「一番の不安は子の将来でした」 北新地クリニック放火殺人事件が突き付けた遺族への経済的支援の壁…『犯罪被害者等給付金』の“欠陥”【かんさい情報ネットten.特集/ゲキ追X】

2021年12月17日、大阪・北新地にあった心療内科「西梅田こころとからだのクリニック」で起きた放火事件では、医師、スタッフ、患者ら26人が命を奪われました。クリニックでは、精神的な不調を理由に休職している、あるいは退職した人が再び職場に戻ることができるようにサポートするリハビリのプログラム、「リワーク」が行われていました。犠牲者の多くは、この「リワーク」中だったことが、残された人に大きな壁を突き付けることになったのです。
 亡くなった清水直樹さん(仮名)もクリニックに通っていた1人。責任感が強く“真面目過ぎる”性格だったという直樹(仮名)さんは心と体のバランスを崩し退職した後、「リワーク」プログラムに参加していました。直樹(仮名)さんの妻・清水恵さん(仮名)は共働きで幼い子どもを育てていましたが、事件直後から経済的な不安を抱えることになります。加害者は死亡しているため裁判で損害賠償を請求することもできない中、直面したのは国が遺族や被害者を経済的に支援するため設けている「犯罪被害者等給付金」の制度上の“欠陥”。「支給額は収入によって決められ、当時無職だったリワーク中の患者は大きく減額される」と告げられた清水さん(仮名)は「夫の命は軽いと言われるのと一緒と感じた」と訴えます。清水さん(仮名)は事件後、これまでにも多くの犯罪被害者が長年にわたり経済的支援の充実を訴えてきた実態を知りました。二度と同じ苦しみを抱える人が出ないことを願って、ともに声を上げて法や制度の壁に立ち向かう清水さん(仮名)の2年と救済の行方を、ゲキ追します。
(かんさい情報ネットten. 2023年12月12日放送)

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