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【引っ越し】退去費用10万円が“ある資料”を提出し半額に!?知らないと損する『原状回復』の定義…どこまでが借り主負担?
2026年3月14日 UP
引っ越しシーズン到来で要注意なのが、『退去立ち会い』で起きる“原状回復”を巡るトラブルです。入居者に提示された高額の退去費用が、2度目の見積もりでほぼ半額となったケースがあるといいます。高額請求から入居者を救ったポイントとは。退去時に起きるトラブルについて、亀井正貴弁護士が解説します。
■引っ越しの“退去立ち会い”でのトラブル…ポイントは『原状回復』の定義
春の引っ越しシーズンの到来で、引っ越し業者や不用品回収業者から見積もりより高額な請求をされるなどの金銭トラブルが増加しています。中でも今、国交省が特に深刻だとし、警鐘を鳴らすのが、退去時に遭遇するトラブルです。
実際に起きた事例を見ていきます。
新居への引っ越しの前に、最後に行われるのが、不動産業者との『退去立ち会い』です。部屋の状態を確認し、原状回復にかかる費用を算出していきますが、不動産業者が「壁に画びょうの跡があり、張り替え費用は入居者側の負担です」と言い始めました。
さらに、「フローリングのワックスが剝がれている」として、ワックス費用も上乗せ。その後も、鏡や洗面台の水あか、キッチンの油汚れなど、30分にわたり次々と修繕箇所を指摘され、最終的に提示された見積もりは、全体の原状回復とクリーニング代で、なんと約10万円になったといいます。
思いもよらぬ請求に戸惑う入居者。しかし不動産業者は、なかば強引にその場でサインを求め始めました。
納得のいかない入居者は、不動産業者の上司に直接電話をかけ、正確な説明を求めましたが、「全額“入居者負担”で間違いありません」の一点張りだったといいます。あまりの高額請求に憤慨した入居者は、支払いのサインを拒否。このまま両者の意見は平行線かと思われましたが…。
後日、入居者が『国交省のガイドライン』を提出したことによって、事態は一転します。改めて立ち会いをやり直すことになり、約束の時間に現れたのは、前回とは別のスタッフでした。部屋を一つ一つ確認し直していき、再度提出された見積もりは、なんと約5万円で、当初のほぼ半額になったといいます。なぜこんなにも安くなったのでしょうか?
■画びょう跡に床の汚損…どこまでが借り主負担になる?
入居者が提出したという国交省のガイドラインには、「ワックスがけは通常の生活において必ず行うとまでは言い切れず、物件の維持管理の意味合いが強いことから、貸主が負担することが妥当と考えられる」と書かれていて、『原状回復』は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないと定義されています。
亀井正貴弁護士によると、「通常の使用による摩擦や経年劣化は貸した側の負担。借り主が原因で損耗などが発生、拡大した場合は借りた側の負担」ということです。
そして、貸主と借り主の主な負担もガイドラインで決まっています。
貸主の負担となるもの
●家具の設置による床・カーペットのへこみ
●テレビ・冷蔵庫などの後部壁面の黒ずみ
●画びょうによる壁の穴
借り主の負担になるもの
●床・フローリングの汚損
●たばこによる黄ばみ
●落書き
さらに、「洗面台などの水あかについては、清掃・手入れを怠った結果、汚損が生じた場合は、借り主の負担と判断されることが多い」ということです。
Q.借り主がクリーニング代を請求されることもありますよね?
(亀井弁護士)
「ありますけど、基本的には払わなくていいです。ハウスクリーニングは、次の人に貸すために貸主が行うので、必ずしも負担するわけじゃないです」
Q.貸主に「水あかがついている」と指摘されても、その場で拭けば問題ないですか?
(亀井弁護士)
「そこが微妙なんです。借り主がほとんど管理をしなかった結果、水あかが、ひどくなっているような場合は、借り主に請求します。汚れ具合がどうかというのが、裁判で争点になります」
(嵩原安三郎弁護士)
「普通に生活していて、普通に掃除していればいいんですよ。全く掃除していなくて、腐っているみたいな、ゴミ屋敷みたいなものがダメなだけです」
(「情報ライブミヤネ屋」2026年2月26日放送)


