【報道発信PJ】
JR大阪環状線一斉清掃
「かんさい情報ネットten.」取材の舞台裏

 この作品は、今年3月、関西などの大学生およそ250人が、大阪市の主要鉄道路線である‘JR大阪環状線’に沿って歩きながら「ゴミ拾い」する活動を取材したものです。
持続可能な社会を自分たちで実現する。「SDGs(持続可能な開発目標)」という国連が掲げる目標への若者たちのチャレンジでもあります。

 

学生たちが所属するのは、「国際ボランティア学生協会(IVUSA)」というNPO法人です。自然環境の保護や被災地での救援活動などに取り組む若者たちが、大阪市のゴミ問題に真正面から向き合う姿をカメラが追いました。
事前の準備から本番当日まで何度も彼らと会って取材を重ねた私は、毎回、学生たちの「意識の高さ」に感心させられることばかりでした。学生たちは、当日の清掃ルートを決めるために前もって、17周も環状線を歩いて回り、ポイ捨てや不法投棄されたゴミが多い場所をリサーチしていました。
またこの活動には、関西だけではなく、山形県や長崎県からやってくる学生もいました。全員が、「世の中の環境問題を解決したい」という意識をもち、とにかく‘楽しみながら’取り組んでいました。私は今年4月に社会人2年目になったのですが、恥ずかしながら「同じ世代なのに、なぜここまで意識が違うのか」と、彼らに対する興味は深まるばかりでした。

 

私も含めて「Z世代」と呼ばれる今の若者たちは、より大人の世代の方々から、「今時の若者は…」などと、時に厳しいまなざしを向けられることもあります。しかし、大きな夢や目標に向かって仲間同士で協力し、ひとつのことを成し遂げるために一生懸命に頑張っている若者たちはまだまだたくさんいます。そんな学生たちが笑顔でゴミを拾い集める姿は、とても爽やかで、キラキラと輝いていました。
 私がこの取材で彼らから学んだことは、「まずは目の前の問題について知る」。そして、「身近なことから少しずつ行動を起こすことの大切さ」でした。

 

 SDGsという壮大な目標の前では、「いったい何をしたら良いのか・・」とたじろいでしまう方も少なくないと思います。そんな皆さんもこの作品に出てくる若者たちの姿を見て、もし興味をもっていただけたら、「一緒になにかをやってみる」という選択肢もあるのではないでしょうか。それが私たちの社会を変えていく「大きな一歩」になるかもしれません。

 

報道局記者 山本真帆

NPO法人「国際ボランティア学生協会(IVUSA)」とは・・・

「共に生きる社会」の実現をビジョンに掲げ、全国の大学生約2,500名が「国際協力」「地域活性化」「環境保護」「災害救援」「子どもの教育支援」の5つの分野を軸に、国内外でボランティア活動を行っている団体です。