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特 集

2018/11/03

特集01

“中間テスト”まで3日 日本人が知らない米国の今

モンタナ州第2の町ミズーラ。
空港近くの空き地にできた1万5千人を超える長い人の列。
いったいこれは何の行列なのか?
すると、そこへ。

(トランプ集会参加のカップル)
「すごーい!」 
「最高だよ、エアフォース・ワンがこの空港に到着するなんて驚きだ。
 この瞬間を見られて光栄だね。」
「私、アメリカ人でよかった。」

この町に現職の大統領が訪れるのは約20年ぶりのことだという。
会場はお祭りムード一色に。

(トランプ集会の夫婦)
「トランプ大統領を支持している、彼はアメリカを再び偉大にした。」
「おかげで収入は増えたわよ、ていうかクレジットカードの限度額が上がったの。」

共和党候補の応援のため、全米をくまなく回るトランプ大統領。
集会は空港の格納庫で行われた。

(トランプ大統領)
「共和党政権のもと、アメリカは活気を取り戻し、繁栄の道を歩んでいる。
 アメリカは勝利しているのだ。
これは我々がアメリカ第一主義を掲げた成果だ。」

いつものトランプ節に、つめかけた支持者はヒートアップ。

(トランプ大統領)
「今や民主党はあまりに極左化してしまったため、
 単なる過激な抵抗勢力と化してしまった。
 彼らの手にしているプラカードを見たことあるか?
 「抵抗せよ!」と書いてある。いったい何に抵抗するのか、尋ねたら
 「わからない」と答えたそうだ。」

会場の外では、トランプ大統領の支持者と反対派のグループが衝突していた。

(支持者と反対派の争い)
「おい、なんでトランプが裏切り者なんだ、え、トランプが
 いったい何したっていうんだ?」
「ロシア疑惑だ。」
「ロシア?なんだそれは?」
「トランプはロシアと結託してたんだよ。」
「おいおいおい、何か証拠でもあるのかよ!」
「トランプは人口の1%の富裕層を守ることしか考えていない。」
「そうか、よーし、こっちにだって言い分がある。」
「お前らだってトランプの悪口を言いたい放題じゃないか、
 いいか、トランプはオンナの権利を守ろうとしていないとか言ってたな。」
 「お前は女には男以上の権利があるとでも思っているのか?」
 
一方こちらはミズーリ州ニュー・マドリッド。
ミシシッピ川に近い、人口1万8千人ほどの街だ。

かつてアルミの精錬工場が、地域の経済を支えていたが、
中国からの低価格製品に市場を奪われ、2年前に工場は閉鎖に追い込まれた。
しかし、トランプ大統領が実施した関税政策を受け工場が再開、従業員の採用を始めた。
不景気にあえいでいた街は息を吹き返した。

