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特 集

2019/02/16

特集01

「農業女子」の奮闘に密着! ~農業にも働き方改革!~

(農業法人「ドロップファーム」三浦綾佳さん)
「女性が魅力に感じる働き方ができる分野としても
 農業はすごく将来性があるなと…」

(「みゆき牧場」上別府美由紀さん)
「(畜産の)汚いくさい…休みもないっていう
 そういうイメージを全部変えたい!」

高齢化が進み、岐路に立たされる日本の農業。 
「キツイ、汚い、稼げない」
そんな農業のイメージを変える『農業女子』たちの奮闘に密着!

キーワードは「働き方改革」!
「キレイ、感動、稼げる!」
「農業女子」が日本の未来を明るくする! 
 
先月、都内で開かれた「女性の就農」をテーマにした講演会。
農業での起業を目指す女性たちが集まっていた。

(「ドロップファーム」三浦綾佳さん(29))
「本当に女性が輝けるワークライフバランスが
 実現できる職業って意外と農業ってアリなんじゃないかな?って。」

農業法人を経営する三浦綾佳(みうらあやか)さん。

茨城県・水戸市。中心部から車で20分ほどの
山あいに、三浦さんの農場「ドロップファーム」はある。

生産するのは、色鮮やかな「ミニトマト」。
このトマト…只のトマトにあらず。甘さを測ってみると‥

(糖度計る‥「10.3」)

(三浦さん)
「通常の大きいトマトだと(糖度)4~5位。
 8度いけばかなりおいしいトマト」

糖度は一般のトマトの2倍! 
美容に良いとされるリコピンも豊富な
ドロップファームのトマトは、「美容トマト」として、
あの「銀座三越」でも取り扱われる人気商品だ。
その美味しさの秘密は、独特の「生産方法」にあった。

(三浦さん)
「こちらが農場になります…」

(ディレクター:普通の農場と違う感じが…?)

(三浦さん)
「通常は土にトマトって埋まっていると思うんですけど、
 弊社の場合はこのフィルムに根っこを生やしているんです。」

三浦さんの農場では、「アイメック」という、
人工透析の技術を応用した土の代わりに
特殊なフィルムを用いる最先端の農法が使われている。

(三浦さん)
「根っこの部分が見えるのって人間でいう
 内臓が見えている様なものなので。凄く管理がしやすい」

トマトの状態は、最新のセンサーでデータ化され、
水や養分の供給、室内の温度調節といった、
栽培に必要な技術の多くは機械によって管理されている。
その状況は手元のスマートフォンでいつでも把握することができる。

20代は、都内で広告代理店に勤務していた三浦さん。
結婚と出産をきっかけに、「仕事と家庭の両立」を
農業で実現しようと決意した。

(三浦さん)
「通常(従来)農業って「10年経験がないと」とか、
 経験の世界だったと思うんですよ。
 でも広告の仕事をしていたときにICTとか
 最先端の農業に触れる機会があって‥
 これまで自分が抱えてた農業のイメージと変わっていた。」

農業で輝ける会社をどう作るか。
三浦さんが取り組んだのは
「女性が働きやすい職場環境づくり」だ。

従業員のほとんどが女性のドロップファームでは、
「フレックス制度」と呼ばれる、
出勤日や勤務時間を自由に選択できる仕組みを導入。

仕事と子育ての両立や、
趣味の時間が作りやすい労働環境を整えている。

(女性従業員)
「今まで経験したなかでも働きやすいです。
 家に帰ってからの時間もたっぷりとれるので。」
「子供が調子悪いときとかも
 休むことができるのでありがたい。本当に感謝してます。」

(三浦さん)
「女性はライフステージの変化がすごく大きい。出産もそうですし。
 働くという価値観がライフステージごとに変わっていく。
 その価値観をどううまく経営者が吸い取って
 会社の方針に適応していくかが大事だと考えています。」

顧客と直接繋がり、商品開発やマーケティング、
製品化から発送作業まで、全て自分達でデザインする。
「6次産業化」と呼ばれる「新時代の農業」のカタチだ。

そしてここにも「女性ならではの強み」が…

(三浦さん)
「これもともとティラミスを入れるパッケージなんですよ。
 (従来の)野菜を入れるパッケージって
 すごく機能性には優れているんだけど、
 「おしゃれ感」ってあんまりなくて…」

