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【独自】4度の免許停止も明らかに!お騒がせ元都議・木下富美子被告の初公判 「都議辞任のきっかけは、 “刑の減軽”狙い?」
2022年1月27日 UP
免許停止期間中に7回の無免許運転
免許停止期間中、7回にわたり東京都内の路上で無免許運転を行ったとして、道路交通法違反に問われている元東京都議会議員・木下富美子(きのした・ふみこ)被告の初公判が1月25日、東京地方裁判所で行われた。
木下被告は、東京都議の選挙期間中の2021年7月2日、東京都内で無免許の状態で人身事故を起こした。事故が発覚したのが再選を果たした翌日だったため、「選挙のために事故を隠したのでは?」という憶測が飛び交ったが、木下被告は「人身事故となったことは、選挙の後、再度聴取のために警察に行ったときに初めて知ったので、事故の報告は選挙後になった。隠す意図はなかった。」と弁明。
しかしその後の調査で、2021年5月から7月まで東京都内で、合わせて7回の無免許運転を行っていたことが明らかに。道路交通法違反の罪で在宅起訴された。
裁判で明らかになった「4度目の免許停止処分」
公判では、木下被告に関する驚きの事実が明らかになった。
(リポーター)
「公判は午前10時に始まり2時間で終了しました。検察側は懲役10か月を求刑しました。検察の調べによると、木下被告は過去に4度の免許停止処分を受けており、今回の7回にわたる無免許運転は、4度目の免許停止処分中に起こした事件であることが明らかになりました。」
なんと、“無免許運転”を繰り返していただけでなく、“免許停止”も繰り返していたのだ。その4度目となる免許停止期間「150日間」の間に、無免許運転を7回行っていたという。
(リポーター)
「木下被告は無免許運転をした理由を、『再選を目指す都議選が迫っていて、ポスターの貼り換えなど車が必要な作業が毎日山のようにあり、コロナ禍でボランティアも少なく、心身ともにプレッシャーがかかる中でまともな判断ができず、無免許運転を繰り返した。』と供述し、今後について『運転免許の再取得のつもりはなく、車も処分した。』と述べました。」
Q.選挙期間中の心身のプレッシャーと言いながら、それ以前から無免許運転を繰り返していたわけですよね?
(リポーター)
「検察側からもその点に厳しく追及があって、『選挙期間中といっているが、都議会の議会棟にも行っているのはなぜですか?』と指摘されると、木下被告は『資料が重かったりして車を使ったが、プライベートでは無免許運転をしたことはない』と強調していました。」
驚きの供述「違反することで交通法規を学習していた」
Q感情をあらわにする場面はあったのでしょうか?
(リポーター)
「弁護側から『あなたはなぜ世間から非難されたと思いますか』と問われると、声を詰まらせ止まってしまいました。弁護側からの助け舟も遮り、木下被告は、『自分は無免許運転の罪の重さを認識しておらず、警察や検察の取り調べを受ける中で、その罪を理解していった。』と涙ながらに主張しました。印象に残ったのは、裁判長の『何度も交通違反をしているが、どう思っていたのか?』という質問に対して『自分は勉強し直さないといけないレベルの交通規範の知識で、交通違反をすることで(交通法規を)学習をしていたとの認識だった。』と答えたときに、裁判長が『普通、それでは運転できないでしょう!駄目でしょう!』と声を大きくする場面でした。」
Qほかに運転してもらえる人はいなかったのですか?
(リポーター)
「木下被告は『免停期間中であることを誰にも話していなかった、話せていれば誰かにお願いできたかもしれない。当時まともな判断ができなかった。』などと、“反省”と“後悔”という言葉を何度も使っていました。」
野村弁護士が懸念 都議辞任は「刑を軽くするため」?
このリポートを受け、中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也先生は、木下被告を厳しく批判した。
Q裁判長が怒るのも無理ないですよね。
(野村教授)
「規範意識というものが乏しいですよね。そもそも免許停止中は、軽い違反でも罰則が課せられるんです。ということは、免許停止中は『絶対に運転してはいけない』というのが大前提なんです。その意識が全く無いというのが、普通の常識とはかけ離れている感じがします。裁判官が怒るのも当然で、これが報道されて、世の中の人がこれでいいと思っては困りますので、裁判長もしっかりとくぎを刺したんだと思います。」
Qこれらの答弁は弁護士のアドバイスがあったのでしょうか?
(野村教授)
「そんなことは無いと思います。弁護士もちゃんと公判の前に、どういうことを聞くのか質問の内容を考えて確認したと思うんですが、先ほどのリポートの中で、弁護士の質問に対しても正確な答えをしていないですよね。だから全く自分の中で、何を批判されているかよく理解できていないんじゃないかなと思います。」
Qこのような人が東京都議選に出るということは、都民ファーストの会は木下被告のことを調べてなかったのでしょうか?
(野村教授)
「今回の公判で、もっと以前から免許停止処分を繰り返し受けていたことが明らかになりました。ということは、いわゆる“身体検査”をちゃんとやっていれば、木下被告のような人を候補にするということはなかったと思います。しかし、もしかすると木下被告が代表のような立ち位置で、管理側・選ぶ側にいたので、他の人たちのことは厳しく調べても、自分は例外的に調べさせなかった、ということがあったかもしれません。」
「また、私が一番気になっているのは、木下被告は、都議を辞めるべきだという勧告があった中で、ずっと居座っていましたよね。それが、小池知事が話をして潮目が変わった、と一般的には言われていますが、私はきっかけは、罰金で済まずに公判請求されたことだと思うんです。公判請求をされたときに、『自分が社会的処分を受けていると刑が軽くなる』と誰かに教えてもらったんじゃないかと思うんです。そういう形で自分の行動を変えたのだとすれば、木下被告は自分の行動を“自分に都合よく”コントロールしようという傾向が強い感じがしますので、その点でも非常に、反省が見られないと感じます。」
(情報ライブ ミヤネ屋 2022年1月25日放送)


