ウェークアップ

毎週土曜 あさ8時〜

辛抱
ウェークアップ

特 集

2019/06/15

特集01

次世代通信規格「5G」が作る未来

先月、都内で行われた展示会。
NTTドコモの特設ブースでは。

(山本隆弥アナウンサー)
「本当だ。車いすレースの本物だ。」

VR、バーチャルリアリティで臨場感あふれる車いすレースを体験できる。

(山本アナ)
「こんなに早いのですか」

使われているのは5Gの技術。情報量の多いVRの遠隔対戦が可能になる。

(山本アナ)
「来年春、いよいよ本格的なサービスが始まります。
次世代通信規格5G。どんな分野、どんな技術に応用されるのでしょうか?」

次世代通信規格「5G」。
5世代目の移動通信システムのことだ。

1980年代。ショルダーフォンや車載電話が登場。
これが第1世代=1G。
そこから、移動通信はおよそ10年毎に進化してきた。

2GはPHSを含む携帯電話。電子メールやインターネットの利用が可能となり、
3G、そして4Gと進化する中で動画や様々なアプリなど
大量のデータをやり取りできるように。

5Gには3つの特徴がある。
通信速度は4Gの100倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる超高速通信。

送られてくる映像など情報のズレを感じない超低遅延。
スマートフォンだけでなく車や家電、産業用のロボットなどが接続できる同時多接続。

(大阪大学大学院工学研究科 三瓶 政一教授)
「変わるレベルじゃないです、革新されます。」

5Gは身の回りだけでなく社会全体に大きな影響を与えるという。

(大阪大学大学院工学研究科 三瓶 政一教授)
「自動運転に携帯電話を使う、それから、工場の機器にも積極的に
 携帯電話のネットワークを導入して、いろんなものを自動化する。
 今までつながっていなかったシステム自体に携帯電話(ネットワーク)を
 つなぐことで、我々の生活空間にあらゆるものを便利にする中核技術として、
 携帯電話の第5世代を取り扱う時代に変わりつつある。」

例えば、スタジアムにいながらタブレット1つで
自由な視点からのスポーツ観戦が可能に…。
新たなテクノロジーでこれまで実現できなかったことが可能になる。
さらに。

(山本アナ)
「手術台も再現されているブースで興味深いんですけども。」

(NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 南田智昭課長)
「5Gを用いた遠隔医療の試みを紹介しています。」

5Gを使えば、手術の手元の映像はよりきれいで遅れもほぼなく、
患者の状態を示す大量のデータを遠隔地に送ることができる。

(NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 南田智昭課長)
「これを5Gで飛ばすことで高度医療を持つ専門医がどこにいても
 その手術室の方と会話をしながら、高度医療(の質)を上げることができる。」

次に、拡張現実・ARを活用した新たな乗車体験も。

(アバター)
「こんにちは。」

移動する車の中に遠隔地にいる人がバーチャル映像として乗り込んできて、
一緒に過ごせるというシステムだ。

(NTTドコモ 5Gイノベーション推進室 南田智昭 課長)
「その土地に詳しい方をバーチャルで呼び出して
 深い旅を提供することもできる。今までできなかった人とのつながりを
 バーチャルな世界を通じて移動体験自体も膨らんでいく。」

こちらの映像、前を走る車によって、
現実には見えないはずの歩行者がなぜか透けてみえる。

車同士を5Gのネットワークで結んで、前を走る車についた前方カメラの映像と
自分の車からの映像を瞬時に合成できるという。
 
この技術を確立できれば交通事故防止に役立つと期待されている。

5Gの到来はあらゆるものがインターネットにつながる、
いわゆるIoTがさらに進む時代となる。

総務省が公開している映像には、5Gの未来が描かれている。

地方で自動運転の車が走り、
農作業では、遠隔操作でドローンに指示を出す。

旅の途中、海外からの旅行客に道を尋ねられても、
リアルタイムで自動翻訳が可能となるのだ。

そして、活用分野は製造業にも。

積極的なのがドイツの自動車メーカー・アウディ。
作業ロボットを無線制御で稼働させるなど、自動車生産への導入を計画している。
床や天井を通るケーブルがなくなれば製造ラインを柔軟に変えることができ、
生産性の向上につながるという。

イギリスの調査会社によると、5Gの経済効果は2035年までに世界全体で
およそ1300兆円。

この覇権をめぐり、アメリカと中国が今、火花を散らしている。

トランプ大統領は「安全保障上の脅威」と位置づけ
中国の通信機器大手ファーウェイの市場からの締め出しを狙う。
さらにセキュリティー上の問題があるとして
ファーウェイ社の通信機器を使わないよう友好国に働きかけている。

これはアメリカにとって中国が仮想敵国だからだと専門家は指摘する。

(経済ジャーナリスト 渡邉哲也氏)
「中国には「国家情報法」という法律があって、
 中国人や中国企業は中国政府のもとめに応じて、
 すべての情報を提供しなくてはならないという法律がある。」

5Gであらゆるものがインターネットにつながる時代、
中国の機器を使うことで避けられないリスクがあるという。
 
(経済ジャーナリスト 渡邉哲也氏)
「携帯電話は一定期間でアップデートをしますよね。
 システムをアップデートする際にホールという穴や
 バックドアといって中に入れるような仕組みを入れることができる。
 最初が(出荷当時が)安全だからといって、
将来の安全が保障されているわけではない。」

その余波は日本にも広がっている。
先月、携帯大手3社がファーウェイ製品の新機種発売の延期や予約受付を中止した。

都内にある携帯電話の中古販売店を訪ねてみると。
 
(携帯市場 粟津浜一 代表取締役 CEO)
「ファーウェイ端末全品(買取り)100円になります。
 グーグルがソフトウェアの提供をストップをする報道が出て
 リスクがあるということで買取金額を100円にしています。」

今後、ファーウェイの新製品では「Gメール」や「ユーチューブ」などを
利用できなくなる可能性が。

(携帯市場 粟津浜一 代表取締役 CEO)
「ファーウェイ端末は非常に魅力的で売れていたので、
 今回の件で消費者も私どもも落胆している。」

米中の対立に翻弄されながらも5Gの実用化は着実に近づいている。
この革新的な技術によって数年後、私たちはどんな暮らしを送っているのだろうか。

BACK NUMBER

btnTop