宇宙兄弟

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#85

2013年12月7日
「月面にいた」

NEEMO訓練も9日目を迎え、ようやく六太たちが注文していた資材が届く。しかしその中に、六太には覚えのない『水の入ったボール』があった。それは、ケンジが六太を見習って、時間削減のために注文したもの。
復活したケンジのやる気もあり、六太たちは最初の計画通り、大容量通信アンテナ、ローバーなどの充電ポスト、シャロンの月面望遠鏡の3つを制作することにする。

やる気に満ちたケンジは、常に時間短縮、作業の効率化に結び付くアイデアを出し続ける。さらに呪文のように『スーパンダマン』言葉を発してはニヤけていた。それでも本当は、ケンジも六太と同じ気持ちだった。
忘れたわけじゃない。思い出さないようにしているだけなのだ。
どちらか一人だけが、月にいけるということを。
ケンジと共に力を出し合った時こそ、いろんな事がうまくいく。
どういう結果になっても、2人は最高のパートナーだ。

しかしその夜、シャロンからとても辛い、悲しい報告が入る。
月面望遠鏡を月で建設するという案は問題点を多数指摘され、NASAの協議の結果、不採用となってしまったというのだ。

この報告を聞き、六太は電力不足で暗くなっているアクエリアス内で、さらに心をどんよりさせていた。それでも、余った時間を無駄にしないために、別の設備を考えようとするが——?

NEEMO訓練も終盤にさしかかった頃——。
六太のもとに、シャロンから連絡がくる。
いまは仲間と協力し、新たな月面望遠鏡の建設案を考えている最中で、次こそNASAに認められるものを目指して、シャロンは諦めないという。

『It's a piece of cake!』

NEEMO訓練完了後——。
NASAの会議室では、訓練成果を検討していた。
中でも注目されていたのは、六太が訓練終了間際に出した新設備案だという。

「ナンバ・ムッタは、この2週間、他の誰よりも月面にいた——」
土壇場で出したにも関わらず、見事だと評価された、六太の新設備案とは——?

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