宇宙兄弟

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#81

2013年11月9日
「一番の敵」

月面ローバーの改良案が評価された六太と、ケンジ、新田を含む12名の飛行士たちは、憧れの月を目指すため、過酷な訓練を始めようとしていた。それは、通称・NEEMO訓練(NASA極限環境ミッション運用訓練)というもので、海底に造られた仮想月面基地で、約2週間のシミュレーション生活を送るのだ。

フロリダの海底20メートルの深さに設置されたNEEMOの施設は、地球上でもっとも月面を再現できる場所だった。居住施設は全部で3つあり、六太は2つ目の施設・AQII(アクエリアス・ツー)に、ケンジと一緒に入ることに決まった。

ダイビングスーツで潜水し、六太とケンジが海底施設に入ると、そこにはすでに、2名のベテラン宇宙飛行士と、1名のダイバーが待っていた。リーダーのジョージ・ラブ(宇宙飛行士)と、巨大な身体を持つアンディ・タイラー(宇宙飛行士)、そして海が大好きなハミルトン(技術支援・ダイバー)である。

NEEMO訓練1日目——。
一息ついたところで、ジョンソンスペースセンター・NEEMO管制室から初日の訓練内容が知らされた。それは船外(海底)に出て、月の重力を仮想体験するというものだった。

ラブの先導で、特殊な潜水服を着込んだ六太は、さっそく船外活動に勤しんでいた。自分の重さを調節しながら、月面を想定して動くのだ。最初はなかなか慣れない六太だったが、ケンジに励まされ、協力しながら、楽しい訓練初日を終えることができた。

船内に戻ると、ラブが今後の訓練内容について話し始めた。今後は船外活動が2割、残りの8割は同時に訓練をしている他2チームと競い合う形式になるらしい。チームの評価はそのまま月ミッションのアサイン順につながる可能性が高く、他のチームには負けられないという。六太は最強の味方・ケンジがいるから大丈夫、と自信満々の顔。

そしてNEEMO訓練2日目——。
地上の管制室から通信が入り、課題の内容が発表され——!?

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