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【独自解説】藤井聡太六冠、史上最年少七冠に王手!現在対局中・第5局の行方と今後の超ハードスケジュールを専門家が解説
2023年6月1日 UP
「名人」奪取に王手がかかっている藤井聡太六冠。勝てば、「史上最年少七冠(20歳10か月)」になります。そんな藤井六冠を迎え撃つのは、“魔王”渡辺明名人です。運命の決選、戦況はどうなっているのでしょうか?豊川孝弘七段の解説です。
藤井六冠が挑戦する「名人戦」とは
名人戦は七番勝負で、先に4局勝ったほうがタイトル防衛、または奪取ということになります。豊川七段は第4局に立ち会ったということです。
Q.表情は変わらないように見えるのですが、藤井六冠はプレッシャーを感じていると思いますか?
(豊川孝弘七段)
「小さい頃から勝負していますから、皆さん表情は変わりませんが、藤井さんは特に集中力が高いです。将棋が好きで、強くてという、将棋を指すために生まれてきたような存在です」
Q. 渡辺名人が有利といわれる先手ですが、どちらが有利ですか?
(豊川七段)
「渡辺さんが、やや有利です。ただ非常に微細です」
「名人」は、最も伝統のあるタイトルで、歴史は1612年に遡ります。江戸時代は、幕府に認められた家元の人だけが名乗れる世襲制でした。現在のような実力制のタイトルとなったのは1935年からですが、挑戦権を得るだけでも長い道のりです。5つあるクラスの各クラスで1年かけて対局を行い、その成績上位者が1つ上に昇給していきますが、上がる人もいれば下がる人もいます。そして、最上級にあたる「A級」の10人が総当たりで対局し、優勝した棋士が名人挑戦権を獲得するという流れです。最短でも5年かかり、藤井六冠は5年8か月(6期)で挑戦権を獲得しました。
Q.最上級の1つ下「B級1組」でも、凄い方ばかりですよね?
(豊川七段)
「上に行けば行くほど強くなっていきます。B級1組は『鬼の住処』と呼ばれていますので、その上のA級は、もはや鬼以上です。その中で優勝して、一番強い人が名人にやっと挑戦できます」
海外対局などハードスケジュール…藤井六冠の運命や如何に
藤井六冠は6月5日に棋聖戦五番勝負第1局を迎えますが、開催場所はベトナム・ダナンです。海外での公式戦は2019年以来4年ぶりで、藤井六冠は「海外の方にも将棋を知っていただくきっかけになれば」と話していました。日本将棋連盟によると、将棋の海外普及のために海外対局を開催しているということで、1976年にハワイで初めて海外対局が行われて以来、ニューヨークやロンドンなどで24回開催されてきました。
藤井六冠は、忙しい日々を送っています。5月28日には岩手・宮古市、5月31日・6月1日は長野・高山村、そして6月5日にベトナムに行きます。しかし、もし名人戦の決着がつかなければ、13日・14日に山梨・甲府市で名人戦第6局があり、23日には棋聖戦第2局のため兵庫・洲本市へ、さらに27日・28日には名人戦第7局があるというハードスケジュールになります。
最後に、ミヤネ屋恒例『勝負メシ予想』です。藤井六冠の師匠・杉本昌隆八段が予想を外すと藤井六冠が勝つ、当てると負けるというジンクスが続いています。5月31日、「明日の昼は信州そば」だと予想していましたが、6月1日の藤井六冠の昼食は…信州そばでした。藤井六冠にとって運命の決選となる名人戦。勝利の女神が微笑むのは、果たして⁉
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年6月1日放送)