(ニュー・マドリッドの住民)
「地域の経済は復活しているよ。」
「人が戻ってきて町でお金を使っているからね。」

一方で、ここは全米有数の大豆の生産地でもある。
地元では関税政策に賛成する意見が多数を占めていたが、
中国の報復関税の影響は無視できないという生産者も多い。

(大豆生産者)
「値段が全体的に下がり、大変な状況になっている。」
「去年と比べると1ブッシェル3から4ドルくらいの値下がりになる。」

この地域で収穫する大豆のおよそ70%が中国向けだった。
報復関税の影響で価格の下落は過去最大になる見込みだ。

トランプ政権は9月からおよそ5千億円の補助金の交付を始めたが、
生産者個別に送られる小切手の金額では焼け石に水だという。
それでも…。

(大豆生産者)
「トランプ大統領はビジネスマンだからうまくやるさ…。
 でも1~2年くらいは我慢しなければならないかもね。」

トランプ関税によって被害を被っても共和党への支持は変わらないという。

最新の調査ではトランプ大統領の支持率は40%台で推移、
共和党内ではその8割以上がトランプ支持が堅固な「岩盤支持者」だ。

今回の選挙ではトランプ支持を前面に打ち出し、
選挙戦を戦う共和党の候補者が目立っている。

(ブライアン・ケンプ)
「ブライアン・ケンプです。
 銃とチェーンソー、そしてこのトラックで悪い移民からこの地を守ります!」
 
共和党のジョージア州知事候補ブライアン・ケンプ氏は
トランプ大統領を真似たような過激な発言で選挙戦をリードしている。

これまで反トランプ派だった共和党候補も選挙戦を勝ち抜くため、
トランプ氏の政策をそっくりそのまま訴え、「ミニトランプ」化した者も多い。

トランプカラーに染まる共和党。
しかし、ワシントンやニューヨークなどの都市部に移ると、有権者の声は様変わりする。

(NYの男性)
「民主党に投票するよ、今の政府にはバランスが必要だからね。」

(NYの有権者)
「共和党の政策にはまったく賛成しない。特にトランプにはね。」

(DCの女性)
「民主党に投票するわ。」
「私は看護師で、医療保険の問題には深く関わっているの。」
「オバマケアを廃止したことは大きな間違いだわ。」

トランプ大統領の勢いを何とか食い止めたい民主党だが、
候補者の主張や顔ぶれにはある変化が。

ニューヨークでは、全く政治経験のない人種的マイノリティの女性が
民主党の予備選挙で現職の大物議員を下すという離れ業をやってのけた。

(オカシオ・コルテス氏)
「あら、会えてよかったわ。元気?」
(女性)
「元気よ、キャンペーンの方はどんな感じ?」
「いろいろ考えて、ベストを尽くしているところ。
 とにかく出来ることは全部やって、初めての中間選挙に備えてゆくわ。」
(女性)
「有権者の反応はどう?」
「すごくいい、見て、ここに集まった人たち、みんな活気にあふれているでしょ。
 中間選挙は勝つだけじゃなくて、
 最終的には下院を私たちの手に取り戻せるものと信じてるわ。」

アレクサンドリア・オカシオ‐コルテスさん29歳。
クィーンズやブロンクスを中心とした有色人種や
低賃金労働者の多い選挙区で皆保険制度や最低賃金の
底上げの必要性を訴え、選挙戦を戦っている。

現地で取材する日本人ジャーナリストによると
自らをソーシャル・デモクラッツ、社会主義的民主党員だとして、
環境や福祉問題でより踏み込んだ政策を掲げている。

(オカシオ・コルテス氏)
「私の公約は3つ。
第一に今の最低賃金を15ドルに引き上げます。
第二に全ての人に医療保険を提供します。
第三に子供が安心して暮らせる環境を整えます。」

ヒスパニック系移民の家庭に育ったコルテスさんは、
大学卒業後は教育関係のボランティアをしながら
立候補直前までニューヨークのレストランでバーテンダーをしていた。

(コルテス氏の元同僚)
「立候補するなんて知らかったわ。
 彼女がバーニー・サンダースの政治活動に加わるとは
 聞いてたんだけど、驚いたわ、
 まさか中間選挙にホントに立候補するなんて!」

これまで、企業からの献金を 一切受けず、
草の根運動で得た寄付金などで選挙費用を賄っているという。

現在民主党では、こうした左派系の思想や
候補者に対する支持が若い世代を中心に拡大。
民主党のイメージカラーの青から、この動きを「ブルーウェーブ」と呼ぶ人も多い。

(支持者女性)
「ブルーウェーブが起きてほしい。
若い世代が台頭し、社会全体がもっと多様性を持つようになるといいと思うわ。」

社会主義色を強める民主党とトランプカラーに染まってゆく共和党。
両極化は、アメリカ社会にますます深刻な影響を与えつつある。

(堀田佳男氏)
「実は昨日私はある政府関係者と話をしていた。
 その人は政府内でも組織の中でも友達の中でも家族の中でも
 右と左で分断していると、分断社会になりつつあると。」

今週行われたアメリカの一部メディアによる事前調査では、
民主党支持が共和党支持を17ポイントリード、
下院では民主党が過半数を超える可能性が高いとしている。

一方の上院では、改選される35議席のうち
共和党が有利な選挙区が多く、民主党が過半数を奪回することは難しい
というのが堀田氏の予想だ。

中間選挙を前に、ますます深刻化する社会の分断。
来週、アメリカ国民はトランプ政権にどのような評価を下すのだろうか?

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