宇宙兄弟

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#46

2013年2月24日
「せっかちやろうナンバーワン」

無事、宇宙飛行士候補生となり、青いジャンプスーツに袖を通すことを許された六太たちは、ヒューストンにあるNASAに向かうため、国際空港へと集まっていた。
これからの2年間、短期間で一流の宇宙飛行士になるため、各国の新人宇宙飛行士候補生と一緒に過酷な合同基礎訓練を受ける。

自分も負けられないと張り切る六太は、さっそく紫にもらったメール、『空港へ着いたらすぐジャンプスーツに着替えよう!』に従い、空港のトイレでジャンプスーツに着替えていた。
しかし、ジャンプスーツは宇宙飛行士の証、空港の広いロビー内では目立ちすぎる。

早くみんなと合流したいとキョロキョロする六太。
ようやくケンジたちと合流することができたのだが……六太以外は誰一人としてジャンプスーツを着ていなかった。

驚く六太、慌てる六太、焦る六太。
実は六太は、メールの文面を最後まで読んでおらず、見事に紫のいたずらに引っかかってしまったのだ。
同じメールを紫からもらったケンジは言う。
「僕なりに考えた結果……『最後まで見落とさず確認しろ』、すなわち、『常に注意深く物事を観察すべし』――という戒めと」
つまり、ジャンプスーツを着てくる必要まではないが、着ている気持ちでいろ、そして候補生としての自覚を忘れるなという意味ととらえたのだ。
すかさず、六太は心の中で突っ込んだ。
『そんな深い意味ねーよっ!』――と。

テキサスに到着すると、元気な小町がせりかたちを宿泊先のホテルまで先導した。
明日からは各自の部屋探し。
10日後には訓練が始まるため、それまで生活を整えなくてはならないのだ。

その夜――。
ホテルではなく、日々人の家に泊まることにした六太とケンジ。
ソファに座り、テレビを何気なく見ている六太に、ケンジが気になる発言を投げかけた。
「毎回この2年間の訓練中にさ……いや……やっぱいいや。ごめん」
その続きが気になる六太、しかし続きを訊こうにも、ケンジは答えず――……?

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