【EXPO2025 大阪・関西万博】
6月8日「世界海洋デー World Ocean Day」
「ブルーオーシャン・ドーム」

ブルーオーシャンドームのPR動画をご覧いただけます。©Taiki Fukao

大阪・関西万博の西ゲートゾーンで展開しているのが、『BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)』です。

BLUE OCEAN DOMEは、2019 年のG20 大阪サミットで発表された、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050 年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとした、来館者が楽しみながら環境保護の考え方を学べるパビリオンです。世界と日本の海洋テーマの最前線に触れ、魅力溢れる知的体験を発信しています。

知っているはずの水を、 まるで生まれて初めてみる物質のように
新鮮に感じ直す、超はっ水のインスタレーション

  • 竹のドーム空間に広がる”水の一生”の展示 ©Taiki Fukao
  • ©Taiki Fukao
  • ©Taiki Fukao

『BLUE OCAN DOME』は、3つの異なる建築素材からつくられたドームA・B・Cから構成されており、各ドームではそれぞれ「循環」「海洋」「叡智」をテーマにした展示・体験が展開されています。

 

1つ目のドームAのテーマは、「循環 Circulation」。

パビリオンを訪れる人々を出迎えるのは、  超はっ水塗料をほどこした真っ白な盤面を、 ころころ、さらさら、にょろにょろと 水がかたちを変えながら駆けめぐっていく水滴。 地球を躍動させる″水の循環”を表現しています。海から蒸発し、雨となって山に降り、川を流れ、 湖や池をつくりながら海へと戻る 水の一生を体感できます。

 

ドームAで使用されている素材は、「竹の集成材」。竹は3〜5年で成長する持続可能な素材です。そのままだと直射日光により割れやすいという弱点がありますが、最新の技術を用いて″集成材”にすることでその弱点を払拭。軽量かつ木材より強く、加工もしやすい「竹集成材」を、新しい建築構造素材として提案しています。

 

 

超高精細・巨大球体スクリーンで、 まだ見ぬ海洋世界に没入する。

  • ©Takai Fukao
  • 鉄の1/5の軽さでありながら同等の強度を持つドーム素材「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」
  • LEDスクリーンの背景には、光を吸収することで黒よりも黒く見える特殊な塗料が使用されている。 ©Takai Fukao

トンネルのような通路を抜けると 宇宙空間のような、漆黒のシアターへ。

2つ目のドームBのテーマは、「海洋 Ocean」。

高精細のLEDスクリーンに映し出されるのは、 青く輝く水の惑星・地球そのもの。 いのちの誕生から、躍動する魚の群れ、 サンゴ礁の豊かな生態系、未知の深海生物、 そして海中を侵していくプラスチックごみまで。 無数のいのちがさざめく「海」に没入し、 環境の汚染に身を震わせる、映像体験ができます。

 

用いられている建築素材は、「CFRP(炭素繊維強化プラスチック)」。航空宇宙や自動車などに用いられる素材で、鉄の1/5の軽さでありながら同等の強度を持つこの素材により、杭を打たずに建設し、廃棄物を出さずに撤去できるパビリオン建築を実現しています。 

海洋ごみの問題

海底から掘削されたエネルギー資源は、石油化学工場を経てさまざまなプラスチック製品となり、私たちの暮らしに快適さや利便性をもたらしています。1950年から2015年までに累計83億トンのプラスチックが生産され、63億トンが廃棄されています。

このうち、現在までに推定1億5000万トンは海に流出し、さらに毎年800万トンが新たに流れ込んでいます。この状況が続くと、2050年の海ではプラスチック廃棄物の重量が魚の重量を上回るという、戦慄のデータが報告されています...。

これらの展示を見て、多くの方にこのパビリオンを体験し、海洋ごみの問題を視覚的に体感してほしいと強く感じました。

見えてくるのは、どんな未来か。海の課題と、人類の叡智の交差点。

  • 「再生紙の紙管」でつくられたドーム構造。 ©Taiki Fukao

一連の展示コンテンツを体験した後は、 海の未来を考え続けるための交流拠点へ。

3つ目のドームCでは、「叡智 Wisdom」をテーマに、超ワイドなLEDスクリーンを備えた 『BLUE OCEAN STUDIO』を起点に、 海の未知を解き明かす研究者や、 海の課題に立ち向かう起業家、企業人、 海をなりわいとする人や、海を表現する人など 人類の叡智を結集し、世界へと発信する場が展開されています。

 

ドームに用いられた建築素材は、「再生紙の紙管」。災害時の仮設住宅から恒久的な公共施設まで国内外で用いられている再生紙の紙管を、パビリオンの構造材として展開しています。

サステナビリティグループ石田の展示注目ポイント

  • 土井善晴による「海と山の超純水」(1杯540円)
  • 完全天日塩をつくる様子 ©Taiki Fukao

中でも最も目を引いたのは、味わう展示『海と山の超純水』

展示の締めくくりとして、料理研究家・土井善晴さんによるスープ「海と山の超純水」が味わえるカフェスペースが展開されています。

「海と山の超純水」とは、人の手が加わる以前の自然の恵みを、一杯のカップに表現したもので、混じり気のない海の塩と山の水を合わせた塩水には、数か月間、太陽の力だけでつくった完全天日塩が含まれています。味わってみたところ、心地よい塩加減の温かな温水に身体がぽかぽかしました。

海との対話で、私たちの生活の中で改善するべきこと・見なおすべきことがいくつもある事に気づき、後悔や不安を感じた中で味わうスープは、温かく身体に沁みました。明るい未来を目指して、今できることを考え続けながら、海との対話を続けよう。そんな前向きな気持ちになりました。

  • ©ZERI JAPAN

6月8日は「世界海洋デー World Ocean Day」です。

BLUE OCEAN DOMEでは、万博期間中、世界中のソーシャル・イノベーターの共創による、「海と保全と繁栄」の実現に向けた国際シンポジウム、講演、ワークショップ等のイベント開催が予定されています。

 

■BLUE OCEAN DOME (ブルーオーシャン・ドーム) 特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン

▶公式サイト『BLUE OCEAN DOME』