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会計担当の行司が着服

【卑劣】“被災した子どもたちへの寄付”2500万円超を着服しギャンブルに…行司が懲戒解雇 監査役なし・通帳なしの杜撰な管理体制…相撲界で今、何が―

 元横綱・白鵬さんの退職など、世間を騒がせている相撲界。そんな中、35年も勤務していた行司が寄付金など2500万円超を着服していたとして懲戒解雇され、激震が走っています。一体、何が?元検事・亀井正貴弁護士の解説です。

約2000万円を使い込み

 日本相撲協会によると、力士会から日本相撲協会に「行司が力士会で集めた金を着服している疑い」と報告があり、行司にヒアリングを行うと、「力士会で集めた約2000万円のお金を使い込んだ」と話したといいます。

ずさんな会計管理

 力士会では2011年から、被災した子どもたちのため、一場所一人1万円ずつ積み立てをしてきました。その会計担当がこの行司でしたが、協会が関与していない寄付金のため監査役はなく、現金で集金していたため通帳もなかったとみられています。

 今後の管理体制として、日本相撲協会は「所属する力士の中から会計担当を選出し、管理する体制へと改める」としていて、毎年度、力士会総会の場で会計状況を報告し、事後的にも力士会全体で不正な資金流出がないよう監視するということです。

全額を競艇の舟券に⁉

 コンプライアンス委員会の調査結果によると、2019年1月~2025年5月にかけて、行司は力士会の積立金計2187万円を横領し、全額を競艇の舟券購入費等に充てていました。さらに、2021年1月~2025年4月にかけても、会計担当者に「横綱から言われた」と虚偽の報告をして計332万円を出金させ、それも舟券の購入費に充てたということです(全額返済済み)。

元検事・亀井正貴弁護士

Q.現金で集めていて通帳がないのに、横領の立証はできますか?
(元検事・亀井正貴弁護士)
「横領行為は、何月何日にいくら抜いたかを立証しなければいけません。銀行から出していれば記録に残りますが、それがなければわからないので、現金の横領の立証は非常に難しいです。例えば、10年間で2000万円を抜いたことだけは確かだったとしても、いつ抜いたかがわからないと、業務上横領で起訴はできません。一般的に横領する人はわりとメモを残しますが、そのメモはもうないかもしれないですね。ただ、預けたお金がなくなっていたら、民事的な損害賠償請求はできます」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2025年6月12日放送)

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