宇宙兄弟

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#49

2013年3月17日
「リーダー新田」

最初の合同訓練はサバイバルだった。アスキャンの30名は、これから6日間、チームワークの理解を高め、自力で生活する術を身につけながら、70キロ先の目的地『アマリロ』まで歩くことになったのだ。

しかし、初日から最下位になってしまった六太たちE班。最下位チームは、1日の終わりに、リーダー以外の1人が罰を受けなければならない。どんな罰かわからない状況の中、六太は自ら実験台になるとカッコよく宣言する。しかしその表情は、実はこすい顔になっており……。

『どーせ罰が回ってくるなら、まだ体力のあるうちにやっとこう…!』
と思っていた。

最下位の罰の内容はシンプルだった。ジャスト1時間、気をつけの姿勢を保ったまま立ち続けるのだ。しかし、これが見た目に反してとてもキツイ。六太の両足はプルプルと震えがきていた。それを座って見守っているせりか、絵名、新田、アマンティ。ケンジは六太の傍らに立っていて、自分を責めていた。

「本当に……ごめんムッ君。遅れた責任は僕にあるのに」
しかし六太は言う。
「初日のリーダーを買って出たケンジはやっぱ……さすがだ」

見本があるわけではない、もし自分がやったら、何やっていいかも分からないままグダグダになっていたというのだ。言い終わり、ふと空を見上げる六太。一同の頭上には、満天の星が広がっていた――。

サバイバル訓練4日目。全体の半分まではきていたが、E班はまいだ最下位だった。この日のリーダーは新田。誰よりも早く宇宙へ行きたい新田は、順位がつけられるとわかっているものなら、全部トップを狙わなきゃダメだと焦り、飛ばしていた。

サバイバル訓練5日目。昨日のリーダー新田の「ふんばり作戦」が功を奏し、E班は4位に浮上していた。そして、誰も罰を受けずにすんだせいか、みんなの歩幅は、少し大きくなっていた。今日3位まで上がっておけば、明日1位になるのも可能だ。
リーダーは六太、張り切る一同だったが――?

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