どうすれば商品の魅力を顧客に伝えられるかを
従業員自身で考えることが、
「働く楽しさ」に繋がると三浦さんは言う。

(三浦さん)
「(農業を)一つの仕事としてとらえたときに、
 やはりネガティブなイメージだと定着しない。
 一般企業と変わらない、他の分野と変わらない形で
 農業も働けるというイメージをどんどん作っていかないと、
 やはり新規就農者って増えないと思いますし…」

農水省が推進する
「農業女子プロジェクト」のメンバーでもある三浦さん。
「農業女子会」で同業者が繋がることでの情報交換や
SNSを活用した農業の魅力の発信を国もサポートしている。

(農水省 就農・女性課 女性活躍推進室長)
「(農業の)担い手の確保というのは喫緊の課題。
 若者であり、女性であったり、あるいはどんな方でも
 働きやすい魅力的な職場環境作りというのは必要だと思っていまして、
 その中で「働き方改革」を進めるというのは重要だと考えています。」

次世代に繋がる「働きやすい農業」への改革。

茨城県・牛久市の「イオンアグリ農場」。
流通大手「イオン」の農業法人として、
全国21の農場で野菜や果物を生産。
従来とは全く違うアプローチでの農業に挑戦している。

(従業員出勤)
「おはようございます~」

毎朝、農場の従業員たちが行うのは、
ICカードでの「出勤時間のチェック」。

天候などの自然環境に左右されやすい農業の世界は、
これまで「残業」や「休日の取得」については、
労働基準法の「適用外」とされてきた。

しかし、イオン農場では、農業でも一般企業と同じ労働基準を適用。
原則「残業ゼロ」を掲げ、従業員が決められた休日や長期休暇を
きちんと取得できるよう労務管理が行なわれている。

入社2年目の英(はなぶさ)日菜子さん。
大学までは農業とは無縁だったが、就職活動で
「農業に携わる仕事に就きたい」と考えるようなった。
イオン農場の一般企業と変わらない労働環境に大きな魅力を感じたという。

(「イオンアグリ」英日菜子さん)
「普通に会社員として働いているという感覚なので、
 農業者というよりはサラリーマンになるんですかね。
 休みが多いというのは長く続けるためにも
 すごくありがたい仕組みだなと思ったので。」

イオン農場では、若い社員が地元の農業経験者らとともに
世代を超えたコミュニケーションを取りながら生産を行う。

(従業員)
「(英さんは)凄いなと思う。
 汚れる仕事嫌がらないで頑張ってるなぁと思って。
 若い人が(農業を)やってるというのは頼りになるよね。」

イオン農場では、創業当初から
農業分野の国際規格である「グローバルGAP」を取得。
「食・環境・労働」の3つの安全についての
200項目以上の国際ルールに則って生産を行うことで、
生産者のレベルに左右されずに高い品質を維持する環境を整えている。

社員たちには、経営学や法律などについて学ぶ研修も定期的に実施。
農業分野でのリーダー育成にも力を入れる。
近年の採用では、入社希望者は採用予定数の「100倍」に達した。

(「イオンアグリ創造」福永庸明社長)
「こんなに若い子が農業やりたいって沢山いたんだ!と。
 若い子らがどれだけ農業が好きでも
 四六時中ずっと働いてくださいっていう訳にはいかないですよね?
 それぞれの志とか、ビジョンというのがあって、
 そのモチベーションをずっと維持してあげることっていうのが
 一番大事だと思う。」
 
「モ~~~」

農業に芽吹く「改革の風」。
「農業女子」の活躍の場は、畜産の世界にも…

去年、5年に一度の品評会で、
「日本一」の称号を得た畜産王国・鹿児島県。

鹿屋市で「みゆき牧場」を経営する
上別府(かみべっぷ)美由紀さん。
黒毛和牛の生産農家として、200頭を超える牛を育てている。

男性のイメージが根強い畜産の世界で、
そのスタイルは「異色」だ。
作業に使うトラックは女子力高めの「ピンク色」!
スポーティーな作業着を颯爽と着こなし…ネイルもバッチリ!

