「いただきます」をみんなに。
温かい気持ちでつながった、ytv「フードドライブ」。
この一か月間、たくさんの笑顔に出会いました。

お祭りの露店で見かけた昔懐かしのスマートボール。昭和の風情漂う‘アナログ’玩具が、令和の子供たちをこんなにも熱狂させるとは思いもしませんでした。「おしい!もうちょっと弱めで…入った!!やったー、1等賞!!!」。ytv「フードドライブ」のイベントを献身的に盛り上げてくださったのは、おおさかパルコープの組合員や、それぞれの地域で活動する子ども食堂のスタッフで編成する「ボランティアチーム」の皆さんでした。

11月27日(日)、ytv本社1階「シノビーパーク」でこの1か月間、週末ごとに開催したytvフードドライブもいよいよフィナーレを迎えました。ボランティアの皆さんの意気込みを物語るように、この日の参加者は、これまでで最多の19人。10代の中学生から最高齢76歳のベテランまでが集う多士済々のボランティアメンバーの中には、東日本大震災の被災地支援に、通算40回も足を運んだ方もいて、チャーターしたバスで17時間かけて岩手県大槌町や、陸前高田市に通っていたそうです。とにかく誰一人、一切「やってあげている」感はなし。終日立ちっぱなしの活動にも、疲れる様子を感じさせない「猛者」ばかりでした。(40代の筆者、時々座っていたことをここに告白します・・)。子供たちに喜んでもらいながら、フードドライブを学んでほしい。期間中、ytvが明るく楽しい「課外教室」となり、この一か月間、笑い声が絶えないイベントになりました。

ytv「フードドライブ」に寄せられた食品は、社内外から合わせて73.8キログラム。お米やパスタ、各種の缶詰、高級海苔やお菓子など、およそ200品目。ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。これらの食品は、おおさかパルコープの方々が、つながりのある「子ども食堂」や「ひとり親家庭」の支援団体などに早速、届けてくださっています。

今回、ytvが初めて取り組んだ「フードドライブ」を通じて、私たちもたくさんの気づきをいただきました。

日本のフードロス(廃棄食品)の半分近くが家庭からのゴミとなって処分されていること。その一方で去年と、一昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大による「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などで、外食産業での消費が落ち込んだため、生産者の現場でも大量の収穫物が廃棄を余儀なくされたこと。そんな状況の中で、おおさかパルコープでは、漁協から「行き場を失った」冷凍しらす、約10トンの提供を受け、少しでもムダにしないよう冷凍の倉庫やトラックを急きょ調達して、支援が必要な施設などに配って回ったそうです。食品を届けると言っても、子ども食堂などの施設や家庭によって必要としている種類も量も違うため、届ける食品の選定には「緻密な計画」が必要となります。例えば、ひとり親家庭で、子供だけで留守番をしている時には、火を使って調理する食品は使いにくいのが現実で、そのまますぐに食べられる惣菜や缶詰が必要になります。

今回の私たちのパートナーとして、ご尽力くださった「おおさかパルコープ」の常務理事・松岡賢司さん(61)は、国や行政などの支援はあるものの、多くの方々がフードドライブを通じて「何が本当に求められているのか。
個別の実態を知ってほしい」と語ってくださり、私たちはたくさんの「気づき」をいただくことができました。

ytvでは今回の「フードドライブ」への取り組みをきっかけに、微力ではありますがytvで働くスタッフがいつでも食品を寄付することができる「ケース(箱)」を常設することにしました。また各地で行われているフードドライブの活動を皆さまと一緒に、これからも応援していきたいと考えています。

「いただきます」をみんなに。
温かい気持ちでつながれたことに、感謝の気持ちを込めて。
サステナビリティ部 若尚美