宇宙兄弟

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#45

2013年2月17日
「5人の青レンジャー」

月面で遭難するも、ギリギリの所で命を取りとめることができた日々人。
その無事を確認した六太は、日々人と交わした『一緒に月へ行く』約束を果たすため、これからNASAで行われる基礎訓練を前に、日本国内での新入社員研修とオリエンテーションを続けていた。

そんなある日、六太はシャロンに「見せたいものがある」と呼び出される。
天文台へと来た六太は、そこでシャロンから一冊のファイルを渡されたのだ。
それには月面望遠鏡の計画図が載っており、シャロンは嬉しそうに語りだした。

「やっと予算がこっちにも回ってきてね。ウチの天文チームが長年練ってきた計画が、ようやく動き出すのよ」

話を聞き、子どもの頃を思い出す六太。
シャロンが夢見る月面望遠鏡は、これまでの宇宙望遠鏡よりも遥かに遠い、深宇宙を見ることができるもの。
完成すればきっと世界の天文学は大きく飛躍し、新たな発見が相次ぐはずのものだった。
その上、シャロンには大きな願いがあったのだ。
亡くなった最愛の夫・金子進一が発見した小惑星、『シャロン』の姿を、少しでも大きく見たいと思っていたのである。
子どもの頃、六太がシャロンと交わした約束は、『自分が月へ行き、シャロンの望遠鏡を建てる』こと。
シャロンとの約束を再確認した六太は、『やるべきことはたくさんある!』と張り切っていた。

数日後、JAXAには、ブルースーツ姿の候補生たちが揃い、壇上に立った茄子田と紫が今後の予定を伝えていた。
いよいよ候補生たちは明日、日本を出発し、ヒューストンでの合同基礎訓練が始めるのである。
合同基礎訓練では、各国の新人宇宙飛行士候補生がNASAに集まり、一緒に同じメニューの訓練をこなすという。
低コストで、しかも短期間に一流の宇宙飛行士を育てるためのプランなのだ。
そこで出会う各国の強者は、六太と同じ同期生である。
それは、新たに自分の一番の仲間になり、一番のライバルになる候補生ということで――?

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