(上別府美由紀さん(37))
「農業だからって見た目で農家でしょ?って言われるのが
 凄くイヤで…農家だからちゃんとキレイにしなきゃ!とか
 オシャレしてこういう所から楽しまなきゃ!って…」

祖父の代から畜産農家を営んでいた美由紀さん。
独立した当初から、この世界には、
「もっと女性のチャンスがある」と感じていた。

(上別府さん)
「(独立した時に)他の農家さんの所にも
 見学に行ったりしてたんですけど…そしたら、
 農家の「奥さん」の方が実際は牛の世話をしてるんだなって。
 やれるっていうより、女性の方が向いてる仕事だって思った。」

挑戦したのは「畜産のイメージを変える」農場作り。

牛舎には、カメラなどのIT技術を積極的に活用。
牛の飼育状況が24時間、手元のスマートフォンで
把握できるようになっている。

生産農家にとって最も神経を使う
母牛の出産には、最新の「体温センサー」を導入。

(上別府さん)
「(母牛の)お尻にセンサーを入れてあるので、
 出産前日に「明日この牛が産む」とわかる。
 全然生活が変わりました。これのおかげで。
 予定も立てられるようになったし、
 自分の時間が作れるようになったのが大きい」

従来は手作業で、重労働だった糞の掃除も、
牛舎の造りを改良し、重機を使って
短時間で済むように工夫をこらした。

(上別府さん)
「楽しいですよ。あと何回で全部すくえるかな?…みたいな」

「畜産の楽しさをもっと若い子たちに伝えたい」。
美由紀さんは、畜産を志す学生たちを
研修生として定期的に農場に受け入れている。

地元の農業高校に通う春田育美(はるたいくみ)さん。
高校では畜産を学んでいるが、農場での研修は今回が初めてだ。

(春田育美さん(17))
「すごい大きなところで勉強できるので、
 たくさんのことを学んで帰りたいと思っています」

(上別府さん)
「全然怖くない?」

(春田さん
「はい。」

(上別府さん)
「慣れてるね~」

牛たちを慣れさせ、清潔に保つ為のブラッシング。

(子牛を呼ぶ春田さん)
「はるみ~」(来た来た…)

牛一頭一頭とスキンシップを取りながら
楽しく育てるのが、みゆき牧場のモットーだ。

(上別府さん)
「女の子で牛やりたいって言ってる子っている?」

(春田さん)
「農大希望の人が結構います」

(上別府さん)
「そうなんだね~!」

(春田さん)
「女子はほぼ非農家なので、そこから農大希望の人たちがいます」

(上別府さん)
「うれしいですね!どんどん女子を増やさないと!って思ってるので…
仲間を増やさないと。男性に負けられないって。ね?」

(春田さん)
「はい!」

2週間の現場での研修。最後に美由紀さんは
「とっておきの場所」に、春田さんを連れて行った。

1ヶ月に1度開催される、鹿児島牛の「競り市場」。
全国から買い付け業者が集結し、
1年間、大切に育てあげた子牛が売られる、
生産農家にとっての「晴れ舞台」だ。

もちろん、春田さんにとっては初めての体験。
子牛といっても200キロをゆうに超える体を、
競りの会場へと懸命に引っ張る。

刻一刻と迫る、緊張の瞬間…

そしていよいよ、
春田さんの引く仔牛が会場に…

<競り~落札>

無事、良い値段で売れた仔牛。
ここに、また一人、農業の未来を輝かせる若い力が…

(春田さん)
『技術とか専門的なことを学べたので、すごく良かったです。』

(美由紀さん)
「頑張ったね~!」

「絶対に育美ちゃんは牛飼いに向いていると思うので、
 ぜひぜひ(将来)牛に携わる仕事をしてほしいと思います。」

「優しい眼差し」と「感動する心」こそ原点!
もっと「女性が輝く農業」へ!

(美由紀さん)
「スタッフにも楽しみながら仕事をやってね!
って言ってるんですけど。
楽しく過ごさないと人生もったいなくないですか?
一人でもそんな子が増えてくれることが目標ですね!」

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