集

2018/12/01

特集01

来訪神行事がユネスコ無形文化遺産に正式登録

(パーントゥ)
「ぎゃー」

沖縄のパーントゥ
鹿児島のボゼ、
秋田のナマハゲ!!

人々に福をもたらすとされる
来訪神たちに今週、うれしい知らせが!

(記者)
「男鹿のナマハゲを含む来訪神行事が今、
 ユネスコ無形文化遺産に正式に登録されました」

(ナマハゲ)
「やっと決まりまして、こんな嬉しいことはありません」

(男鹿市長)
「これからの男鹿は非常に明るい
 よみがえる男鹿のスタートです」

無形文化遺産に登録されたのは
男鹿のナマハゲを含む8県10行事からなる
「来訪神:仮面・仮装の神々」。

正月などに仮面をつけ
仮装した住民が怠け者を戒めたり
福をもたらしたりする行事を通じて
「地域の結びつきや世代を超えた人々の交流」が
深められていると評価された。

ウェークアップ!のカメラは
今回の登録を前にナマハゲのふるさと秋田県男鹿市に向かった。

年中、ナマハゲが堪能できる「ナマハゲ館」。
 
(山本アナ)
「色んなデザインのナマハゲのお面があるんですけど」

(解説員)
「ここには男鹿半島内の60地区のお面を展示しておりまして
 地区ごとに全部顔が違うのが特徴なんです」

地区ごとに木や紙粘土など様々な材料を使って作られる。

木彫りのお面をかぶってみると…

(山本アナ)
「剣道のお面みたいですね。結構重い…」
「どきどきします」

荒々しい声を出しながら家々を回って怠け者を戒め、
新しい年の幸せを授けるナマハゲ。
歴史は古くおよそ200年前の江戸時代の紀行文にも登場する。

ナマハゲ行事を体験した女性に話を聞くと。

(女性)
「笑いもユーモアもありながら長々と根付いてる感じだなと思いました」

秋田市内から訪れたという女性は。

(女性)
「初めて見ました。すごい迫力でこんなに怖いって思わなかっので
 びっくりしました」

(支配人・山本さん)
「地元の人も興味持っていただければ
 実際にやってるのが地区ごとにやってるので
 その地区に若い子たちが定着して残って
 後世にナマハゲが残っていければなという感じですかね」

地元・秋田の人でさえ目にしたことがなかったというナマハゲ。
年々、なり手が不足しどうやって存続させるか課題を抱える。
     
なり手不足は今回登録された他の来訪神たちも同じだ。
藁装束を身につけ、
火事が起きないようにと家々に水をかけて回り、
身に着けている藁を屋根の上にのせておくと
魔除けになると言われている。
 
宮城県「米川の水かぶり」や
赤い仮面の神に
木の枝で叩かれると厄が払われると伝えられる
鹿児島県「薩摩硫黄島のメンドン」もその継承が危ぶまれている。

子供の顔や体、車や家の中にも泥を塗り
無病息災を祈願する沖縄県・宮古島の「パーントゥ」。

近年、祭りを知らない観光客から
「服を汚された」「抱きつかれた」といった苦情が入ったり
パーントゥが観光客の男性から暴行を受ける事件も起き、
後継者問題だけでなく観光という観点からも
継承が難しくなっているという。

(山本アナ)
「地元の人たちが集まってこちらの町内会館で
 ナマハゲの年末の行事に向けて打ち合わせを行われているということなんです。
 どんな様子なんでしょうか」

年々、人口が減少している秋田県男鹿市・羽立駅前地区。

(鎌田さん)
「ちなみに今、高校生っているんですか?」
(安藤さん)
「いねー」
「やばいね」

伝統を守りつなげようと取り組んでいる鎌田直哉さん。

(山本アナ)
「昔はどういう人がやるものだったんですか?」

(鎌田さん)
「昔は40代とか、基本は未婚の男性」

(山本アナ)
「まさに33歳、独身」

(鎌田さん)
「最近は未婚とかも言ってられないので
 去年は私と町内会長さんのお孫さんがやってくれて
 丁度そのお孫さんも関東に住んでて
 こちらに帰省してるときにちょっとやる人いないんでやって
 もらえませんかってお願いしたら、やってもいいですよって」

ナマハゲの面が古くなってしまったため
去年、新たな試みとして
初めてナマハゲの面を自分たちで作ろうと提案。
地域の子どもたちにも声をかけ、一緒に作った。

(鎌田さん
「たとえば眉毛に色ぬらせたりとか目玉に金色ぬらせたりとか
 手伝いを一緒にやることによって
 子供たちにもナマハゲの伝統を繋げる1つになるかなって」

面のデザインを考えた大谷心さん。
出身は兵庫県。
秋田に魅力を感じ、その中でもナマハゲの姿・形に惹かれて男鹿市で就職した。
 
大学で美術を学んだ大谷さんは鎌田さんの提案に賛同。
 
(大谷さん)
「ナマハゲを作れるっていうのはすごい嬉しくて
 ナマハゲに参加したいっていう人を
 キャッチできるようなコンテンツを作っていけたらいいなと思います」

しかし、課題は、後継者不足だけではなかった。
           
(鎌田さん)
「50世帯あるんですけど
 去年はお家に上がったのが1件と玄関先でお~ってやったのが9件なんですよ」

本来、ナマハゲは家に迎え入れる行事だが
最近、身につけている藁が落ちて家が汚れる、
お膳の用意が大変などの理由で
中に上げてくれる家が減っているという。

そのため家々を回るのではく
町内会館に地域の子供たちを集めナマハゲ行事を行ったり
新たに衣装を麻縄に変えるなど
伝統を途絶えさせないための試行錯誤を続けている。

長年、無形文化遺産を研究する早稲田大学の西村教授は。

(早稲田大学 西村教授)
「社会が変わっていくことについて止めることはできません。
 そうすると伝統の行事といえども
 少しずつ変わっていったのは当たり前です。
 柔軟に現代の社会の変化に対応しないとだめだろうと」

時代に応じて変化することも伝統を守っていく上で必要なこと。

登録発表の日。
そこには鎌田さんの姿が…
決定の知らせを受け安堵の表情を浮かべていた。

(鎌田さん)
「しぶとくナマハゲをやれる限りはずっと続けていきたいと思いますし
 きっとその姿を子供たちが見てることによって
 自分たちもナマハゲを繋げていこうって気持ちに
 きっとなってくれると思いますんで
 それがずっと繋がっていくために頑張っていきたいと思います」     

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