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特 集

2018/10/13

特集01

視界良好? 自動運転の未来は

(トヨタ自動車 豊田章男社長)
「コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化…
 そういった技術革新によって、クルマの概念が大きく変わり、
 競争の相手も、競争のルールも大きく変化しています」

トヨタ自動車とソフトバンク。
日本を代表する巨大企業が先週、共同出資で新会社を設立すると発表した。
新会社の事業は、自動運転による乗合サービスなどの開発。
大きな反響を呼んだ。

これからはクルマを売るだけでなく
人やモノを移動するサービスに大きく業態が変わる可能性があるという。
そうしたサービスの実現に欠かせないのが「自動運転」の技術だ。

今、自動車メーカーだけでなく、
グーグル、アップル、ウーバーなどのIT企業が世界で開発競争を繰り広げている。

こうした中、
運転手がいらない「完全自動運転」が可能な未来の車両が発表されると聞き、
我々はスウェーデンへ飛んだ!

(サミュエルソンCEO)
「これは単なるアイディアではありません。
 これは近い将来我々が展開するボルボのビジネスです。」

「360c」と名付けられたこのクルマ、
 ハンドルもアクセルも、そしてブレーキさえもない。
 すべてクルマが自律走行する「完全自動運転」の電気自動車だ。

シートはスイッチひとつでこのようにフルフラットのベッドに。
また、このブランケット、緊急時にはシートベルトのように乗員を固定し、
ケガなどから守る構造になっている。
ユーザーはベッドでぐっすり眠ったまま目的地まで移動できる。

ボルボはあえてこれを個人には販売はせず、
運送サービスの会社などにレンタルするのだという。
「買う」から「シェア」へ、
いわゆる「マーズ」モビリティ・アズ・ア・サービスという考え方だ。

ユーザーは好きな時間に好きな車両をタブレット端末で呼び出す。

すると最寄りの車両がユーザーの待つ場所へと自律走行を開始。
もちろんそこに運転手はいない。

道中、不意に道路を横断しようとする歩行者がいれば、
すぐさま警告音を発しながら減速し停止。

安全が確認できると再び加速しユーザーの元へと向かう。

ユーザーを乗せたクルマは最適なルートを選び目的地に向かうが、
緊急工事などに遭遇した場合は、障害物を正確に把握し車線を変更したり…

自転車を追い抜く際には、運転する人に光や音で注意を促す。

こうしてユーザーを送り届けると、次のユーザーの元へと向かってゆく。

(エクホルム副所長)
「運転から解放されることで、
 例えば本を読んだり、残った仕事を移動中に片づけたり、
 家に帰るときには 家族や子供との時間をたっぷり楽しんだりと、
 このサービスのメリットは大きいと考えています」

ボルボは、15年後の2033年には
このサービスを開始したいとしているが、
安全基準や交通ルールなどメーカーだけでなく、行政側にも高いハードルがある。

自動運転の安全基準は、
レベル1からレベル5まで分類されている。
完全自動運転のボルボ360cはシステムが
全ての運転操作を行うレベル5の車両となる。

事故が起きた場合、その責任はシステム側、サービス提供者側が負わなければならない。

今、世界各国で走行が認められているのは
高速道路など特定の条件で車線を維持したりするレベル2の車両だ。

そして、条件付きの自動運転を可能にするレベル3の安全基準の策定作業が今
急ピッチで進められているという。

レベル3を見据え、より高度な機能を搭載したレベル2の車両が、
ヨーロッパの高級車メーカーから相次いで発売された。

メルセデス・ベンツは「インテリジェントドライブ」という
最新の自動運転機能を搭載した車両を日本市場に投入。

今回、モータージャーナリストの清水和夫氏とともに、高速道路で走らせてみた。

(清水和夫氏)
「現在の状態は前後の加速とカメラによる白線で
 車線を維持するレベル2の状態」

このクルマは前方だけでなく、
常に後方も監視するカメラとレーダーを装備。
ハンドルを操作せず、
ウインカーを出すだけで隣のレーンに移動する高度なレベル2の自動運転が可能だ。

(清水和夫氏)
「今非常に混んでいて左の車線が開いていますから隣の車線に…
 ウインカー出しました。
 私はハンドル切ってないのですが、
 自動的にハンドルを切って自動的に戻して、はい、隣のレーンに戻りました。」

こうした機能が付いたクルマでは
一定時間ハンドルから手を離した場合、
警告音や警告ランプで運転手に知らせる。

(清水和夫氏)
「法律的にレベル2はどんなに自動で走れても
 前方を監視する義務があって事故が起きたときはドライバーの責任です。」

次に清水氏と向かったのは栃木県にあるテストコース。
ここで、今後レベル3の安全基準に必要とされる機能と同等の機能が、
すでにこのクルマに搭載されていることを確認できた。

(清水和夫氏)
「ここはテストコースなのであえてハンドルから手を離します。
 この車線どうかな?と思ったがちゃんと回ってゆきますね。
 ハンドルから手を放しているのでここにアラームが出ていますね。
 ハンドルを持ってくださいとアラームが出ています。
 その頻度がどんどん増えてゆきますね。
 今手も足も全然操作していない状態ですね。
 はい緊急停止作動、緊急停止作動。アラームが出て、音が鳴って
 自動的にブレーキが踏まれてハザードランプがついて完全に停止しました。」

これは運転手が運転に全く関与しなくなった場合
車両を安全に停止させるミニマム・リスク・マヌーバーという
レベル3に設定される機能だ。

そして次の瞬間…。

(クルマのスピーカーから)
「24時間緊急通報サービスセンターです。
 どうなされましたか?」

クルマは運転手に異変があったと判断し
自動的に緊急通報センターに電話をかけた。
オペレーターは状況に応じ、救急車を要請するなど必要な措置をとることになる。

政府はレベル3の安全基準を2020年をめどに策定したい考えだ。

(国交省・久保専門官)
「国連の会議の場で自動運転に関する基準の策定の作業をしている。
 そういった議論の場で日本は議長職や副議長職を務めながら
 策定への議論を主導している。」

(ボルボ・イバーソン氏)
「日本とスウェーデンは安全対策の分野では世界の最先端にいます。
 長期間に蓄積した両国のデータは、
 今後の安全対策に大きく貢献できるはずです。
 私たちボルボは360cというクルマを開発しましたが
 しばらくは人間の運転する車両と混在することは避けられないと思います。」

国土交通省によると交通事故のおよそ97%は
運転者のミスによるものだという。
自動運転は交通事故や渋滞の大幅な削減だけでなく、
運転手不足や公共交通の補完手段としても大きな期待がよせられている。

(清水和夫氏)
「将来ドライバーが苦手としているところ、
 単調な運転は眠くなってきちゃう、そこはシステムに任せる。
 しかし複雑な状態になったら
 かえってシステムは苦手だから人間が判断した方がいい。
 そこをうまく人とシステムがスイッチのように切り替えるのではなく、
 うまくハーモナイズして、調和して、テニスのダブルスのような状況が
 しばらく続くのかなと思う。」

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