宇宙兄弟

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#84

2013年11月30日
「スーパンダマン」

訓練3日目の午後、一度は諦めると言った大容量アンテナやシャロンの月面望遠鏡を、やっぱり作ろうと言い出した六太。しかし先輩飛行士のラブは、その意見を却下する。今後はSEV(海上ローバー)の運転訓練なども増えるため、 時間内には無理だと判断したのだ。

しかし六太は諦めず、海中に停めてあったSEVから、時間問題を解決する新しい案を閃く。そしてそれをすぐに、アンディに相談した。

「アンディの有り余ってるパワーがあれば……可能かな?」

NEEMO7日目——。
六太の新しい案は、アンディのおかげで順調に作業を進め、ほぼ完成することができた。それは、SEVの荷台に搭載する新しい荷台だった。実はこれまで、資材は海中にある資材置き場から、手押し車に積んで運んできていた。そのため六太は、積んで戻ってくるだけで2時間近くかかった運搬作業を、SEVの荷台で大幅に短縮しようという。しかもSEVにロボットアームを取り付けるため、4人は組み立て作業に集中でき、運搬はハミルトンに任せられることまで考えられていた。

NEEMO8日目——。
ハミルトンが資材を運んできてくれるおかげで運搬作業がなくなり、基地制作に集中できるようになった六太たち。人材も機材もフル活用することができ、管制からの評価も上がっているようだった。しかし、ケンジは悩んでいた。六太が時間を作ろうと必死だった時、自分が選ばれることだけを思っていたからだ。
これから何を考えていけばいいのか、わからなくなっていた。

そこでケンジは、六太と話すことを決めた。
アンディに話しを聞いて、先のことを考えることをやめ、今を大事に考えることにしたという六太。六太の無理なことに挑戦していきたいという考えに、ケンジは、自分の娘・風佳が思い描いたヒーロー・スーパンダマンの姿を思い出していた。ケンジを励まし見送ってくれた風佳のためにも、ケンジは無理して頑張るヒーローになることを決意した。

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