宇宙兄弟

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#06

2012年5月6日
「頭にまつわるエトセトラ」

 日々人の招きで、ついに宇宙の本場、NASA・ジョンソン宇宙センターを訪れた六太。月面基地や火星探査のジオラマ展示に子どものようにはしゃいでいたが、案内役であるジェニファーに日々人のトレーニング姿を見せられ、その心境は一変する。日々人は誰よりも激しいトレーニングをこなし、『サムライボーイ』と呼ばれる人気者だったのだ。

 その夜六太は、テレビ出演する日々人を、自室でぼんやりと眺めていた。 「日々人がサムライなら、俺はなんなんだ?」  努力家で人気者の弟と、兄でありながらふがいない自分を比べる六太。 「俺は……引き立て役。柿ピーの中のピーナッツくらいのもんか」  しかし日々人はそう思ってはいない。出演中、全米に向かって『自慢の兄・六太』を堂々と褒め称えたのだ。

 「ほめんなよ~! ピーナッツ兄を……!」 毛布をかぶって悶えていたところ、かつて勤めていた会社の元後輩から電話がかかってくる。その内容は、『元上司が六太の悪口をあることないことJAXAにぶちまけた』というもの。さらに『宇宙飛行士に向いてない』とまで言ったというのだ……。

 翌日。アトラクションコーナーでバンジージャンプをしながら、六太は子どもの頃に聞いたJAXA職員の言葉を思い出していた。 『宇宙飛行士になるには強い運が必要――私にはその運がなかった』  シャロンや日々人との約束を思い、辛い表情で宙を舞う六太。 「俺にもどうやら運がなかった――ちくしょー!」

 そしてJAXAでは、やはり六太が不合格にされそうになっていた。元上司の発言のせいで、『暴力沙汰を起こした過去をもつ男』にされてしまったからである。 「もともと南波君の方が優位だったのに、過去の過ちがねじれ伝わったせいで不合格にされてしまったら、運がなかったとしか言いようがない……」 子ども時代の南波兄弟を知る審査員の一人・星加は、六太が弟のために頭突きしたことを調べ、その決定に異議を申し立てようとしていた。

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