読売テレビアナウンサーが視覚障害者向けに
「プロ野球選手名鑑」の音訳ボランティアを実施

  • NPO代表に音訳データを手渡す平松翔馬アナウンサー

読売テレビでは、サステナビリティに向けた社会貢献活動の一環として、アナウンサーたちが「声」を通して視覚障害者を支援する活動「音訳ボランティア」に初めて取り組みました。「音訳ボランティア」とは、視覚に障害のある方のために、活字で書かれている書物や刊行物の内容を分かりやすく音声にして伝える活動のこと。今回、読売テレビでは、京都市で長年にわたって音訳ボランティア活動を行うNPO法人「ロバの会」に協力する形で、報知新聞社が発行する「2023観戦ガイド プロ野球選手名鑑」をアナウンサーが音訳しました。

1975年に発足した「ロバの会」は、読者登録している視覚障害者に向けて、新聞や雑誌・単行本などを音訳したCDを無料で貸し出す活動を行うNPO法人。同会が音訳するコンテンツは、新聞記事、小説、教科書、百貨店の通販カタログなど多岐にわたっていますが、ここ10年ほどは「プロ野球選手名鑑」の音訳も行い、目の不自由な野球ファンの皆さんから好評を博しているということです。今回、アナウンサーが取り組んだ「プロ野球選手名鑑の音訳」というコラボレーションは、読売テレビとして「ロバの会」の活動で何かお役に立てることがないかという持ちかけをすることで生まれました。これまで同会ではセ・パ12球団の数百人分の選手プロフィールの情報を読み上げる膨大な作業をボランティアスタッフで分担して行ってきましたが、今年はここに読売テレビのアナウンサーが加わり、セントラル・リーグの6球団分の音訳を担当させていただくことになりました。

読売テレビとして音訳ボランティアを担当したのは、平松翔馬アナウンサー、諸國沙代子アナウンサー、大野晃佳アナウンサーの3人。報知新聞社が発行する「報知プロ野球名鑑2023年版」のセントラル・リーグ6球団分のチーム情報や監督・選手のプロフィール紹介テキストを読み上げる「音訳」の作業を行いました。

  • 音訳に使用した「2023観戦ガイド プロ野球選手名鑑」(報知新聞社刊)
  • プロ野球選手名鑑の「音訳」作業を行う平松アナウンサー


 普段から野球中継や報道情報番組などでプロ野球に関わっているアナウンサーたちにとっても、「音訳」は全く初めての作業。番組出演やプロ野球キャンプ取材など業務の合間を縫って、音訳用の専用ソフトの使い方を習熟。視覚障害者の方が聴き取りやすい発声方法や読み方のスピードなどを試行錯誤しながら、自分たちで機械を操作して録音作業を行いました。

 今回、アナウンサーたちが音訳したデータは、「ロ バの会」スタッフが担当したパ・リーグ6球団分の音訳データと一緒にCDに収録され、同会を通じて希望する視覚障害者の皆様に配布されるほか、国会国立図書館にも「視覚障害者等用データ(DAISY図書)」として提供される予定です。

【音訳ボランティアを担当したアナウンサーのコメント】

■平松翔馬アナウンサー

音訳ボランティアに初めて取り組ませて頂いた感想を一言で表すなら「リスペクト」です。

「ロバの会」の皆様に実施にお会いしお話をお聞きしたことで今回のコラボ活動へと至りましたが、長きにわたって毎年この膨大な作業をボランティアでされている皆様に心から敬意を感じました。

実際に音訳の録音を行う際は、書き言葉で書かれている選手名鑑をどのように読めば利用者の方が聞き取りやすくなるかを意識しました。たとえば「今季」という言葉は「今シーズン」と言い換えたり、文に書かれていない「生年月日、血液型、球歴、出身地」など補足の文言を足すなど工夫し、利用者へのリスペクトの気持ちを持って読みました。

また、選手名鑑を読み上げることで「こんな経歴を持つ新戦力がこのチームに加わったのか!」とスポーツアナウンサーとしての新たな発見もあり、より一層選手へのリスペクトの気持ちが強くなりました。

 

■諸國沙代子アナウンサー

音訳のお話をいただいたときに、素晴らしい取り組みだと思い、ぜひ参加させていただきたいと思いました。

私自身、幼少期からプロ野球ファンで、選手名鑑はバイブルです。その選手名鑑情報をより幅広い方に触れていただくことは、野球中継を今後聴いていただく際にも、より楽しんでいただくきっかけにもなると確信しています。そして、「選手のことを知れば知るほど、その選手をより応援したくなる」ということは、私自身も肌で感じていて信念としている点ですので、ぜひより多くの利用者の方に届いてほしいなと思います。また、アナウンサーとしても、音訳のための録音は、各選手の情報を改めて丁寧に頭に叩き込むきっかけにもなりました。個人的には、全球団の音声データを私自身も活用したいくらいです。

今回は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

 

■大野晃佳アナウンサー

まずは、このような取り組みに携わることができて、スポーツアナウンサーとして嬉しく感じます。私自身も小学生の頃から野球をしており、選手名鑑には慣れ親しんできたので、音訳を通してより幅広い方にプロ野球選手の情報を届けるお手伝いが出来、大変光栄です。音訳の作業については、どんな風に読んだら伝わりやすいだろう、とイメージしながら行いました。書き言葉は話し言葉に直すことはもちろん、わかりやすくなるように文言を変えて読みました。音訳作業を行うといろんな選手の情報が頭に入ってきます。この開幕前のタイミングで今回のボランティアに参加できたこと、嬉しく思っております。

 

【NPO法人「ロバの会」 端野順子代表のコメント】

「当会は女性のスタッフが多く、みんなプロ野球に詳しくないので、これまで選手名鑑の音訳の作業にはとても苦労していました。今回、読売テレビのアナウンサーの皆さんがお手伝いしていただけると聞いた時はスタッフの歓声が上がるほどありがたいことでした。アナウンサーの皆さんの録音された音声はさすが滑舌もよく聞き取りやすかったです。」

 

【NPO法人「ロバの会」のご紹介】

1975年に「京都朗読奉仕会」として発足。視覚障害者のための情報提供を目的とする特定非営利活動法人。読者登録をされた全国約2,000名の目の不自由な方々に、新聞・雑誌・単行本などを音訳したCDを無料で貸し出す活動を行っている。

雑誌・単行本の音訳のほかにも、生活情報や新聞の切り抜き記事などを音訳した「ロバさんの万華鏡」を年4回、「ロバさんの高島屋通販カタログ」を年4回、「郵便局のふるさと小包カタログ」を年2回、「プロ野球選手名鑑&プロ野球記録集」と「暦」のCDを年1回、「チャペルアワー」を不定期発行、また、視覚障害者との関わりが深い、あん摩マッサージ指圧師・はり師きゅう師の国家試験関係などのCDも制作・発行。

現在、音訳や編集に関わるボランティア会員は約40名。毎週水曜日に京都市中京区の事務所にボランティアが集まり、CDの梱包や発送などの作業を行っている。ボランティア会員とともに、音訳図書の読者(利用者)の登録も受け付けている。

お問い合わせはロバの会の事務所(075-821-0844 水曜日10時から15時)またはメール info@npo-roba.orgまで。