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【注目】お手伝い×旅の『おてつたび』が50代以上に人気急上昇!「まとまった時間で、その土地で少し生活をしながら、楽しく過ごせれば」 事業者の人手不足解消にもつながる新たな“旅のカタチ”とは?
2025年4月19日 UP
いま、50代以上に人気急上昇中だという、旅の合間に地域の仕事をお手伝いする『おてつたび』が注目されています。いったいどんなものなのか?航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏の解説です。
■地域のお手伝いをしながら旅をする『おてつたび』 60歳参加者に密着「旅好きにとってはすごく良い」
徳島県三好市。自然豊かな秘境にたたずむ1軒の湯宿。
こちらのベッドメーキングをしている男性、実はこの宿の従業員ではないといいます。
(60歳)
「『おてつたび』です」
『おてつたび』とは、地域のお手伝いをすることで、報酬をもらいながら旅ができるというサービスです。サービス開始当初、10代から20代の参加者が中心でしたが、2024年には30代以上の参加者も増え、特に50代以上が急増しているといいます。
今回、60歳の男性に仕事をお願いしている旅館の代表、人手不足を解消するため、募集を出したといいますが…。
(大歩危峡まんなか代表取締役・大平修司さん)
「非常に山の中で、募集したものの応募が来るとは思っていなかったんですけど、予想以上に応募があって、逆に、こちらから失礼ながら、皆さんの志望動機とか思いをお聞きしながら、採用をできるようになりました」
男性は、東京在住の60歳(妻子あり)。今回で5回目の『おてつたび』参加だといいます。
(おてつたび参加者・60歳)
「もともと旅が好きでしたので、1週間・10日間・ひと月ぐらい、そういうまとまった時間で、その土地で少し生活をしながら、楽しく過ごせればいいなと思いまして」
38年間、サラリーマンとして働いてきた男性ですが、今回の仕事は?
(おてつたび参加者・60歳)
「お部屋の掃除、あとベッドメーキング、あと洗濯。これが主なお仕事です」
男性は午前10時から午後3時まで、時給1000円で働いていて、2025年3月27日から3週間の滞在を予定しているとのこと。
(おてつたび参加者・60歳)
「お客様のおもてなしをする側のお仕事は、したことがなかったものですから、非常に新鮮で楽しいです」
この日は、『おてつたび』期間中の業務9日目。男性は初めてトイレ掃除をレクチャーしてもらうことに。
(大歩危峡まんなか・スタッフ)
「グッジョブです。掃除もすごく丁寧にしてくれているので、本当に助かります」
午後0時30分。大勢の従業員たちがベランダへ…一体何が始まるのでしょうか?
(おてつたび参加者・60歳)
「今から観光列車が通ります。その観光列車に向かって、ウェルカムの旗を振るっていうセレモニーをこれからやります。毎日やります」
午前中の仕事を終え、従業員たちと昼食タイム。
(おてつたび参加者・60歳)
「きょうはお味噌汁と大根の煮物と塩サバ、あと奈良漬けに卵焼きにお刺身。その日によって、おいしいもの(賄い)を頂いています」
そして午後3時に業務は終了。
滞在期間中は無料で宿泊場所が提供される『おてつたび』。今回、男性は寮で寝泊まりしています。
この日の仕事を終え、自由時間となった男性が向かった先は、国の天然記念物にも指定されている大歩危渓谷。
(おてつたび参加者・60歳)
「なかなかこういう渓谷って、ありそうでないので、徳島まで来たかいがありましたね」
3週間の滞在のうち、休みは3日間。自由時間や休みの日を利用して、徳島だけでなく、四国各地に足を運んでいるといいます。
さらに、『おてつたび』の参加者には、期間中に1度は遊覧船に無料で乗船することができ、約30分間、ここでしか見ることのできない雄大な自然を堪能できます。
さらに特典はもう一つあり、温泉に入り放題だといいます。
(おてつたび参加者・60歳)
「今、季節もちょうど良いですし、渓谷美を見ながら、ゆっくり温泉に入って、そのあとビールを飲んで、この時間は最高です。バイクを持ち込んで『おてつたび』をさせていただいて、空いた時間に日帰りで走ってみたり、もしくは遠出をして、休みの日なんかは1泊をして帰って来て、また『おてつたび』をする、そういう計画が立てられるので、旅好きにとってはすごく良いかなと」
■『おてつたび』は各地で色んな募集も マッチングシステムで安心して利用ができる
Q.『おてつたび』はもともと、若者向けにできたものなんですよね?
(航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏)
「もともと若者をターゲットにしていて、旅行の予算が限られる中、バイトしながら旅をしたいというのがあり、結果的にこれが今、時間があるシニアの方が参加しているという。今、宿側が一番不足しているのは、ベッドメーキングや清掃の人手。清掃だけは、いくらITでも出来ないので、この時間を埋めてくれると両方の関係がウィンウィンになる。時給1000円で来てくれるというのは、旅費もある程度参加者が出すので、宿側にとっても大きい」
『おてつたび』の募集は各地であり、GWの募集例(4月7日現在)を見てみると、群馬にあるステーキハウスだと、期間は4月24日から5月6日、3食まかない付きで、時給は1000円となっていて、掃除や配膳などのお手伝いとなっています。
また徳島・鳴門市では、らっきょう農家でも募集があり、5月2日から15日に、らっきょうの収穫作業のお手伝いとなっていて、時給980円で休日・自由時間が多いとのことです。
『おてつたび』のマッチングシステムですが、募集する側と働く側がお互いに評価し合い、それがレビューという形で、ホームページに掲載されるため、お互いに安心して利用することができるといいます。
(株式会社おてつたび代表取締役CEO・永岡里菜氏)
「『おてつたび』は、旅が前提。『仕事は午後3時までで終わって、あとは好きに観光してください』みたいな時間設定が、どの募集を見ても大体ある。事業者さん側も人手不足解消だけではなく、地域を知ってほしいとか、プラスアルファの期待もしていただけている」
Q.参加者がSNSに上げてくれたりすると、さらに良いですよね?
(鳥海氏)
「そうです。それがまた宣伝になりますので、リアルな姿が分かる。当初は若者向けだと思っていましたが、シニアが食いついてきて、どこも人手不足なので本当にありがたいという状況」
(「情報ライブミヤネ屋」2025年4月7日放送)


